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【iPhone Android】スマホで推しのアクスタを背景と一緒に綺麗に撮る方法をチェック

 スマートフォンの広角カメラでは背景がボケてしまう問題はここ数年顕著だ。QRコードの読み取りはもちろん「推し活」にも影響しているようだ。

 今回はアクリルスタンドをボケずに撮影する方法や、お勧めの機種を300台以上のスマホを使ってきたライターの目線で紹介する。

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今回はミリオンライブの馬場このみさんのアクスタを使用する。サイズは10cmほどだ

 

 


推しのアクリルスタンドと背景を一緒に撮る方法。超広角カメラで撮るべし


 近年のスマートフォンでは、カメラ性能の高性能化と共に、背景がボケやすくなっている。特に近年の機種はイメージセンサーの大型化によって、背景がボケやすく、最短撮影距離が伸びて「寄れない」ものになった。読者の中にはiPhone 14 Proなどに機種変更して、QRコードが読み取りにくくなった経験を持つ方も少なくないことだ。
 
 その弊害は「推し活」にも表れている。推しのアクリルスタンド(以下:アクスタ)やキーホルダーとイベント会場などで記念写真を残そうにも、肝心の背景がボケてしまうのだ。そこで、近年はテレビやSNSなどでは超広角カメラを用いて「0.9倍で撮影」するとよいと紹介されている。

 

 それでは、超広角カメラを使うと背景がボケずに撮影できる理由を簡単に示す。超広角カメラは画角やレンズ設計の関係から被写界深度が深い(より多くのエリアにピントが合う)ため、推しのアクスタと背景をボケることなく一緒に収めることができる。

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超広角カメラは「0.5倍カメラ」などとも言われる。1より小さい数字が表示されていたり、超広角という記載があればこのカメラを使おう

 

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メインカメラにて撮影。ピントはアクスタに
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超広角カメラ(0.9倍)にして撮影

 

 上記の写真はiPhone 15 Proのメインカメラと、超広角カメラをズームして「0.9倍」にて撮影したものだ。確かに。0.9倍の方が背景がボケずに撮影できている。より多くのエリアにピントが合っているのだ。

 

 アクスタをスマホで撮影するコツとしては、ある程度手を伸ばし、スマホから離して撮影すると良い。「自撮りの逆バージョン」と思えば理解が早い方もいることだろう。

 奥行き感は出にくくなるが、背景から過度に浮かず違和感なく撮影できるはずだ。スマホを片手で持つ関係から手ぶれしやすくなるので、必要に応じてアクスタ用のスティック(自撮り棒)やクリップなどを使うと良さそうだ。

 撮影対象の材質がアクリルのため、場面によっては光の反射や映り込みもありえる。このような場合は、アクスタに角度をつけるなどして、工夫して撮影してみよう。

 もちろん、画像編集で指の映り込みを消したり、写真の歪みを補正したりすることも効果的だ。雰囲気に合わせて色合いを調整しでも良いだろう。

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指がないだけでもいい感じになる

 


超広角カメラは「サブカメラ」的な立ち位置。苦手な場面も覚えておこう


 ここからはスマホライターの視点で見ていこう。近年では超広角カメラを持つスマートフォンは価格を問わず多く登場しているが、一般に超広角カメラはレンズの品質などからメインカメラより性能や機能が劣るものが多い。

 そのため、アクスタを撮ろうとした場合に超広角カメラを使うと、いつものカメラよりも綺麗に撮影するのが難しい点には注意が必要だ。

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メインカメラで撮影したものを切り抜いた。ディテールは維持できている

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超広角カメラで撮影したものを切り抜いた。輪郭が甘くなっていることがわかる

 

 比較的新しいiPhone 15 Proでも、あまり明るくない場面では大きな差が出る。昼間や明るい室内ならここまでの差にはなりにくいが、暗いところでの推し活撮影は難しくなる。機種によっては思ったより暗く映ったり、ノイズまみれになったりすることもある。夜景をからためり、ライブ後の公演パネルとの記念撮影は意外と難しいのだ。

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ライブ終演後にこのようなパネルやライブ会場の名前がわかるものと記念撮影をする方は少なくない

 

