昨年発売された中国 vivoの折りたたみスマートフォンである「X Fold」はカメラ性能の高さと大画面であること、パフォーマンスの高さで瞬く間に注目された。
筆者も実際に手に取れる機会があったので、今回は簡易的なファーストインプレッションとしたい。
高性能クアッドカメラに大画面を備えてスペックでケチる要素なし。完璧に近いvivo X Foldを体験!
vivo X FoldはSnapdragon 8 Gen 1を採用したハイエンド端末だ。閉じて6.56インチ、展開時は8.03インチの大画面を持ち、どちらも120Hzのリフレッシュレートに対応だ。
画面を閉じた状態は6.56インチとなる。ヒンジ側のベゼルも削られており、体感的にも普通のスマートフォンと同様に利用できる。
画面を展開すると8.03インチの大画面となる。内部引き込む仕様となっており、折り目も目立たない仕上がりとなっている。
本体はレザー調のものとなっているので、高級感を感じるものだ。カラーはレビューで紹介するブルー系とブラックがある。
vivoのフォルダブルスマートフォンの凄さを表現するなら「全部載せ」とも言えるスペックだ。このタイプの折りたたみ端末では、画面性能やカメラ性能を抑えられたりするなど、フラグシップとは言えないものが多かった。
そのような中で、X Foldは同社が最初に発売方製品ながらカバー画面、メイン画面のどちらも120Hzのリフレッシュレートに対応。これに加えてどちらの画面でも画面内指紋認証に対応している。
どちらの画面でも画面内指紋認証に対応する数少ないスマートフォンだ。
プロセッサはSnapdragon 8 Gen 1を採用。折りたたみとしてはHONOR Magic Vに続く形での採用となったが、当時のフラグシップSoCを採用している。メモリはLPDDR5。ストレージはUFS3.1規格のものを採用している。
高負荷な原神でもしっかり遊ぶことができる。フォルダブル端末なので発熱面で不利な点はあるが、それでも快適な部類だ。
もちろん、展開した大画面で遊ぶのも良い
カメラ性能もフラッグシップに引けを取らない。5000万画素のメインカメラにはじめ、4800万画素の超広角カメラ、1200万画素の2倍望遠カメラ、800万画素の5倍望遠カメラの4つを備える。この手のスマートフォンとしてはかなり充実した構成となっている。
これに加えて同社らしく、ZEISS T*コーティングも抜かりない仕上がりとなっている。同社が得意とする夜景なども非常に綺麗に撮影できる。
フロントカメラについては、1600万画素のものがカバー画面。メイン画面のそれぞれに採用されている。
フォルダブルスマートフォンとしては珍しく、ペリスコープ方式の望遠レンズも備える。
ペリスコープ式望遠を備えるので、ズーム性能も悪くない。
夜警モードではサイバーパンクフィルターなどの各種エフェクトも備えている。
基本性能をしっかり押さえたカメラとなっているため、折りたたみ端末としてはかなり良い仕上がりだ。特にズーム性能や夜景性能に関しては他社の製品よりも良い仕上がりとなっている。
この他、バッテリーは4600mAhのものを採用。66Wの有線充電、50Wのワイヤレス充電にも対応している。この辺りもケチられていない点はありがたい。OSはAndroid 12ベースのOrigin OSが採用されている。最新バージョンでは各種機能が追加され、マルチタスクの使い勝手も洗練されてきた。
画面分割くらいなら問題なく可能だ。
フォルダブル端末らしい各種画面となっている。
フォルダブル端末は折り畳めるだけではない!工夫をこらした次の時代のフラグシップへ
今回、改めてvivo X Foldを触ってみて、折りたたみスマホにおける技術の進歩をまざまざと感じさせられた。
Galaxy Foldシリーズがどこか「フラグシップ」とは言い切れないハードウェアだったものに対し、vivoは「ウチは全部載せ」と言わんばかりの答えを出してきた。
このような機種についてはHuaweiの「Mate X2」こそ存在していたものの、かなり高価な製品であった。その後にXiaomiが「MIX Fold2」で続き、OPPOも「Find N2」でカメラ性能を強化した製品を出してきた。
画面を折り畳めるだけの製品から、メーカー独自の付加価値を載せていく"はしり"となった端末と評価できるものだ。
vivo X Foldの惜しい点は、単純に重量が重いことだ。全部盛りの機能となった結果、本体重量311gとかなり重たい。Galaxy Z Fold4などと比較しても体感でわかるほどの大きな差がある。
確かに他の機種に比べてずっしりと来る
さて、vivoとしても矢継ぎに新製品を発表し、Snapdragon 8+ Gen 1を採用した「vivo X Fold+」に続き、今春には世界初のSnapdragon 8 Gen 2を採用したフォルダブルスマートフォン「vivo X Fold 2」を発売した。この他にもフリップタイプの「vivo X Flip」を市場に投入するなど、たった1年で4機種も投入してきたことについては大きく評価したい。
vivo X Foldは当時8999元(約18万円)で販売されたこともあり、競合と比べると比較的お求めやすい機種でもあった。後継機の登場で中古市場でも見かけるようになるなど、同社のフォルダブルスマホを試すには一番ちょうどいい選択になっている。
フォルダブルスマートフォンも頭角を示してきる中国市場。多くのメーカーがこのセグメントに参入する中、vivoは「全部載せ」といったフラグシップらしい方針をとっている。
最新の「X Fold 2」も機会があったらみっちり使ってみたいものだ。ある意味今後が楽しみで仕方がないメーカーだ。
モバデコさんでVIVO X Fold2を見せてもらっている。
— はやぽん (@Hayaponlog) 2023年7月9日
手持ちのX Foldと比較してもいい。とてもいいこれは欲しくなる… pic.twitter.com/ofZ1CLxBp9