GoogleはPixelで利用できる「消しゴムマジック」「カモフラージュ」といったAI処理の一部を、iPhoneや他のAndroid端末でも利用できるようにしたことを発表した。
Google One契約者向けに随時利用できるようになるそうだ。
Pixelの消しゴムマジックがiPhoneでも使える!
Pixel 6の固有機能として大きな話題を呼んだ「消しゴムマジック」
写真に映り込んだ人やモノを消したりする際に有用で、Google Photoから簡単にできることもあり、売りの機能のひとつであった。
あくまで有料サブスプリクションのGoogle Oneを契約しているユーザーのみに解放され、Pixelユーザーは従来通り無料で利用できるとのことだ。
端末側の要件はメモリが3GB以上、OSはiOS15以降、Android 8.0以降とアナウンスされている。
Google Oneに加入していると、アイコンの右下に「1」のアイコンが表示される。これが限定機能だ。
Pixelを買う意義が薄れるのではないか?
売りの機能である「消しゴムマジック」を他社のスマートフォンでも利用できるようなれば、Pixelを選ぶ理由がないようにも思ってしまう。
ただ、有料のサブスプリクションに入る必要がないこと、Tensorという強力なSoCよって最適化されている点は依然としてPixelの強みになるはずだ。
この機能をGoogleもPixel 6以降の機種に絞った背景は、強力なAI処理を必要とするからだ。Tensorプロセッサは基本性能の中でもAI処理にかなり力を入れたものになっている。
もちろん同じ処理をCPUやGPUに行わせることもできるが、処理速度もあまり速くなく、消費電力でも不利となる。ユーザー体験を考慮してもこの選択になったはずだ。
ミッドレンジ端末ではこれらの性能が控えめのものは処理に時間がかかったりすることが想定される。
Snapdragon 8 Gen.2などには高性能なAI処理用のハードウェアアクセラレーターが搭載されている。
Pixel 6aクラスの価格帯で同等クラスのAI性能を持つ機種は、iPhone SE(第3世代)くらいなものになる。
それでも、Pixelユーザーは引き続き無料で利用できること、Tensorという高性能なハードウェアアクセラレーターで高速処理される点は変わらない。
目玉機能が他のスマホでも有料で利用できることがアナウンスされただけで、Pixelに高度に最適化されたものであることは変わりない。この最適化とTensor搭載なだけでも立派な選ぶ理由に値するのだ。
Googleとしては自社のサービスにユーザーを取り込むきっかけにもなるはずだ。有意義な機能が多く利用できるようになると、1ユーザーとしても嬉しい限りだ。