どうも
久しぶりのコラムです
今回はカメラ性能と得意不得意について
てきなやつです。
なぜ、スマートフォンのカメラ性能を強化するのか
いろんな理由がありますが、個人的にはこんなところなのかなと思います。
・SNSサービスの台頭により、個人が写真を手軽にアップロード、反応をもらえる機会が増えたこと
・映える写真と同等に即応性が求められること
・イメージセンサーの高性能化、多眼化実装が可能になったこと
・セールスポイントとして最もわかりやすく、宣伝しやすく、低コストなこと
上2つは今のスマホトレンドが生まれるきっかけでしょうかね。
個人フォトブログが台頭した時期もありましたが、今ではSNSサービスに多くが取って変わろうとしています。
高品質な写真を公開できる場ができたこと
綺麗なものや話題のものは素人でも評価をもらえるようになったこと
大容量回線の整備によって質よりも鮮度(速度)が求められる中で、差別化のために再び質が求められるようになったため。
という環境要因が挙げられます。
イメージセンサーの高性能化は技術革新にて
多眼化は本体の薄型化を保ちつつも多くの画角に対応させるため
セールスポイントとしては写真は多くを語らずとも「綺麗」などと認識させること、構成パーツを数値化して比較しやすいことが挙げられる
また、画面やバッテリー関連の新技術を詰め込むより部品の単価が安価というところもあったりする。
近年ではレンズのブランディングや出てくる絵のカメラメーカーコラボなど、アプローチも変わってきている。
また、バッテリーや画面性能などもまだまだ進化できる余地はあるが、現時点ではコストが見合わなかったりで競争の主舞台ではない。
技術的には折りたたみスマホとか面白いが、まだニッチジャンルの域を出ない。
簡単にきれいに撮れる 今のスマホカメラのトレンド
何も考えず、カメラを構えて撮れば、80点の写真が撮れる。
お金と時間と手間をかければきれいな写真を撮れる。
映える要素やカメラの基礎知識を勉強すればきれいに撮れる。
それは当たり前であるが、スマホで撮る写真がどういうものなのかを今一度思い出してほしい。
スマホで撮る写真の9割は「日常」を切り取ったスナップショットなんだろうなと思う
特別ではない何でもない日常に散らばる何気ないものを収める。
写真の構図や露出、ホワイトバランスなどを気にして撮ることは少数と言えるだろう。もちろんRAW撮影してパソコンで取り込んで現像などもしない。
求められるのはパッと構えて綺麗に撮れてほしいといった「ミスショットの少なさ」なのかなと。
ミスショットの少なさとAI補正を得意とするAppleとGoogle
AppleのiPhoneやGoogle Pixelはソフトウェアチューニングで黒つぶれや逆光を低減してくる。
どちらもビックデータ解析を元に絵を作り上げるコンピューテーションフォトグラフィーとも言われるもので、ミスショットも少なく付属エディタである程度の編集が可能だ。
グローバルスタンダードともいえるサムスン
Androidと言えばサムスンという方もいるだろう。
最大手の韓国サムスンは上記、下記に出てくる各社のトレンドをうまく取り入れたハイブリットともいえる仕上がりだ。
こちらも失敗が少ないチューニングとなっているうえに、強力な手振れ補正なども合わせて「写真の撮りやすいスマホ」となっている。
また、後追いしているLGも近いコンセプトとなっている。
カメラ特化機の異名持ちが多いファーウェイやXiaomi
光学10倍ペリスコープ、大型センサー、高感度耐性などハードウェアスペックの高い機種が多い。ソフト補正もなかなかだ
特にファーウェイとXiaomiは欧州の評価機関であるDxOの評価スコアを発表会で使うほど重視しており、ある意味「DxOMarkでスコアを取るためのスマホ」と化してるのが印象だ。
そのため、中国ではもちろん評価機関の感性的にも近い欧州では人気を博す一方、絵が不自然、塗り絵クラスの補正がかかるなど評価も分かれている。
自然な方向でそれぞれの持ち味を出すBBKのスマホたち
一方BBKグループ(OPPO VIVO OnePlus realme)は上記のスコアはさほど重視していないためか、各社独特の味を持つ。
どちらも毛色的には中国勢も「オートで撮って綺麗なスマホ」というところは共通認識のようで、あとはメーカーの味付けというところだ。
このメーカー以外にはMeizuやMotoloraなどもこの方向になっている。
個性的なところでいえばZTEやASUSなどのほかのメーカーとは異なるアプローチが印象的だ。
