はやぽんログ!

使ったスマホは300台以上。スマホネイティブ世代のライターが独自の視点でレビューやニュース、コラムを発信中!

vivo iQOO 12 Pro レビュー カメラとゲーミング性能を高い次元で両立。原神も144fps環境で楽しめるスマホ

 こんにちは。これまで使ったスマホは300台以上。生まれはギリギリZ世代のライター はやぽんです。今回はvivoの最新スマートフォンとなるiQOO 12 Proです。そんな機種のレビューと行きましょう。

 

ゲーミング性能が売りのiQOO最新フラグシップ iQOO 12 Pro


 近年のvivoにはXシリーズというカメラ性能を重視した機種に加え、ゲーミングパフォーマンスをアピールする「iQOO」というシリーズがある。元々は「カジュアルゲーミング」を意識した普段使いでも利用できるゲーミングよりのスマートフォンで、XiaomiのRedmi(POCO)やrealmeといったブランドの製品に対抗する形の商品展開だった。価格も競合と比較して廉価な点も特徴だ。
 近年では競合もプレミアム化が進んだことで、iQOOシリーズも高性能重視の「ナンバリングシリーズ」と、コストパフォーマンス重視の「Neoシリーズ」「Zシリーズ」に分かれた。特に今年発売のiQOO 12 Proは前者にあたり、他社のハイエンドスマホ並みのスペックに仕上がった。詳細は以下の通り。

 

SoC:Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3
メモリ:12/16GB

ストレージ:256/512GB/1TB

画面:6.78インチ WQHD+解像度
144Hz対応 AMOLEDパネル

カメラ
標準:5000万画素 f1.75
超広角:5000万画素 f2.0
3倍望遠:6400万画素 f2.5

フロント:3200万画素

vivo eSports チップQ1搭載


バッテリー:5100mAh

120W充電対応、50Wワイヤレス充電
10Wリバースチャージ対応

Android 14/Origin OS 4.0

 

 本体デザインはここ最近のiQOOシリーズらしく、スポーツカーを意識したような凹凸のない流れるようなボディが特徴だ。P68の防水に対応しており、普段使いも安心して利用できる。

f:id:hayaponlog:20231223213226j:image
f:id:hayaponlog:20231223213222j:image

f:id:hayaponlog:20231223214542j:image
今回は黒系のカラーをチョイス。すりガラスのボディを採用し、高級感もある

 

ゲーミング重視ながらカメラ性能も高い。最大100倍望遠も可能なiQOO 12 Pro


 一部では「ゲーミング重視モデルとは思えない」と評価されるほどカメラ性能が大幅に強化されたiQOO 12 Pro。カメラハードウェアについてはざっくりと以下のようになる。

 

超広角:5000万画素 f2.0
メイン:5000万画素 f1.68 1/1.3型センサー
3倍望遠:6400万画素(最大100倍ズーム) f2.57


 確かにこれだけを見ると、Pixel 8 Proなどにも近い構成で、とても「ゲーミング重視」という枠には収まらないスペックだ。これは上位モデルだけでなく、標準グレードのiQOO 12も共通となる。

f:id:hayaponlog:20231223212405j:image
大型のイメージセンサーの採用に加え、メインカメラと望遠カメラには光学式手振れ補正も備えるなど、一般的なハイエンドスマートフォンと大差ない仕上がりだ。

 


f:id:hayaponlog:20231223192944j:image

f:id:hayaponlog:20231223193334j:image

f:id:hayaponlog:20231223202228j:image
f:id:hayaponlog:20231223202304j:image
f:id:hayaponlog:20231223201030j:image

近年のvivoハイエンドらしくきれいに撮影できるカメラを備える


 iQOO 12 Proで撮影すると、全体的に明暗差のある場所でも白飛びが少なく、HDR 補正が強烈に効いていることが分かる。良し悪しについては読者の好みに任せるが、ゲーミングパフォーマンスを重視するラインの機種としては十分すぎるクオリティだ。

 その一方で「カメラ特化」のX100 Proと比較すると明確な差がある。これはカメラハードウェア、レンズ構成、V3チップの存在と言った部分が大きく、同じ社内でもしっかりと差別化されている。Xperiaのような感覚で撮影できる「ZEISSナチュラルカラー」は採用されていない。

f:id:hayaponlog:20231223223517j:image

カメラ性能重視のXシリーズ、ゲーム性能やコストパフォーマンス重視のiQOOシリーズという立ち位置だ

 

