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VRChatに革命!スマートフォン版を試す!快適に遊ぶなら高性能なハイエンドスマホがオススメ

 先日、VRChatにおいて、スマートフォン版がVRChat plusという有料ユーザー向けにアルファ版がリリースされた。まずはということで、実際に手元にあった30台のスマートフォンで試してみた。


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 VRChatの詳細な説明はさておき実際にスマートフォンでの利用方法についてまとめてみよう。まず、利用できる環境はAndroidスマートフォンとなっており、Android 10以降のバージョンで利用できる。

 アプリについてはGoogle Play Storeで配布されており、入手にあたって難しい要素はない。検索される場合は「VRChat alpha」と検索すると良いだろう。ワールドの行き来、アバターの制約としては基本的にMeta Questに準拠した仕様となる。ワールドやアバターは「Quest」という緑色の表記があるもののみ利用可能だ。

 

 そして、現時点の利用にあたってはVRChat plusという有料プランへの登録が必要となる。月額9.99ドルかかるが、アバターアイコンのカスタマイズなどが可能ないわゆる「ぶぃちゃ民」と呼ばれる人たち向けのものとなっている。

 余談だが、有料登録する場合はMeta経由で行うと月額990円となるため、円安のタイミングでも不安に駆られにくい。

 

 

30台のスマホでチェック!チャットだけなら意外と動くが、快適性には課題も多し

 

 さて、ここで気になるのはスマートフォンの推奨スペックだ。現在のVRChatにて製作されるコンテンツは、普及価格でヒットしたMeta Quest 2向けに作られていることが大半だ。同機種はSoCにクアルコムのSnapdragon XR2を採用していることから、これをスマートフォンに当てはめると Snapdragon 865相当となる。

 

 ただ、近年ではワールドギミックの増加や、参加者の多いワールドではQuest 2単機ですらフレームレートを保つことができず、性能不足を感じる場面も少なくない。

 今回は参加人数が10人以上のワールドで実際に会話等のコミュニケーションを行い、会話中でも60FPSをほぼキープできたものが以下のものとなる。

 

 

会話時でもほぼ60FPSキープ可能

Galaxy S23(Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy)

Galaxy S23 Ultra(Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy)

Xperia 1 V(Snapdragon 8 Gen 2)

AQUOS R8 pro(Snapdragon 8 Gen 2)

 

vivo X90 Pro+(Snapdragon 8 Gen 2)

vivo X Fold 2(Snapdragon 8 Gen 2)

OPPO Find X6 Pro(Snapdragon 8 Gen 2)

HONOR Magic 5 Pro(Snapdragon 8 Gen 2)

Xiaomi 13 Pro(Snapdragon 8 Gen 2)

Xiaomi 13 Ultra(Snapdragon 8 Gen 2)

 

ASUS ROG Phone 6(Snapdragon 8+ Gen 1)

Galaxy Z Fold4(Snapdragon 8+ Gen 1)

Galaxy Z Flip4(Snapdragon 8+ Gen 1)

Motorola razr 40 ultra(Snapdragon 8+ Gen 1)

 

vivo X Flip(Snapdragon 8+ Gen 1)

Xiaomi Pad6 Pro(Snapdragon 8+ Gen 1)

Huawei P60 Pro(Snapdragon 8+ Gen 1)

vivo X80(Dimensity 9000)

 

 いくつか試したが、やはり快適に動作する推奨ラインはSnapdragon 8+ Gen 1クラスは欲しいところだ。基本的に3Dモデルを多く描写し、複数方面から聞こえる音声も的確に処理するとなれば、高い性能が求められることは事実だ。

 

 次は50FPS以上は確実にキープできる環境だ。妥協してでも、この辺りの性能は最低でもあった方が無難だろう。

 

50FPSはキープできる環境

Galaxy S22(Snapdragon 8 Gen 1)

Xperia 1 IV(Snapdragon 8 Gen 1)

 

OPPO Fixd X3 Pro(Snapdragon 888)

Galaxy Z Flip3(Snapdragon 888)

AQUOS R6(Snapdragon 888)

 

Google Pixel 7 Pro(Tensor G2)

Google Plxel 6a(Tensor)

 

vivo X70 Pro+(Snapdragon 888+)

