スマートウォッチでは、日本でも売上で第2位につけるファーウェイ。実のところ、同社のスマートウォッチにはAndroid アプリが動くものがあるそうだ。ちょっと変わった端末が好きな筆者としては気になるところ。
せっかくなので、今回はAndroid アプリが使えるファーウェイのスマートウォッチでミリシタが遊べるのか。二年前のリベンジとしてチェックしていく
- 高性能になったスマートウォッチHUAWEI Watch 4でミリシタのリベンジ!結果は...
- Androidアプリが動くスマートウォッチ HUAWEI WATCH 4。アプリの導入方法も解説
- スマートウォッチで音ゲーを動かすのは実用的ではないけどロマン!
高性能になったスマートウォッチHUAWEI Watch 4でミリシタのリベンジ!結果は...
さて、実は筆者は2年前に高性能かつ、Androidアプリが動作するHUAWEI WATCH 3で「アイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズ」というリズムゲーム。ミリシタという3D表現のある「音ゲー」を遊べるかどうか試してみたことがある。当時の最高性能クラスのスマートウォッチで、シャニマスなどのブラウザゲームが快適に動作したので、ミリシタもいけるのではないかと勘繰った。
その結果は起動したものの、遊ぶことはできなかった。そもそもゲームアカウントにログインすることができず、ホーム画面から先に変遷しなかった。これはメモリ不足などよりもHiSilicon製の独自プロセッサだったことが原因と考えられる。
それでもなお、”腕時計でリズムゲームを遊びたい”という誰もが持っているであろう感情は消えることはなかった。これに対し、ファーウェイからスペックアップした後継機種が出たというなら試してみたくなるもの。
Huawei Watch 4は日本でもAmazonにて5万9800円にて購入できる
それでは、このHUAWEI WATCH 4では「ミリシタ」は動いたのだろうか。結果はリズムゲームを遊ぶことはかなり難しいものの、MVの再生を行うことが可能だった。つまり、ちゃんとゲームにログインできて遊ぶことができるのだ。
前作がミリシタを起動することがやっとだったことを考えると、1世代分しっかり進化したことがうかがえる。
ファーウェイのスマートウォッチなら、ミリシタ(3D表現のあるリズムゲーム)が遊べるのです。これからは腕でアイドルをプロデュースする時代です。 pic.twitter.com/DGCs1Ocrak
— はやぽん (@Hayaponlog) 2024年11月10日
スマートウォッチでミリシタを遊ぼうとしたら、音ゲーの画面まで行ったけど遊べなかった。くやしい pic.twitter.com/OlMtnhzzeY
— はやぽん (@Hayaponlog) 2025年1月3日
2Dモードならいける!
— はやぽん (@Hayaponlog) 2025年1月3日
少し叩けた!おしい!!!
スマートウォッチでミリシタが…遊べない。新年からなんか悔しいぞほんと。 https://t.co/eFpV3mCP4m pic.twitter.com/vsyT3JQHyx
みてのとおり、3Dモデルのキャラクターがリアルタイムレンダリングで動作している。リズムゲームはさすがにノーツが出てきたタイミングでフリーズするものの、2Dモードにしたらいくつか叩くことができた。
筆者的には悔しい結果ではあるが、このような用途で利用する場合、より高性能なスマートウォッチが必要になりそうだ。そのような意味ではスマートウォッチのさらなる性能向上に期待したい。
もう少し高性能なスマートウォッチがあってもいいかもしれない
さて、HUAWEI WATCH 4でミリシタが動く理由はスペックが強化されているからだ。本機種はAndroid OSを採用するので、ハードウェア情報を表示するアプリで確認したところOSバージョンはAndroid 12ベースのHermonyOS 4.2を採用されており、これは同社のスマートフォンとよく似ている。
そしてプロセッサにはなんと、クアルコムのSnapdragon W5 Gen 1が採用されている。制裁下でよくぞ2022年発表のプロセッサを引っ張ってくることができたと関心しかない。まぁ、このプロセッサの場合、5G通信には非対応なのでそこまで問題にはならないと考える。
アプリ上ではSnapdragon Wear 5100を示す「SW5100」の文字が見える
Snapdragon W5 Gen 1のプロセッサ部はSnapdragon Wear 5100となっており、4nmプロセス製造、Cortex-A53コアの4コア構成だ。メモリは2GB、ストレージ容量は32GBとストレージ容量は前機種の倍の容量だ。なお本機種は32bitモードで動作している。
理屈上は64bit動作も可能なプロセッサが採用されており、GPUはVulkan APIにも対応するAdreno 702が採用されている。ストレージ容量も32GBになっているので、ハードウェア的にはあの「学園アイドルマスター」を動作させることも可能だ。残念ながら、OSが32bitモードである以上それは叶わなかった。