 望遠カメラは90mm相当の3倍望遠となった。6400万画素のセンサーを採用し、10倍までのズーム性能は大きく向上した。こちらのカメラでは最短撮影距離を30cmとしたことで、テレマクロ撮影も可能になった。


f:id:hayaponlog:20231223193404j:image

f:id:hayaponlog:20231223202344j:image

f:id:hayaponlog:20231223202401j:image

f:id:hayaponlog:20231223202418j:image

f:id:hayaponlog:20231223203547j:image

望遠撮影も見事だ


 

 ここまで見てスマートフォンの望遠カメラながら、高い解像感とダイナミックレンジを持っていることが分かる。最後の航空機はデジタル10倍望遠だが、スマートフォンらしからぬ高い解像感を持っている。


f:id:hayaponlog:20231223203643j:image

f:id:hayaponlog:20231223203702j:image

f:id:hayaponlog:20231223215721j:image

f:id:hayaponlog:20231223215734j:image

iQOO 12 Proでは夜景も綺麗に撮影できる。ここまで綺麗に撮れればゲーミングスマホともしっかり差別化できていると評価できる。

 

高性能なSnapdragon 8 Gen 3と独自チップ Q1採用。最高144Hzで原神も遊べるスマートフォン


 iQOO 12シリーズではプロセッサーにSnapdragon 8 Gen 3を搭載。2024年における標準とも言えるハイエンドチップセットを搭載しており、同社では実質的なローンチデバイスの立ち位置だ。単純な処理性能に限らずAI処理性能やISP性能をはじめとした画像認識、画像処理部分の性能も向上しており、GPUはハードウェアレイトレーシング処理にも対応する高性能なものだ。

 メモリは16GBと必要十分ながら、最大で16GBの仮想メモリにも対応している。ストレージの最低容量も256GBとなっており、ゲーミングパフォーマンスが売りのスマートフォンとしてはありがたいものだ。

f:id:hayaponlog:20231223220851j:image

仮想メモリ込で合計32GBというパソコン並のメモリ構成にもできる

 高性能なゆえに発熱が気になるところだが、iQOO 12 Proでは冷却機構が改善され、大型の面積をもつVC(ベイパーチャンバー)が採用されている。このおかげもあって「本体やフレームが極度に熱くなる」ということは少なくなっている。発熱しても本体の背面がジワジワと暖かくなる程度だ。

f:id:hayaponlog:20231223205924j:image

ゲーミングモードも備える。「MONSTERモード」が最も高いパフォーマンスを発揮できる

f:id:hayaponlog:20231223212505j:image

高負荷な原神も最高画質で快適に動作する

ミリシタくらいのリズムゲームなら快適に動作する

 

最高画質を60fpsで動かす推奨環境がSnapdragon 8 Gen 3クラスという超絶重たいリズムゲーム「アイドルマスターシャイニーカラーズ SONG for PRISM」でも安定して快適に動かせる。


 画面サイズは6.78インチに。サムスン製のE7 AMOLEDを採用しており、画面解像度は2K+とハイエンドスマホらしいものになっている。画面輝度はピーク時で3000nitとかなり明るいものが採用され、屋外でも高い視認性を確保している。

 本機種はエッジディスプレイを採用しており、持ちやすくはなっている。ただ、大きさ的にはGalaxy S22 Ultraクラスとなるため、持ちやすさでの評価は割れるだろう。

f:id:hayaponlog:20231223212520j:image

画面はピーク輝度3000nitの明るいものが採用されている


 

 パネル自体は144Hzの高フレームレート対応をはじめ、色帯域カバー率も高く主流な機能もしっかり押さえた高品質なものだ。LTPO制御も新世代のものが採用され、1~144Hzまでフレキシブルにリフレッシュレートを変化させつつ消費電力を抑えることが可能だ。 

 

 iQOO 12シリーズでは「vivo eSports チップQ1」という独自チップを採用し、対応コンテンツでは1.5K解像度へのアップスケーリングや144fpsの描写フレーム補完といった機能も備える。f:id:hayaponlog:20231223204224j:imagef:id:hayaponlog:20231223204235j:image

対応するコンテンツでは画質のアップスケーリング、フレーム補間が利用できる

 

