前回は、携帯電話の"三種の神器"がもう時代にそぐわない理由を解説した。
携帯電話の"三種の神器"は「おサイフ」「ワンセグ」「赤外線通信」の三つの機能のことを指していたものだ。
当時は需要も大きく、携帯電話を選ぶにあたって大きな要素であったが、おサイフにあたるFeliCaを除いて今では搭載機種も限られるものになってしまった。
どうやら携帯電話の"三種の神器"はもう時代にそぐわない古い考えなのかもしれない。そこで、令和版とも言えるスマートフォンの"三種の神器"を読者の皆様と考えてみたい。
アンケートで分かったスマートフォンの"三種の神器"「おサイフケータイ」「防水」あとひとつは…
今回は事前にTwitterで「あなたがスマートフォンに求める必須機能3つ」と言う題目でアンケートを行い、コメントを募ってみた。
頂いたコメントからニーズの大きいものを順にした結果、概ね以下のようになった。
有効回答数:202件(意味合い的に近いものは合算)
1位:FeliCa(おサイフケータイ)
2位:生体認証(指紋、顔など)
3位:防水防塵
4位:高性能なカメラ性能(夜景モード、ズーム性能、AI補正等)5位:急速充電
6位:画面のリフレッシュレート(90Hz、120Hz等)
7位:デュアルSIM、eSIM対応
8位:イヤホンジャック、ワイヤレス充電(同率)
9位:Bluetooth(高音質コーデック対応等)
10位:SDカードスロット、大容量ストレージ
やはり、旧三種の神器から続くFeliCa(おサイフケータイ)のニーズは依然として高いようだ。断トツの首位得票であり、これが無ければ不便という声を多くいただいた。
FeliCaは日本で使うには無くては困る機能のひとつだ。
防水性能もかつてから関心の高いものだった。中国メーカの安価な機種に防水が無い事を不安に思ったりすることを考えると、この機能も確実に必要なものになっている。
防水性能も日本では求められる機能のひとつだ
そして"あとひとつ"の枠に入ってきたものは生体認証だった。指紋認証や顔認証をはじめ、生体認証は近年の大きなトレンドとなっている。
近年では、ハイエンドに限らず廉価な機種でもほぼ当たり前のように生体認証は備わっている。これなしでは困る、選択に値しないと考える方も多いのではないだろうか。
ソフトバンクから2万円で販売されたXiaomi Redmi Note 9Tにも指紋センサーは備わっている。
それ以外には高いカメラ性能、急速充電、画面の高リフレッシュレート、デュアルSIM対応と続いた。
カメラ性能については画角、画質、ハードウェアスペック、動画撮影性能など多岐にわたって寄せられたので、今回は一括で取り扱った。
この項目が上位に入ることは、近年のトレンドらしい結果と言えるだろう。
カメラ性能の高いスマートフォンも、今の市場では求められている。
また、イヤホンジャックやSDカードスロットなど、近年では搭載が減っているものを求める声があることも確認できた。
その他少数意見では「長期間のアップデート保証」「ステレオスピーカー」「高精度な位置情報測位機能」もあった。
スマートフォンの"三種の神器"は「おサイフケータイ」「防水」「生体認証」
携帯電話の必須機能と言われた"三種の神器"と呼ばれた便利機能。これからの時代は「おサイフ」「防水」「生体認証」の三つとなりそうだ。
FeliCa(おサイフケータイ)については、旧三種の神器から引き続きとなるが、今もなお必須の機能だ。
需要が落ち込んだワンセグや赤外線通信機能に代わる部分は「防水防塵」と「生体認証」となりそうだ。筆者としてもこの回答結果について異論はない。
FeliCaについては依然として高い需要があり、海外メーカーも精力的に対応させるなど「日本で売る上では必須」と言えるものになっている。
NFC決済が利用できる交通機関もあるが、依然として少数だ。やはり、どこの改札を通る際にも携帯電話をかざして通れる点は便利すぎるのだ。
防水防塵も以前からニーズがあったが、スマートフォンを選ぶうえでは重要な要素となる。
かつてのiPhoneやGalaxyが防水非対応を理由に選ばれなかったことを考えると、日本では大きな需要があるものとなる。確かに、防水対応なら普段使いにおける安心感が各段に増すものだ。
生体認証は間違いなく必須の機能だ。今のご時世パスワードをいちいち入力しなければロック解除できない携帯電話など使いたくもない。
iPhoneがマスクを着用してでもFace IDを利用できるようにしたなど、メーカーとしても生体認証の重要度の高さがうかがえる。
・FeliCa(おサイフケータイ)
・防水防塵
・生体認証(指紋、顔、虹彩など)
この3つの機能をもって、スマートフォンの"三種の神器"としたい。
この機能たちが廃れるか、別の名前になるころには、携帯電話はどんな進化を遂げているのか。思うとワクワクが止まらない。