 ここではSnapdragon 8 Gen 1世代ののスマートフォンで55 FPS以上、Snapdragon 888やTensor G2世代で50FPS以上となる。「快適」と呼べるラインはこの辺りになると感じる。これ以外の環境について試せたものは以下のようになった。

 

そのほかの環境

Xiaomi Mi10 Ultra(Snapdragon 865 平均47FPS)

Galaxy Z Flip(Snapdragon 855+ 平均40FPS)

LG V50 ThinQ(Snapdragon 855 平均43FPS)

 

Xperia XZ2 Premium(Snapdragon 845 平均38FPS)

Motolora razr 5G(Snapdragon 765G 平均35FPS)

BALMUDA Phone(Snapdragon 765 平均35FPS)

 

AQUOS sense7 plus(Snapdragon 695 平均30FPS)

 

Xiaomi Redmi Note 10T(Snapdragon 480 平均27FPS)

 

 フレームレートが50FPSを下回ると、動きの激しいアクティビティを視聴したり、パーティクルライブなどでは「引っかかる」という感想だった。

 一方で、会話だけに専念する場合はあまり支障にならないため、表示の部分を割り切ってしまうのであればSnapdragon 765クラスの機種でも利用できた。

 

 その一方で、廉価モデルに採用されるSnapdragon 695の機種で試してみると、アバター単独では60FPS 出すことができたものの、ワールド内に10名以上のユーザーがいる状態で動かしてみると、フレームレートは30FPSを下回ることが多かった。

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性能の低い機種では数人との会話でもフレームレートが落ちる

 

  低スペックの環境については、チャットでも音が切れたりすることがあったので、利用にあたってはストレスになる場面も出てくるはずだ。Snapdragon 695辺りでも処理ラグなどが大きいため注意が必要だ。

 

 また、どの環境でもバッテリーの消費が極度に激しく、Galaxy S23 Ultraをもってしても連続使用は4時間が限界だ。この辺りは今後のアップデートで随時解決されると考えるべきが、まだアルファ版だということを踏まえると現時点では評価しがたいものだ。

 

 

早期アクセスのアルファ版ながら意外と使える。スマートフォンからVRChatに革命が起こる

 

 さて、スマホ版VRChatアプリの操作系については、アルファ版ながらある程度まとまっているように感じた。オブジェクトを掴むこともできるし、各種スイッチ等の操作もできる。

 その一方カメラを操作しようとするとうまく撮影できなかったり、操作UIが消えてしまうといった不具合なのか仕様なのか不明な点も見られた。f:id:hayaponlog:20230827102053j:image

表示はデスクトップモードに準拠となるf:id:hayaponlog:20230827102143j:image

スマートフォンらしく縦画面での操作も可能だ


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Lanch Padなどはある程度見やすくなっている


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VRChat上ではAndroid版で入るとこのように表示される

 

 基本的な利用想定としては、PCを利用しないサブ環境や、初めてのユーザーがVR空間の世界に入り、VRChat民と呼ばれる人たちがどのような会話をしているのか、どのようなコミュニティなのか?そこで行われてるイベントとはどのようなものなのか?と言ったものを体験する上では非常に良いきっかけとなっている。

 

 

 さて、VRChatがスマートフォンで楽しめるようになれば、昨今言われるメタバースプラットフォームをより手軽に体験できるものとなる。

 現時点ではスマホでも利用できるプラットフォームとして「cluster」があるが、楽しめるアクティビティの数やユーザー数などではVRChatのほうが大きいものとなる。現状のアルファ版ではアバターを自由に動かしたり、表情モーフを自由に操作することはスマホからできないのの、いずれは可能になるはずだ。

 また、動作要件についても最適化が進めば緩和される可能性は大いにあり、正式リリースされる頃にはより多くのスマートフォンで快適に楽しめるようになることだろう。

 

 そして、筆者としてはこれがVRSNSにおける「革命」になるのではないかと考える。スマートフォンでのVRChatはVR空間内にスマホを持ち込むようなもので、以前よりも簡単にSNS等にリアルタイムでVRの世界を発信できる。

 縦画面で利用できることを考えれば、画面をスクリーンレコードして、TikTokやYouTube Shortにアップロードするユーザーも出てくることだ。これを利用したクリエイターやパフォーマーの発掘にも一役買うことにもなりそうだ。

 

 普及機のヘッドマウントディスプレイ登場に次ぐもうひとつの革命。その時はもうすぐ近くにまで来ている。

 

 

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