 ここでは原神などが144fpsのフレーム補完が利用できるが、これは中国版のものに限られ日本版では利用できない。一方で裏技的な方法ではあるが、中国版の原神を起動したまま日本版をサイドバーの「ゲームツール」下のアプリアイコンから起動すると、フレーム補完された状態を維持したまま遊べるのだ。

 動作が効いていると目に見えて挙動が滑らかになるので、これに慣れると他のスマホが使えなくなりそうな勢いだ。

 またフレーム補間は48fpsの3倍補完にて処理を行うので、60fpsをキープさせるよりも効率よく安定して高速描画を行うことができる。これは発熱や消費電力の観点からも優位で、今後はこのような処理が主流となるのではないかと考える。

 


 サウンド関連ではステレオスピーカーを採用。Hi-Fi Audioをアピールし、ゲーミング用途も意識したチューニングとなっている。Xシリーズと比較してもかなり音は良い印象だ。

 

 バッテリーは5100mAhのものを採用。デュアルセルタイプのバッテリーを採用し、1600回の充電サイクル を行っても80%以上容量を保証するとしている。120Wの急速充電にも対応し、50Wのワイヤレス充電にも対応する。

 電池持ちについては、vivo X100 Proと同等といったところであり、Galaxy S23 Ultraをはじめとした競合他社のスマートフォンと対等に勝負ができる印象だ。


 UIはOrigin OS 4.0を採用。仮想グラフィックカード機能などを備え、表示するフレームレートの安定化を図っている。中身はAndroid 14ベースだ。新機能としては、AOD画像のAI生成もできるようになっている。

f:id:hayaponlog:20231223204746j:image

AOD画像を簡単にAI生成できる。生成時間は20秒ほどだ。

 
iQOO 12 Proは高いカメラ性能とゲーミングパフォーマンスの両立させたスマートフォン

 vivo iQOO 12 Proは、カメラ性能とゲーミングパフォーマンスを高いレベルで両立させたスマートフォンだ。カメラ性能を高めた機種の場合、多くはコストなどの兼ね合いから「ゲーミングパフォーマンス」まで強化されないものが大半だ。

 その一方でゲーミングパフォーマンスに特化したスマートフォンでは「カメラ性能」はかなり控えめなものとなる。ROG Phone 7はコストやニーズの関係から基本構成は前作と同様になり、REDMAGIC 8 Proもメインカメラ以外はかなりお粗末な仕上がりだ。そのような中で、両者のニーズにうまく合致しつつ、価格も抑えたものがiQOO 12 Proだ。


 そんなiQOO 12 Proは基本スペックも妥協なきハイエンドだ。高性能なSnapdragon 8 Gen 3に加え、画面も高輝度なAMOLEDパネル採用で隙が無い。ステレオスピーカーにIP68の防水機能もしっかり備え、他社のフラグシップにも並ぶハイエンドスマホだ。

 どちらかといえば2023年のハイエンドよりも、2024年のハイエンドと言える構成なので、別格なのは納得できる次第だ。それでいてお値段は4999元(約10万円)~という価格設定も魅力的だ。日本への直輸入ならざっくり12万円ほどだ。

f:id:hayaponlog:20231223205045j:image

iQOO 12 Proは4999元から購入できる


 ゲーミングモデルも含め、全方位でカメラ特化のイメージ付けを行うvivo。正直なところファーウェイやXiaomiのような「高いカメラ性能」を十分にアピールしきれているとは言い難い。事実、中国以外では苦戦しているのか、グローバル市場では上位モデルの展開を行わない傾向が見られている。

 その一方でiQOOシリーズはOnePlusやrealmeに倣ったカメラ性能を強化しつつ、コストパフォーマンスを重視した立ち地位に付けたと感じている。ゲーミングパフォーマンスなどをはじめ、製品としての魅力は高いところまでもっていけているので、今後はグローバル市場にて多くの客層にアピールしていくのかが課題となりそうだ。

f:id:hayaponlog:20231223213010j:image

 グローバル展開も考えられるiQOO 12シリーズは来年のトレンドを牽引するスマートフォンだ。ポケットに収まるカメラ、ゲーミングデバイスを両立する選択肢としてトップに躍り出るはずだ、そのような意味としても1つ手持ちの機種に加えても良いことだろう。

 

 

www.hayaponlog.site