ソフトバンクでは本日よりキャリアショップ、オンラインストアにて最新のiPhone 15をMNPであれば実質12円で利用できる施策が始まった。法改正の関係で過度な値引きはできなくなったが、ソフトバンクでは改正直後からPixel 8を同様の施策で実質12円展開していただけに「いずれ来るだろう」という風潮であった。
一方で「実質12円の施策」は以前に比べると恩恵を受けるユーザーが少なく、注意点も多いため今回はこれについてまとめていこう。
iPhone 15が実質12円。値引きのカラクリと注意点を解説
ソフトバンクのiPhone 15については、機種割引は一切入っておらず、2万1984円の契約時割引(ここではオンラインショップ割)を利用すること、48分割の「新トクするサポート(バリュー)」が適用される端末を選択して、1年後に返却すると最大36ヶ月分の料金が減免になる。ちなみに本体の値引きは一切行っていないため、いわゆる投げ売りには該当しない。
実はこの施策、端末を1年で返却しないと総務省の定める「4万円の値引き」の恩恵を受けることはできない。今回のiPhone 15の場合、1年後もある程度高価な状態で中古流通が考えられる。従来の方法で残価設定し、実質1円といった方法で販売すると4万円以上の値引きに抵触する可能性があるのだ。
そこでソフトバンクでは、端末を回収した際の中古相場金額にプラスして、電気通信事業法で定められている回線値引きを使って「穴埋め」の形をとっている。いわゆる「4万円の値引き」の恩恵を全て受けるのであれば、1年後にソフトバンクに返却する必要がある。そのため、下記の条件に当てはまる場合は、この恩恵を受けられない点には注意してほしい。
・1年以上iPhone 15を利用する方
・一括購入、48分割以外の分割購入を利用する方
・購入後に一括清算を考えている方
・128GB以上の容量を必要とする方
・端末のみ購入を考えている方※
特に1年以上スマートフォンを利用する場合、利用期間に応じて支払い総額が増える点は注意だ。iPhone 15だと13ヶ月目からいきなり3359円/月になるので、支払い金額がグッと大きくなる。
この実質12円は48分割以外の購入方法では適用できないため、これ以外では従来通り2万2000円の割引が適用された形だ。また48分割でも、スマートフォンを4年間利用した場合の支払い総額は、一括購入時と同じである。
そのため学生さんに与えたりと、ある程度長期で利用する場合、一括購入したい場合には、この実質12円と言う利用方法はできなくなる点には注意してほしい。
また、iPhoneの本体容量にも注意だ。今回の実質12円施策で適用できるものは128GBのみで、256GB以上のモデルではそもそもこの施策が利用できないことに注意してほしい。
昨今のゲームを始めとしたコンテンツでは、数十GBの容量をかかえるものも少なくない。正直128GBの容量ではあっという間にストレージを圧迫し、容量不足に陥る可能性がある。このような部分もストイックに管理できる人向けの製品だ。
※また、端末のみ購入し、1年後に返却した場合の実質負担額は1833円/月×12の総額2万1996円だ。
iPhone 15はSoCにApple A16を搭載し、4800万画素の高画質なメインカメラを備えるなど高い性能を持つスマートフォンだ。充電端子がUSB-Cになるなど、使い勝手も大きく向上している。普通に利用する上ではオススメの製品だ。
iPhone 15スペックはSoCにApple A16を採用し、6.2インチのAMOLEDパネルを採用。Dynamic Islandというパンチホールも備える。メモリ量は非公開、ストレージ容量は128、256、512GBだ。
このほか4800万画素のメインカメラを中心としたデュアルカメラ、Apple製品が売りとするシームレスなデバイス連携も売りだ。長期のOSアップデートが提供されることで長く安心して使えることも魅力だ。もちろん、FeliCaやeSIMに対応するなど日本向けのローカライズも行われている。
正直、このような最新機種が早くも「1円スマホ」として提供されていることについて、総務省はあまり快く思っていないだろう。現状は長期ユーザよりも1年でスマホを変えるユーザの方が得をする状況に変わってしまったのだ。
一方で、法改正後の安売りはキャリアが抜け穴を突いたことで、各種制約も多くつくが、1年程度でスマートフォンをポンポンと変えるユーザにとっては非常に魅力的だ。
興味のある方はぜひチェックしてみてほしい。