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Xperia 1III レビュー 4K120Hz対応の高画質画面、可変式望遠レンズが新しい究極のXperia

  どうも。今回はXperia 1IIIのファーストインプレッションということで、思ったことなどをまとめさせていただく。スマホとしてはソニーのXperia 1シリーズと呼ばれるスマホで、それの3作目となる。

 

 

 

AF性能と連写性能に特化したカメラに望遠レンズでもきれいに撮れるXperia 1III

 

  このXperia 1IIIのカメラについて簡単にスペックを書くと以下のようになる。

 

超広角16mm f2.2

広角 24mm f1.7

望遠 70mm f2.3/105mm f2.8

 


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  やはり特徴は望遠レンズだろう。ペリスコープ式の構造を採用しながらも、レンズを切り替えることで70mmと105mmの2つの画角に対応する。そのため、構成的には実質的に4眼機と同じになる。特に105mmでf2.8という構成は若干画角こそ異なるものの、他社のペリスコープ搭載機よりもレンズが明るいのが特徴だ。

 

参考

OPPO Find X2 Pro 129mm f3.0

Huawei P30 Pro/P40 Pro 125mm f3.4

Huawei P40 Pro+ 240mm f4.4

Galaxy S20 Ultra 103mm f3.5

Galaxy S21 Ultra 240mm f4.9

 

  前モデルのXperia 1IIも秒間20コマというAE/AF追従の超高速連写が可能であったが、こちらはあくまでメインセンサーのみという制約があった。今回のXperia 1IIIでは全センサーがデュアルフォトダイオード搭載となったため、メインセンサーほどではないが、超広角や望遠レンズでも秒間10コマの連写とトラッキングAFなどを用いた超高速のピント合わせが可能だ。今回の売りは全てのレンズで超高速AFが使える点でしょうかね。 ピントが常に狙ったところに合うということは、ピンぼけとかのミスショットも少なくなる。

 

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実は今作では全センサーが「Exmor RS  for mobile」を採用。

 

  レンズはXperia 1IIに引き続きZeissレンズを採用。T*コーティングも抜かりない。このT*コーティングはスマホではXperia 1/5シリーズとVIVO X60/X70シリーズでしか採用されていないものとなる。

 

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 以下、Xperia 1IIIでいくつか撮ってみた。基本的にBASICモードにて撮影しているが、トレンドでよくあるような「パッと見で鮮やか」という色味ではないが、かなり見た色に近いものとなっている。

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  もちろん、Photo Proのマニュアル撮影を駆使して色んな写真が撮れるのも魅力と言えるだろう。特に緑色が生き生きとした感じで出る。深みのある緑色がでるのは大きな魅力と言っていいだろう。

 

 


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等倍(24mm)
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2.9倍(70mm)
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4.4倍(105mm)

 

  Xperia 1IIIではこのようにズームした状態でも、光学望遠のため綺麗に撮影できる。ズームレンズで色が変わるということも無くかなりチューニングされてるのを感じます。


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0.7倍(16mm)


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等倍(24mm)
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  今作では光学105mm相当でも秒間10コマの連写が可能になったため、撮影の幅がグッと広がった感じだ。従来のスマホでは撮影が難しかった離着陸する飛行機、動きの速い動物などの高速で移動する被写体でもシャッターを押しながら被写体にめがけるだけでこの写りだ。


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  さすがに拡大すると12MPゆえにディテールの甘さは感じるが、スマートフォンで約150ノット(270km/h)前後でアプローチしてくる飛行機をここまで撮れれば十分ではないだろうか。



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  デジタルズームの補正もがんばっており、望遠でも180mm(6倍くらい)までは実用レベルと言えるだろう。各レンズのデジタルズーム域というのは各社多眼化したカメラにおいては苦手な領域と言われてきてましたが、このXperia 1IIIではこの部分もテコ入れをしてきたなと感じる。

 

  Xperia 1IIでは「リアルタイム瞳AF」に対応しており、ポートレートや特定の動物といった「瞳」に関しては検知して常にフォーカスを合わせられた。それ以外ではセンターAFの速さで合わせられてはいたが、やや腕が求められるものとなっていた。      今作ではリアルタイムトラッキングAFに対応。動いてる被写体に常にフォーカスを合わせ続ける機能なので、より撮影に幅が広がった。リアルタイムトラッキングAFも全レンズしっかり対応。もうこいつは「カメラそのものでは」と思わせてくれる。世の中に出ているスマホでもここまで「動体撮影」に強い。動く物体や物に対して強いスマホは例になく、近年のトレンドとはまるで違うがしっかりソニーらしいこだわりが感じ取れる。

