あらゆるものが売っている100円ショップ。今回、ダイソーにて有線イヤホンを利用するための"DAC付き変換ケーブル"なるものを見つけた。
百均でDAC????というパワーワードなので、実際に紹介してみたいと思う。
- iPad ProやPixelで使えるDAC付き変換ケーブルが全国のダイソーで300円で買える。
- 肝心のDACの性能をチェック。ハイレゾは非対応。音質は…微妙
- 断線したときや、予備がほしいとき。ダイソーで買えることが最大の利点
iPad ProやPixelで使えるDAC付き変換ケーブルが全国のダイソーで300円で買える。
今回見つけたものは、有線のイヤホンを接続する3.5mmジャックとUSB Type-C端子の変換ケーブルになる。
よく見るiPhoneのアダプタ同様に、基本的にスマートフォンと組み合わせて利用するものとなっている。
過去に100円ショップでは、アナログ出力の商品はあったが、DACを載せた"デジタル出力"が可能なものはなかった。
パッケージは「300円」の文字が目立つ。どうやら「エコラ」と言うところで販売されているもののようだ。
パッケージ添付のQRコードからは、動作確認端末が確認できる。意外と網羅されているようだ。
ケーブルの長さは5cmと一般的なサイズだ
USB端子には金メッキが施されている
この手のアダプターの需要が最も高いものはiPad だ。USB Type- C端子になったiPadではイヤホンジャックが廃止された。
そのため、有線イヤホンを利用する場合は変換ケーブルを利用する必要がある。これがデジタル出力対応、いわゆるDACの入ったものでないと使えないのだ。
2018年にiPad Proを皮切りにUSB Type-Cが採用されるiPadシリーズ。
実はAndroidスマートフォンでも、USB端子からアナログ出力ができるものとできないものがある。身近なものだとGoogle PixelはDAC内蔵のアダプタでないと、有線イヤホンが利用できないものになっている。
DAC内蔵のアダプタに関しては、本体のDACなどに依存しないため、近年のAndroid端末は概ね利用できる形となっている。
DAC内蔵のため、この手の商品はパソコンでも利用できるものとなっている。本体のイヤホンジャックが壊れた際に、仮設で装着すると音声出力とマイク入力として利用できる。
肝心のDACの性能をチェック。ハイレゾは非対応。音質は…微妙
本当にUSB DACとして使えるのか?ダイソーで売ってるような商品なので、当たりハズレあるだろ。
そのように感じる読者の方もいるだろうが、商品としてはちゃんと使うことができた。
今回はGoogle Pixel 7 Proで試してみた。問題なく再生は可能だった
USBオーディオハードウェアを確認できるNeutron Music Playerで確認したところ、"AB13X USB Audio"というものが出てきた。
スマートフォン側でも、オーディオドライバーが切り替わる警告が出たので、一応DACとしては機能していることがわかる。
このDACで処理できる信号は16bit/48kHzまでのようだ。そのため、ハイレゾ音源には非対応となる。
この辺りは、スマートフォンの付属品で採用されているものと大きくスペック面では変わらない。
試しにこのDACに強制的ながら24bit/96kHzの音源を再生したところ、ノイズが発生した。それはそう。
変換アダプタでもハイレゾ対応のものは存在する(写真左)
マイクについてもちゃんと利用できたので、iPadやスマートフォンであれば問題なく利用できそうだ。
肝心のサウンドについてだが、"音が鳴っている"と評価したい。まず、サーッというホワイトノイズが多く、接続しているイヤホンによってはかなり耳障りが印象だ。
加えて音の解像感も高いとは言えず、どこかベールを被ったような印象だ。DACに備わるアンプのパワーも貧弱だ。
そのうえで商品電力は多いのか、接続しているとバッテリーの消費も目立った。
少なかからず音質アップには使えないようだ。前述の通り、ハイレゾフォーマットにも非対応となるため、昨今のスマートフォンに入っているDACのほうがもっと高性能だ。
手元にあったLG V60 ThinQでは本体に備わるDACよりも低品質なものとなるため、一聴して分かるくらい音質が劣化した。
断線したときや、予備がほしいとき。ダイソーで買えることが最大の利点
DAC付きの変換ケーブルは1000円ほどと高価なこともあり、スマートフォンの付属品やAppleやGoogleの純正品を使ってる方も多いのではないか。
そうなると、万一の断線や紛失した際に予定外のコストがかかってしまう。端末との相性問題も含め、量販店ではどんなものを買っていいかわからないという声も聞く。
そんな中で、今回紹介したUSB変換ケーブルの最大の利点は"ダイソーで買えること"だ。
このようなイヤホン変換ケーブルはAmazon等の通販でも安く購入することができるが、販売店によってはDACの有無を表記していないことがある。特に安価な商品は、レビュー評価が低いものもあり不安を感じる点も多い。
そんな中全国のダイソー実店舗で購入できるこの変換ケーブルは、ある意味安心感を持って購入することができる。仮に初期不良で動作しなくても、返金対応も容易だ。
音質や接続時の品質はさておき、断線したり予備が欲しいと言ったタイミングで「気軽に購入できる」こと。これが、ダイソー300円DAC付き変換ケーブルが持つ最大のメリットになる。
最後に、この商品の注意点となるが、機種によっては"普通のDAC"として認識されることがある点だ。
この場合、音量制御ができないダイレクト出力となるため、最大音量で出力されてしまうのだ。一般的なDAC機能付きアンプであれば、ボリュームを備えているため音量調整ができる。
ただ、今回紹介した変換ケーブルタイプのものは、物理的な音量調節ができないため、機種によって相性が悪いことがある。
主にAndroid搭載の音楽プレイヤーなどで見られる挙動となるので、この辺りは注意していただきたい。
それにしても100円ショップでDAC内蔵の変換アダプタが買えるとは。300円商品とはいえ、すごい時代になったものだと改めて感じさせられる。
すごくどうでもいいことだが、そこそこ大きい企業のお問い合わせメールが「Yahooメールのアドレス」だったりすると、なにか"もにょる"のは筆者だけだろうか。