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ファーウェイ Mate 60 Proに搭載されている中国製SoC「Kirin 9000s」は SMIC 7nmプロセス製造と判明!ブルームバーグが報じる

 ブルームバーグは日本時間9月4日、ファーウェイの新型スマートフォンとなるMate 60 Proに搭載されているSoCは、中国製の7nmプロセスで生産されているものであると報じた。

 

 この機種のSoCはシステム情報を表示するアプリ上で5nmと表示されるが、EUV露光装置といった半導体製造設備が禁輸措置を受けていることもあり、表示の信憑性が低いことが指摘されていた。

 

 同誌では、実際にMate 60 Proを専門機関にて分解解析を行った結果、同機種に搭載が判明しているHiSilicon Kirin 9000sというプロセッサは中国SMICの7nmプロセスで製造されていることが判明したとしている。

 現在のハイエンドスマートフォン向けのプロセッサは4〜5nmの先端技術で製造されているが、これらの製造に不可欠なオランダ ASML製のEUV露光装置は制裁の関係で中国は禁輸措置を受けている。そのため、今回のMate 60 Proで用いられた技術は最新のものから4年ほど劣るものとなる。

 また、この7nmの半導体製造技術は台湾TSMCのものを精巧にコピーしたとされているが、その過程にて「不正な手段で技術を取得した可能性がある」と報じられていたこともあり、ファーウェイ側も大々的に発表できなかったことについても納得だ。

 

 そのため、製造技術的に不利でかつ性能が出せない部分は、チップそのもののサイズを拡大して実装半導体数を増やしている。これによって従来以上の性能を確保できていると考える。

 ベンチマークスコア等から推察すると従来より高性能になったとしているが、消費電力やチップの実装面積などで不利と考えられる。中国のSNS投稿で「チップが大きくなっている」という指摘も納得できる形となった。

 

 同誌では2019年より行われている米国の制裁下にもかかわらず、中国の半導体産業が7nmプロセスの製品をある程度安定して製造できること。その規模を維持できていることに驚きを示すとともに、これらの行為がさらなる制裁強化につながるものと指摘した。

 また、Mate 60シリーズが中国で品薄である状況を鑑みると、チップの製造歩留まりが極めて悪いと指摘。最新の半導体製造装置を利用できないことからこれ以上の性能向上は見込めにくく、近いうちに限界が来るのではないかと報じている。

 

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筆者もMate 60 Proを入手したが、まだまだアプリの対応などには難があると感じた次第だ。今後は可能な範囲で情報をお伝えしたい。

https://www.bloomberg.com/news/features/2023-09-04/look-inside-huawei-mate-60-pro-phone-powered-by-made-in-china-chip?utm_source=website&utm_medium=share&utm_campaign=copy

 

 

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