様々な製品の登場で市場をにぎわすワイヤレスイヤホン。今回はインナーイヤー型ながらもSnapdragon Soundに対応するなど「高音質」を売りとするSoundPEATS Air4を提供いただきましたので、レビューとする。
- 高音質に仕上げたハードウェアとハイレゾ対応の高品質サウンド
- SOUNDPEATS Air4の機能もチェック。インナーイヤー型ながらANCにも対応
- Snapdragon Sound認定の「高音質インナーイヤー」というありそうでなかった商品。価格も1万円以下とお求めやすい
インナーイヤーでSnapdragon Sound対応の完全ワイヤレスイヤホンをチェック
市場競争が過熱する完全左右独立型イヤホンの市場。ハイエンドと呼ばれるものはいわゆるカナル型と呼ばれるものが多く、耳道に入れる関係で装着感に違和感を覚えるユーザーも少なくない。そんな中、日本でも発売される「インナーイヤー型」音質重視のイヤホンがこのSoundPEATS Air4だ。
箱は一般的なイヤホンでよく見かけるタイプのものだ
ケースは艶消し加工となり、以前に比べて安っぽさを感じさせない仕上がりとなった。
本体の収まりも悪くない。いわゆるAirPodsのようなもので、特段取り出しにくさもなく使いやすいものだ。
高音質に仕上げたハードウェアとハイレゾ対応の高品質サウンド
SoundPEATS Air4 の対応コーデックとしてはSBC/AAC/aptX Adaptiveに対応している。また、1万円以下の価格ではまだ珍しいaptX Losslessにも対応だ。
aptX Adaptiveはハイレゾ相当となる24bit/96kHz再生も可能な高音質コーデックだ。イヤホンのプロセッサに高性能なQualcommの「QCC3071」を採用したことで、より高度なDSP処理なども可能になっている。
また、Snapdragon Sound対応機でも「aptX Lossless」対応のインナーイヤーイヤホンはかなり少数となる。対応機種はSnapdragon 8 Gen.1以降の機種となるが、ロスレス音源等を聞く場合は自動的に切り替わる。
Air4は同社初のSnapdragon Sound認証を取得した製品だ。
オーディオハードウェアについては13mm経のドライバーユニットを採用している。強力なマグネットを使用することで、高い駆動力を持たせ、広い音域を再現できるという。
低域がしっかり出てくるインナーイヤー型。解放感あふれる高品質サウンド
音にも妥協はないと触れ込みのSoundPEATS Air4を早速聴いてみることにする。今回の試聴曲はこちら
ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会より Shadow Effect/Diver Diva
アイドルマスターミリオンライブ!より
初恋バタフライ/宮尾美也
永遠のAria-From THE FIRAST TAKE/雨宮天
スロウリグレット/田所あずさ
今回の試聴環境はスマートフォンにソニーのXperia 1 Vを採用し、aptX Losslessの環境で使用する。本機種はaptX Losslessに対応する他、ストリーミング環境でも単独で24bit/96kHz環境の再生が可能な機種だ。
Air4を使用していると、インナーイヤー型のイヤホンでありながら、思った以上に低域もしっかり出ていることに驚く。これは前作のAir3 Deluxe HSと比較しても大きく進化しているポイントだ。
この方式を採用していることもあり、閉塞感を感じにくく、空間表現に長けているサウンドだ。全体的な傾向はややヴォーカルシフトな印象を受けた。
高域は少々持ち上げている感はあるが、特別ざらつきなどは感じられなかった。aptX Adaptive対応機らしく、ハイレゾを意識したような高音域の再生を意識したチューニングとなる。
高域の表現についてはコーデックに大きく依存するが、伸びやかな高域を体験したいのであれば、Snapdragon Sound環境での利用を強くオススメする。1万円以下のインナーイヤー型のTWSイヤホンで、ここまで上手く鳴らせるのであれば上出来だ。
最初にスロウリグレットを聴いてみる。透き通るヴォーカルに対して、高域の広がりが目立つサウンドであることがわかる。抜けの良さがあるので閉塞感は感じないだろう。