もちろん、ブラウザやYouTubeアプリといったものも動作する。3D表現のあるリズムゲームは厳しいかもしれないが、Webページや動画を見たりするには十分すぎる性能かもしれない。
Androidアプリが動くスマートウォッチ HUAWEI WATCH 4。アプリの導入方法も解説
ファーウェイのスマートウォッチといえば、高いフィットネス機能と長寿命のバッテリーライフが特徴のHUAWEI WATCH GTシリーズ。スクエアデザインでコンパクトなHUAWEI WATCH Fit、機能を一部をオミットながらも、より安価に展開しているHUAWEI Bandがある。
このほかにも血圧測定機能を備えるHUAWEI WATCH D、完全ワイヤレスイヤホンを内蔵してしまったHUAWEI WATCH Buds、40万円という価格もびっくりなHUAWEI Watch ULTIMATEがある。その中でもAndroid アプリが動作するほど高性能なものがHUAWEI WATCH 4だ。
HUAWEI WATCHという多機能時計のラインにはかつてGoogleのWear by OSが搭載されていた。ところが一転して、HUAWEI WATCH 3以降ではHarmonyOS が採用されている。これは米国の制裁が大きく関係しているものと思われるが、その結果からか、今まで動かしにくかったAndroidアプリがあっさり動いてしまうのだ。
そんなAndroidアプリが動くHUAWEI WATCH 4。ここからはアプリの導入方法を説明する。アプリの導入方法はいくつか海外フォーラムでまとめられているが、改めて日本語で説明しようと思う。
1.スマートウォッチの設定から「デバイス情報」をタップし、HarmonyOSの項目を複数回タップする
この操作で「開発者向けオプション」の表示が現れる。
2.開発者向けオプション内の「HDCデバッグ」の項目とその下にある「Wi-Fi経由でデバッグ」の2つをオンにする。
3.HUAWEI WATCH 4をWi-Fiに接続する。
接続すると「Wi-Fi経由でデバッグ」の項目の下に IP アドレスが表示される。
4.パソコンをHUAWEI WATCH 4を接続したWi-Fiと同じ SSID に接続する。
5.HUAWEI WATCH 4とパソコンを ADB接続する。
コマンドは以下のものを使用しよう。
adb connect ipアドレス(HUAWEI WATCH 4のアドレス)
接続されるとウォッチ側に「このパソコンとのadb接続を許可する」といった表示が出るのでチェックを入れて有効にする。
6.以下の項目を入力し、パッケージインストーラーを無効化する。adb shell pm disable-user com.android.packageinstaller
これを行わないとインストール時にエラーが出て弾かれてしまう。また、一度デバッグモードを解除すると再度有効化されるため、アプリのインストールができない場合はコマンドを入力してチェックしてほしい。
7.アプリをHUAWEI WATCH 4に転送しよう。adb install コマンドを使ってパソコンからapk形式のアプリケーションをインストールできる。
Wi-Fi経由のインストールなので、少々時間がかかるが気長に待とう。
さて、アプリインストールの流れとしてはこんなところ。方法はHUAWEI WATCH 3と全く同じなので、既にやったことがある方もいることだ。
特段面倒な設定もなく、adbコマンドのみでアプリのインストールが行えるので、初心者でも安心して試すことができる。
注意点として本機種は32bitモードで動作している。そのため、アプリケーションはARM-v7アーキテクチャに対応するものでないと動作しない。近年のアプリはapkも自動的に64bit仕様でダウンロードされるものが多いので、つまづいたときはアプリの対応アーキテクチャも確認してみよう。
アプリは標準ランチャーに並ぶ。時計側からのアンインストールも可能だ。
スマートウォッチで音ゲーを動かすのは実用的ではないけどロマン!
最後になるが、スマートウォッチでAndroidアプリを動かす必要があるのだろうかか?この際はっきり言いましょう。ありません。
実際、ミリシタの動作中に腕に巻いていると、本体がまるでカイロのごとく暖かくなってくる。雪が降りしきるこの時期にはいいが、夏の猛暑にはたまったものではない。
ただ、筆者のような人種は「動く」とわかればそのハードウェアで動かしたくなるのです。腕時計で時刻を確認するフリをして、音ゲーで遊んでいたら…それはそれはクレイジーじゃないですか。そういうロマンを少しでも楽しめるスマートウォッチがHUAWEI WATCH 4だ。
もちろん高性能なプロセッサ搭載を採用し、独自ストアのApp Galleryから多くのアプリを入れられること。省電力モードを使えば14日間の電池持ちであること。eSIM対応による常時通信や通話機能に加え、Wi-Fi対応や5ATMの防水機構などの見どころも多い。
そもそもSIMが入って通話でき、AndroidベースのHermonyOSが入っている時点でこれは腕に巻くスマートフォンになるのではないだろうか。語弊はあるものの、現時点で日本で正規購入できる「最新のファーウェイ製スマートフォン」ととらえることもできる。
高性能なHUAWEI WATCH 4を手にする機会があれば、ぜひお好きなアプリを入れて楽しんでほしい。