 


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前作に引き続きソニーらしいUIとなったPhoto Proを搭載Xperia 1IIIでは標準カメラアプリがPhoto Proに一本化され、よりシームレスな切り替えが可能になった。動画については別途あるCinema Proと使い分けるとよいでしょう。

 

4K 120Hz対応の画面性能、強化されたオーディオ性能、何をとっても最上位クラスのスマホがXperia 1III


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ソニーとしても力を入れたカメラ周りはもちろんだが、それ以外の機能もとがりにとがったハードウェアとなっている。

 

SoC:Qualcomm Snapdragon 888

メモリ:12GB

ストレージ:256GB(※海外版には512GBの設定もあり)

 

画面:6.5インチ 4K(3840×1644)

120Hz対応、HDR10 BT2020対応

 

バッテリー 4500mAh

 

 

  画面は世界初の4K 120fpsに対応したものになる。加えて、残像低減処理を行う240fps相当の処理(原理的にはシャープの黒フレーム挿入の240Hzに近い)や、240Hzのタッチレートにもしっかり対応している。前作は4Kながら残像低減処理で90Hz相当とXperiaとしては大きく進歩したものの、他社のハイエンド機の120Hzには一歩劣る点でもあったので、ここは大きな進化と言える。


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美しい4Kディスプレイは健在

 

  HDR10やBT2020対応のマスターモニタークラスの画面性能は引き続き備える上に、今作ではモニターのカラーキャリブレーションも執り行われている。外部モニターとしても利用可能なので、より高品質なモニターとなっている。

 

 

プロセッサはQualcomm Snapdragon 888を採用しており、基本スペックは今期のハイエンドらしいものだ。日本版ではメモリ12GB、ストレージ256GBの構成となる。今季のSnapdragon 888は発熱がやや多めのチップセットという傾向があり、Galaxy S21やAQUOS R6といった機種も含めて発熱は多めだ。

  実際これらの機種と比べると発熱は変わらないと思われますが、Xperia 1IIIの場合は本体が薄いこともあって体感的に「背面が暖かい」と感じることが多い。この部分はソニーだけでは解決が難しいところではある。

 

 

 

  本体のスピーカーはステレオとなっているが、左右どちらも近い形状として制御されるものとなっている。音圧は4割増しとなっているようだ。このため、ソニーとしても「フルレンジスピーカー」と謳っており、360Realty Audioにも単体対応するという力の入れようだ。実際、今年はXiaomi Mi11 がHerman Kardonと組んでかなりスピーカーも質が良かったように感じたが、Xperia 1IIIで聞くとやはり音質の良さを思い知らされる。

 


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  Xperia 1IIに引き続きイヤホンジャックも搭載。前作より回路設計を見直したことで、出力が4割増となっているため口径の大きいヘッドホンも快適に鳴らすことができるようになっている。アップコンバート機能のDSEE Ultimateも引き続き搭載。配信音源もより良い音で楽しめる工夫がされています。


  目玉としてL-γレイザーといった独自のゲーミング機能も魅力だ。これは特定の画面色のコントラスト等を変えて潜む敵を認識しやすくするものだ。近年eSpotsタイトルともなってるPUBG Mobileやフォートナイトといったコンテンツでは大いに役立つものだろう。合わせてRTレコードという録画開始から30秒前までさかのぼって録画される機能も備えており、決定的なファインプレーを逃さない工夫がされている。

  他社のゲーミングスマホがリフレッシュレートやタッチサンプリングレート、 冷却性能というプレイヤーとしての側面をアピールする中で、「配信側への配慮」も踏まえたソニーのアプローチはまた違ったものと言える。 


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  L-γレイザーとイコライザーはそれぞれアプリごとに設定ができ、最大4つのアプリにてプリセットを設定可能。加えて、スクリーンショットやスクリーンレコード時にこれらの設定は反映されないという仕様となってるため、ゲーム映像や音声を配信する際でも安心だ。前述のタッチレートやこれらの最適化機能、ゲームコンテンツ用のミキサーなど。企画者はゲーマーというか、ゲーム配信者なんでしょうか。かゆい所に手が届くすごいスマホだ。

 

 


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  デザインはXperia 1IIを概ね踏襲。背面パネルはXperia 1IIのソニーストア限定カラーやXperia Z5シリーズに採用されたフロストガラスとなり、よりシックで落ち着いたデザインとなっている。重量は188gとXperia 1IIの181gよりは重くはなったものの、バッテリーを10%増量してもなお競合機に比べれば10g以上軽量なのもよい点だ。