ここで曲をShadow Effect、続けて初恋バタフライに変えてみる。低域のレスポンスの良さ、窮屈さを感じさせない空間表現に関しては高く評価したい。どちらも低域が100Hz以下まで入っており、インナーイヤー型のワイヤレスイヤホンでは再現しきれず、薄っぺらい感覚になることもある。Air4ではそのようなこともなく、低音がしっかり効きながらも解像感を保っているように感じる。
ここで曲を永遠のAriaに変えてみる。冒頭の静けさの中のボーカル表現も悪くない。ピアノとストリングスが入ってからも音の硬さをあまり感じさせない点は評価したい。サウンドステージも比較的広い機種となるので、このような曲でも窮屈さを感じさせずに気持ちよく聴ける。
ここまで聴いてきて、サウンドクオリティはかなり高いことが分かる。さすがに有線のイヤホンには劣るが、aptX Lossless環境であれば有線環境に近いところまで来ていると感じられる。
SOUNDPEATS Air4の機能もチェック。インナーイヤー型ながらANCにも対応
さて、音質についてはこの辺りにして、ここからはマイクの品質や本体の質感について書いてみる。
マイクの通話音質は価格を考えれば良好だ。Snapdragon Sound認証を取得していることから、マイクの通話品質も良好だ。ノイズリダイレクションによってノイズの少ない通話を可能にしている。
フィット感については市場でもよく見るあの形状だ。やはりこの形状は人間工学的にもよくできているのか、TWSイヤホンの中でも上位に入る装着感だ。
バッテリー持ちに関してもあまり悪いという印象を受けなかったが、aptX Adaptive接続では公称値よりも早めにバッテリーが無くなる形だ。
このコーデックでは人混みにおいて音切れが目立つ場面も見られた。接続優先モードにするか、AACコーデックを利用すると良いはずだ。
安価なイヤホンながらアプリもしっかり備え、バッテリー残量の確認やイコライザーの調整が可能だ。
そして、インナーイヤー型ながらノイズキャンセリングに対応している。これはよくあるマイクのノイズキャンセリングではない。
メーカーとしても「リアルタイムで検知して効率的にノイズをカットするアクティブノイズキャンセリングを搭載」としており、この手の製品としてはかなりレアだ。
ノイズキャンセリングの精度はあまり高いものではないが、効果としては体感できるものとなっている。
アプリではイコライザなどの音響調整の他、ノイズキャンセリングやゲーム(低遅延)モードへの切り替えが可能だ
Air4ではマルチポイント接続にも対応し、2台の端末との接続も可能だ
操作については、音量調整の判定がかなり過敏で、フィッティングをするために本体上部に触れるだけで簡単に変わってしまう。この辺りは同社のインナーイヤー型で共通しているので、仕様と思われるが惜しいものだ。
操作ファンクションの切り替えはできないみたいなので、アップデート等で追加されると嬉しい限りだ。
Snapdragon Sound認定の「高音質インナーイヤー」というありそうでなかった商品。価格も1万円以下とお求めやすい
さて、今回レビューのSOUNDPEATS Air4というイヤホン。Snapdragon Sound認定取得で、aptX Lossless対応と音質にも力を入れた製品はある意味、ありそうでなかったものだ。
Air4の価格は8980円とSnapdragon Sound認定のワイヤレスイヤホンとしては、かなり安価な設定だ。手持ちでもEARIN A-3というインナーイヤー型のイヤホンを持っているが、aptX対応とは言え2万円近いこちらの商品と比べても、音質面ではいい勝負ができる商品に仕上がっている。
2万円台で販売されていたEARIN A-3
加えて、今回はメーカー様よりAmazonにて使用できる期間限定の8%引きクーポンを頂いている。以下のクーポンコードを決済時に入力すると、セール割引と合わせて6262円で購入可能だ。
クーポンコード:AIR4BLGALL 7月12日まで
SOUNDPEATS Air4はインナーイヤー型なので、高い遮音性などを備える機種ではない。一方で高すぎる遮音性、カナル型独特の閉塞感、中耳炎などを患っている等の理由からカナル型イヤホンを利用できないユーザーも少なくない。そのような方々にも安心して勧められる商品だ。
インナーイヤー型で高音質なイヤホンだけでなく、初めての高品質ワイヤレスイヤホンにも。安価で高音質な商品を求める方はチェックしてみてはいかがだろうか。