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なぜiPhoneが高額で転売されるのか?背景にある海外の事情とは

 iPhone 15シリーズが販売されたが、それに乗じて買取価格も盛り上がっている。既に定価+5万円を超える値付けをする業者が現れるなど「転売」されやすい環境となっている。

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 そもそも、iPhoneがこれほどまでに高価になっても買う層がいるのか?今回はiPhoneが転売でも高価になる理由を考えてみよう

 

 

転売で高く買われたiPhoneの行き先は香港から世界中へ!安く買える日本は転売されやすい環境に

 

 発売当初のiPhoneが高額で買い取られる背景には、品薄で入手が難しいというものがある。確かに今年はiPhone 15 ProやPro Maxは品薄で発売日に購入できない方も多く見られた。

 

 そのような中でどうしても発売日付近に欲しいという需要はある。例えばインフルエンサーやメディア、半導体などの調査機関はその筆頭と言える。それ以外では高価であってもどうしても欲しいマニアやファンなどの存在だろう。

 そのため、日本でも国内向けの買取業者も強気な設定で買取価格を提示したり、転売目的とも言える高価な設定でフリマアプリ等に出品されるのだ。

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フリマアプリではストア版にプラス10万円の設定にしているものもある。

 

 その一方で、海外向け買取を専門とする業者もある。一般に国内向けよりも高価な設定で買取を行うため、いわゆる「転売ヤー」が蔓延る理由にもなっている。

 そんな日本で高価な価格で買い取られたiPhoneは、まず香港に送られることが多い。世界中のスマートフォンが集まる大きな市場もあり、物流の中継点でもある立地から、ここを経由して世界中に並行輸入品として販売されることとなる。

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海外向けに買取を行う業者は買取価格が高い

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香港でスマホが集まる先達廣場はこの時期になるとiPhoneが飛び交うという

 

 また日本では比較的iPhoneが安く買える地域でもあることが、転売元になる理由となる。海外へ販売する業者としても、安く仕入れられる地域で入手したいのはもちろんのことである。加えて中継点の香港からも遠くない日本は、iPhoneなどを安定して仕入れることができる重要な拠点と考えるのだ。

 

 iPhoneの仕様は地域によって細かい差はあるものの、基本的な部分が変わることはないため、比較的安価な日本で仕入れて価格の高い地域へ並行輸入品扱いで販売すると言ったことが行われるのだ。

 

転売されたiPhoneは正規販売が停止したロシアなどへ輸出といった特殊な事情も

 

 そんな高価な iPhoneは東南アジアなどで広く出回るという。地域によっては物価や各種税金などで製品価格が高くなることもあり、転売価格の並行輸入品の方が安価に買える場所もある。

 

 直近になると2022年春以降はiPhoneの正規取扱がなくなったロシアでは、最新モデルがかなり高値で取引されている。旧モデルの iPhone 14 Pro Maxでも現時点で11万ルーブル(約17万円)からと日本やアメリカに比べて高く、未開封でないものも多いという。

 前回のiPhoneも発売当初は法外な値付けとなっており、その例に漏れずiPhone 15 Proは128GBでも本日の価格で20万ルーブル(約30万円)の価格がついている。

 品薄と言われるiPhone 15 Pro Maxについては256GBモデルでも30万ルーブル(約48万円)となるなど、ロシアでの入手性の悪さに加えて中継地の香港や中国で熾烈な争奪戦と転売合戦が繰り広げられているものと考えられる。

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ロシアではiPhone 15 Proに対して20万ルーブルからの価格設定とする業者が現れている

 

 これなら日本の業者が定価より高価な設定でiPhoneを買い取っても、中継となる香港や中国の業者がそれを上回る価格で買取り、最終的にロシアで30万円で販売となればビジネス的には成立している形となる。

 

 転売による買い占めで日本のユーザーが満足に購入できないのはどうかと思うところはあるが、正規販売されていないロシアなどでも需要があると考えれば、多少高くてもこのような流れになることは自然だ。

 

 ここまで書いてきて発売直後のiPhoneが高価になる理由として、高価でも買ってくれるお客さんがいるから成り立つものとなっている。

 高価でも買おうと思えるだけの魅力をiPhoneが持っているのと同時に品薄や各種税制、発売日にラグがある、正規販売されていないと言った理由がある。日本の買取価格が高価な設定であっても、現地では日本から転売されて多くの手数料が乗ったiPhoneでも妥当といった形で市場に迎えられる。

 

 そのため、このような市場がある限りは日本でのiPhoneの転売ヤーによる買い占めも続く形となり、台数制限等の強固な形を取らない限りは抑えることは難しい。メーカーはもちろん、キャリアも転売対策も含めて考える必要がありそうだ。

 

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