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  側面の電源ボタンが指紋認証一体型となる。その下にはGoogleアシスタントを呼び出せるボタンが新規で備えられている。


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  Xperia 1IIとの大きなデザインの差はない。操作感も今まで大きく変わらないが、Xperia 1IIIではポップアップウィンドウが使用できるようになっている。残念ながら開ける窓はひとつだけ、使えるアプリも限られるなどGalaxyのOne UIやHuaweiやLGのタブウィンドウに比べて制約はあるが、機能としてあれば便利だ。


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初搭載のポップアップウィンドウ

 

 

値段の高さは惜しいところだが、SONYのコンデジとハイエンド5Gスマホを買ったと思えれば買い

 

  日本国内モデルは各社キャリアの意向もあって、全キャリアmmWave(ミリ波)対応の最上位モデルでの投入となった。そのため、お値段は以下の通りとなる。

 

ドコモ版:15.4万円

au版:17.8万円

ソフトバンク版:18.8万円

 

  結果として今までのXperiaよりも数万円ほど高く、高性能な分は端末価格に響く結果となっている。正直、市場の反応は「高すぎる」というものだった。ちなみに先行販売されている中国版は約14万円、北米でのプレオーダーは13.5万円前後ではあるがこれらはmmWaveには対応しない。

 

  価格に関してはキャリア各社2年後に端末を返還するプログラム適応で実質10万円前後にできる施策があるので、これを使うのが前提の価格設定と言えるだろう。これを使うとドコモ版よりauやソフトバンク版のほうが実質価格は安くなるので、端末の勝手などを考えれば決して悪いものではないだろう。

 

  ただ、このXperia 1IIIというスマートフォン。カメラに関しては完全にスマホの域を超えたスペック、操作性となっており、並みのスマホでは体感できない「フィーリングの気持ち良さ」が持ち味のスマホだ。Photo Proの使い勝手はまさにカメラそのもので、このフィーリングを求めたい人に向けたものだろう。オートで綺麗に撮れるトレンドはもちろん、リアルタイムトラッキングAFなどを駆使してマニュアルで「撮る楽しさ」「被写体めがけて思いのままにシャッターを切る」という体験に完全に極振りしている。そのため、Xperia 1IIでも言われたが、ここ2年ほどのXperiaのカメラ作例は好みが分かれる傾向にある。


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細かいがシャッターボタンのエンボス加工はまさに「カメラのシャッターボタンそのもの」の触り心地だ

 

  それ以外は業界トレンドから見てもオーバースペックなパネル、高性能なスピーカーをはじめとしたオーディオ機能。ウォークマンを彷彿とさせる携帯機としての高音質化機能の数々に妥協のないハイエンド構成、L-γレイザーといった独自のゲーミング補正、ミリ波対応の先進性。バッテリーを長持ちさせる工夫など…

 

なんか。ここまで盛ってて15万円って言われても「あ、そんなに高くないね」ってなれば買いのスマホだ。

 

 

究極のOne SONYが詰め込まれた「ソニーマニアのため」の1台となったXperia 1III

 

  ソニーマニアのためのスマホ。このXperia 1IIIを一言でいえばこの言葉以外当てはまらない。αシリーズの入り口として、ゲーム性能に妥協のないスマホとして、この手のものでここまで極めたものはありません。もう一種の変態スマホです。もう既存のスマホの"ものさし"で比べる機種ではない。

 

4K 120fps対応の化け物マスターモニタークオリティのパネルで外部入力にも対応

360Realty Audio対応スピーカー、DSEE Ultimate対応の卓越したオーディオ機能

L-γレイザー、RTレコードなどの独自のゲーミング補正

軽量ボディでQiやミリ波にもしっかり対応

 

 

こんな頭の悪い変態スマホ。世の中探してもソニー以外にないはずだ。

 

  LG WINGやV60 ThinQがここ最近は変態スマホと言われるが、このXperia 1IIIとこれらとベクトルこそ違えど変態機なのは変わりないのかなと思います。ほしい人にはこれ以上にないくらいぶっ刺さるし、そうでない人には「なにこれ」程度のオーバースペックで高いスマホになる。個人的にはこういうスマホが大好きなので今回も入手したような形だ。サムスンのGalaxyともシャープのAQUOSともプロダクトからターゲット層まで全く違うスマホが今のXperiaだ。

 

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さて、このXperia 1IIIというスマホはソニーのプロダクトというものが好きな方。そんな方に贈る究極のスマホではないでしょうか。

 

 

それでは