 一般にスマートフォンの超広角カメラには、光学式手振れ補正を備えないものが大半だ。暗い場面や夜景モードを使うときは手振れに注意して撮影する必要がある。必要に応じてアクスタ用のスティック(自撮り棒)やクリップなどを使うと良さそうだ。

 

 また、廉価な機種では超広角カメラにオートフォーカスを備えていない機種、夜景モードが利用できない機種、超広角カメラでズームができない機種も存在する。その場合は撮影者がアクスタを前後に動かして位置を調整する必要がある。

 撮影しやすさを求めるのであれば、オートフォーカスを備える機種を使いたいところだ。これが使える機種の場合、ある程度性能が高い機種に仕上がっていることが多い。

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廉価な機種だと超広角カメラがあっても性能はかなり低い例も少なくない

 

 その一方で、超広角カメラの性能が高すぎる機種も「推し活」ではオススメできない。罠のように思うかもしれないが、実は超広角カメラでも機種によっては被写界深度が浅いものが存在し、これでは背景がボケてしまうのだ。

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超広角カメラの性能が高いnubia Z60 Ultraにて。超広角カメラでも大型のイメージセンサーや明るいレンズを採用した結果、メインカメラ並みに背景がボケている

 

 

アクスタを撮るためのスマホ選び。とりあえず超広角カメラのあるiPhoneを買っておけば大丈夫

 

 推し活用に超広角カメラを備えるスマホを選ぶなら、基本的に「性能が高い機種」を選ぶとよい。一般に昨今の10万円クラスの機種では、超広角カメラでも夜景モードやオートフォーカスが利用できる機種が一般的だ。それこそ、iPhone 11以降のiPhoneなら問題なく利用できそうだ。

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iPhone 15などでも十分すぎる

 

 AndroidスマートフォンならGalaxy S10以降のGalaxy Sシリーズ、Xperiaなら2019年以降の機種。あとはGoogle Pixelや、価格を抑えるならOPPO Reno Aシリーズなどで良いだろう。

 注意点は、iPhone SEのような「背面カメラがひとつしかない」機種だ。この機種では今回紹介した超広角カメラを使う方法は利用できない。複数のカメラを持つ機種でも、ある程度古いものでは超広角カメラを備えない機種が多い。これでは撮影できないので注意してほしい。

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iPhone 8 Plusはデュアルカメラだが、超広角カメラではなく望遠カメラだ
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iPhone SEはシングルカメラなので超広角カメラが無い

 

 また、AndroidスマートフォンでもAQUOS R6、R7、R8 proのようにメインカメラが超広角よりの画角かつ、大型センサーを採用して背景が大きくボケる機種では利用できない。こちらも実質的なシングルカメラの機種なので、この辺りは目的を持って選ぼう。

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AQUOS R8 proでは背景が大きくボケるため、撮影はかなり難しくなる


 さて、スマホマニアの筆者がこの用途でスマートフォンを選ぶならファーウェイのMate 60 ProやXiaomi 14 Ultraになる。高度な可変絞り機構を備え、メインカメラでもある程度背景のディテールを残したま撮影できる。

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Mate 60 Pro 超広角カメラ
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Mate 60 Pro メインカメラ

 

 ファーウェイのMate 60 Proは物理的な可変絞りを備えるスマートフォンだ。絞りをf4まで絞ると、超広角カメラと比較しても背景ボケ具合は大きく変わらなくなる。暗い場面でも優位に撮影できる。


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Xiaomi 14 Ultraもf4まで絞れるが、センサーが大きいので背景はボケる

 

 さて 今回は「推し活」に便利な超広角カメラを持つスマートフォンをチェックしてみた。意外にもiPhoneやPixel、Galaxyのスマートフォンで超広角カメラを備える機種なら楽しめそうだ。

 もちろん、アクスタだけでなくラバーストラップ(ラバスト)やプチぬいぐるみなどでもこの手法は応用ができる。アクスタに比べて光の反射が少ないので、撮影難易度は簡単になるはずだ。

 アクスタをきれいに撮影できるかは、スマートフォンの基本的なスペックよりも撮影方法に委ねられることが多い。いろいろな撮影方法を試して最高の1枚を推しと共に残してほしい。