近年ではシャープもこの方向に舵を切っており、今後が期待だ。
トレンドと真反対をゆくソニー
近年のソニーのXperia 1シリーズはオートよりもマニュアル撮影に重きを置いた「専用機に近い思想」で作られている関係からか、きれいに撮れないとの声も多く、意見が割れるモデルとなっている。これに関してソニーは「専用機を使うユーザーがサブカメラとしても使える品質にした」と話すあたり、トレンド対抗することは無い事がうかがえる。
マニュアルでの追い込みを求められる手間が発生するが、その追い込みを楽しめるユーザーには非常に好意も持って迎えられている。
ただ、手軽さは無いに等しく、スマホのカメラとしては使いにくいキワモノというのが普通のユーザーの声だろう。
スマホカメラの得意分野と苦手分野
やはり得意分野は本体の小ささ、軽さ、普段から持ち歩く点からなるスナップショットだろう。
近年では高倍率ズームを用いたテーブルフォトやテレマクロ
マクロレンズを用いたマクロ撮影
超広角レンズを用いた風景撮りなども多くみられる。
近年ではAI補正のシーンセレクトが進化した夜景モードなども実装され、苦手と言われた分野でも存在感を出している。
逆に苦手な分野と言えばポートレート、絞りを効かせた作例と言えるだろうか。
ポートレートは光学特性からも難しいところがあり、各社ポートレートモード、疑似ライティングを設けてはいるが「自然なポートレート」を撮れる段階には至れていない。
また、絞り羽のない解放の状態での撮影となるため、画質面では厳しいところがあるとも言われます。
最後に
実際、SNSに写真をアップする意味とは何でしょうか。
記録で残したい、仲間でシェアしたいといった所が多いのかなと一般的な認識では感じるところだ。
近年はそれに加えSNSでの評価(いいね)などの数を多くとりたいためにアクションをもらえるような写真が好まれる傾向もある。
よく撮れた写真だから、面白いから見てほしい。これはいいものだから、美味しいから知ってほしいというところから派生した「承認欲求、認知欲求からいい写真をアップする」という方が増えてきてるのも事実だと思う。
特にInstagramのような写真重視のSNSがヒットすると、ただの身内や友人との思い出共有のSNSから不特定多数に向けたものへと変わった。
別に○○のラーメンを食べたという記録だけを残すなら、極論そんなに画質や映えは求める必要はない。
記録ではなく、自分以外の不特定多数の人に発信するからこそ「美味しそうに」を意識して撮るようになる。
今のスマホはこれを意識しなくてもAIがフードモードで認識して、自動で色味を調整して撮影してくれる。
光学設計的にはどうやっても専用機に勝てないところはコンピューテーションフォトグラフィーとも言える画像処理で補正する。
その方面に重きを置いたカメラがスマホであり、専用機のカメラとは別の進化を遂げたものなわけです。
今では個人の発信力も大きくなり、Instagramなどを使用した「ネット上の個展」に近いこともできるようになった。
中国や東南アジア圏では自撮りコンテンツも進化。
簡単に自然に盛れるという点からも多くの機種にビューティーモードが積まれ、Meitu M8のような自撮り特化スマホなるものも登場した。
もちろん、質を求めるなら専用機で撮影してパソコンなりで編集すればいい。
というところでしたが、それ以上に今の世の中はSNSへすぐアップできる即応性が求められるようになったなと感じる。
SNSの流動の速さから1枚当たりの閲覧時間も短くなる傾向があるため、結果として目立つ、第一印象がいい。いわゆる映える写真がトレンドとなり、それを即アップできる機動力の高さ、簡単に撮れる手軽さ、基本性能の高さが今のスマホには求められる。
それに合わせてスマートフォンのカメラは進化、変化してきたと言えるでしょう。
近年ではカメラ機能はお世辞にも高く評価できなかったシャープもライカと組んでスマホ出すようになった。
近年では液体レンズという新しい技術、DMC-CM1で使われた伸縮機構といった技術が中国メーカーをはじめとした開発力のある場所から採用したスマホが出てくると予想できる。
センサーサイズもAQUOS R6のように1インチクラスで積んでくることも考えられる。
物理的制約や防水等の機能性を捨ててまで強化してくるかと言われると微妙なところと言えるが、既存のスマホでも光学性能の限界が近づくと言われる中、ソフト面の補正はまだ進化の余地もある。
今後のスマホカメラはどんな進化を遂げるのか。楽しみにしたいところだ。