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中国に入国しようとしたら、スマホの密輸師と間違えられて入管で止められた話

 皆さんは海外旅行をしている時に入国審査や手荷物開封検査に引っかかったことはあるだろうか。筆者は過去に3回あるが、その中でも今年5月に香港から中国に入境した際に、中国の入管にて手荷物検査を別途行ったことは記憶に新しい。そして、止められた理由は…

 

中国の入管に密輸師の疑いで止められる。理由は「12台のスマートフォン」

 

 よく飛行機の保安検査でノートパソコン等が入っていると、再検査となった事がある経験は皆さんあることだろう。これについては、事前に何が入っているか一言告げる、あらかじめ分けておけばスムーズに検査を終えることができる。

 ところが、入国時や出国時の検査は異なる。特に中国では地下鉄等に乗る際でも手荷物検査を必須とする国だ。そして筆者は中国に入境しようとした際に手荷物検査で引っかかってしまったのだ。

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深圳に行こうとしただけだったのに…


 実は筆者の利用した香港→深センのルートはいわゆる密輸が多い場所としても知られる。過去には、パソコンのCPUやメモリを何百個も体に巻きつけて出国しようとした人間が捕まったという話もある。筆者は密輸師と同様の扱いをされてしまったのだ。

 

 さて、中国の手荷物検査に引っかかったことがある方も少なくないはずだ。改めて説明すると、検査に引っかかってしまうと、まずボディチェックと荷物の検査を受ける。

 

 地下鉄ではコレで終わるが、入管施設はそうもいかない。他に怪しいものを持っていないか?前述したように体に巻きつけるような輩がいるため、金属探知機に加えて人間の手によって体の隅々まで調べられる。

 

 そして、別室で再検査を受けることになる。日本のように即時受けたりすることはなく、ある程度の検査が終わり、再検査場にまとまった人数が集まると別途検査官によって行われる。なお、検査待ちの間は連絡用のスマートフォン等を利用することができたので、時間潰しは行うことができた。


 その間に持ってきた荷物を一通り思い返してみる。パソコンにタブレット、スマートフォン…その他着替えなどの最低限の装備だ。特に怪しいものを持っているようなことはなかったが、ひとつ思い当たるならスマートフォンだ。その当時持ち歩いていたスマートフォンは12台。いつもより少し多く持っていたため、これが密輸か何かと勘違いされたのだろう。


 そして概ね50人ずつ集まると別室にご案内され、それそれが今かと対応を待つ。もちろん引っかかったの方は全て中国本土の方。ご案内時に身分証明書を渡さなければいけなくなるが、本土の方は住民カードを手渡していたのに対し、筆者の場合はパスポートを手渡した。
 手帳のようなものを手渡したのは筆者だけであり、外国人でこのような別室ご案内をされたのは筆者だけのようだった。ビザについても深セン特区ビザだったため、検査官も珍しい外国人のパスポートをなめ回すように確認していた点が印象深かった。

 


 どうやらこのパスポートを持ってるやつは面倒なのか、さっさと追い返したかったのだろう。再検査が始まるとなんと一番最初に通してくれた。こちらとしては英語で自分の出自や目的を説明するが、陸路入境なので英語がうまく通じない…

   しばらくすると英語がわかる担当の方が来て、検査で引っかかった理由を教えてくれた。やはり言われたのはスマートフォンだった。概ね以下の内容をしきりに聞かれた。

 

「違法なものや持込禁止のものはなかったが、カバンから11台のスマートフォンが出てきた。本当にお前のものなのか?」


「中国で転売するもの(密輸)ではないのか?」


「香港居民に見えないが、本当に日本から来たのか?」


「こんなにスマートフォンを持っているオマエは何者だ?」


 そのため、先決はスマートフォンについて全て個人保有のものであり、現地で売却するものではないことを証明する必要があった。これは簡単で、実際に電源を入れて画面のロックを解除してみせた。

 新品であれば箱があるはずだし、中古品であっても画面ロック等がかかっていて、ちゃんとアプリも入っているものであれば「実際に使用している」と証明することができる。

 正直このようなことは慣れたものだ。やはり10台以上スマートフォンを持ち込むのは怪訝な目で見られることが多いが、時間も有限なのでとりあえず淡々と作業をこなしていく。

 途中から検査官も一緒にスマートフォンの電源を入れてくれ、思った以上の速さで検査は進んでいく。興味深かったのか、検査官は出てくるスマートフォンのメーカーを軽く口にしたり、中国で発売されたばかりの機種が出てきた時には少々驚きの表情で迎えてくれたりした。

 

 ほどなくして、検査官の前で12台のスマートフォンはちゃんと筆者が使用しているものであると証明することができた。2人の検査官に確認してもらったが「Oh…Okay…Are You really Japanese?」と最後に英語で言われたのが印象に残った。


 今回持ち込んだスマートフォンの中には、当時まだ発売されたばかりの Xiaomi 13 Ultraがあった。これを外国人の旅行客が持っている時点で、やはり理解しがたいものがあったのだろう。

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当時最新スマホだったXiaomi 13 Ultra。発売から1週間以内の出来事だった


 その後はもう一度荷物を金属探知機に通して再検査。特に問題はなかったので、渡された紙にサインをしてほどなく中国に入境できた。時間は待ち時間を入れて概ね20分程度だっただろう。
 実は検査場で没収されたと思わしきGalaxy のスマートフォンが何度か目に入った。やはり違法なやり方で高額なスマートフォンを持ち込もうとしている輩がいる現実をまざまざと見ることができた。

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そんな深センではやっぱりスマホにタブレット端末を買っていた。どうやら出てくる時の方がスマートフォンの数は多かったようだ。

 

スマホを10台ほど持ち歩く方は海外旅行の際には気をつけましょう


 最後になるが、まず皆さんに注意して欲しいことは、出国または入国するにあたってスマートフォンを10台以上持ち込むというのは不審に思われる可能性があるということだ。
 過去にスマホを10台以上海外に持ち出した経験のある方はわかると思うが、出国時でも概ね不審な目で見られることが多い。ただ、多くの場合は「ビジネス」と利用目的を示せば基本的に持ち出したり、持ち込んだりすることはできる。
 今回は日本で別室検査を受けた時とは異なり、うまくコミュニケーションを取れないことが厳しいものとなった。入館で荷物の開封検査を受ける際に、うまくコミニュケーションがとれない外国人の気持ちがなんか痛いほど理解できた。

 

 また、前回の合コンでやらかした記事にも言及したとおり、筆者はスマホを普段10台持ち歩いている。よくどのようにして持ち歩いているのかと問われるか、ここで筆者が愛用しているものが、携帯電話研究家の山根康弘氏プロデュースのスマホ用ポーチだ。設計段階でスマートフォン11台を収容可能という筆者みたいな人間にはありがたすぎるポーチなのだ。

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収容力の高いポーチだが、現在は販売されていない。

 

 ちなみになるが、スマートフォンは10台だと重さはだいたい2.5〜3kgくらいになる。過去に筆者は海外旅行で28台のスマートフォンを持ち運んだことがあるが、この時の重さは10キロを超えていた。これだと、スマートフォンだけでLCCの手荷物重量を超過してしまうことになるのだが、これを解決したのはまた別のお話で…

 


 ということで、筆者が5月に経験した中国の入管でスマートフォンを10台以上持っていたら、密輸師と間違えられて別室検査を受けたお話だ。この経験談が皆様の役に立たないことを祈りたい。

 

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