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AQUOS R6 レビュー 1型センサーにライカ監修で大幅進化したカメラ性能がすごい!

 

 どうも今回は買ってしまいました。シャープのAQUOS R6です。レビューとかしていきましょう。

 

 

 

世界初※の1型センサーを積んでしまったカメラ特化スマートフォン。AQUOS R6

 

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 このAQUOS R6のデザインを見てまず目が行くのはこの大型の背面カメラだ。センサーサイズは1型を採用。大きさだけなら市場で出てるスマホでは最大であり、高級コンデジなどとも大きさだけなら引けを取らないものとなる。

 

 加えて今回、カメラのチューニングには独ライカが監修している。スマホメーカーとの共同チューニングでは中国のファーウェイの例が挙げられるが、それに続く形となる。


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フォトジェニックな写真が撮れることで話題だったHuaweiのライカ監修上位モデル

 

 特にHuawei P20 Pro以降のモデルでは、従来のスマホの常識を覆すような作例を連発した。強力なハードウェア、夜景モードをはじめとしたカメラ機能はスマホの業界トレンドにも波及し、各社のカメラ性能がわずか数年で飛躍的に向上するものとなった。

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ファーウェイのライカ監修機と並べて

 

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 そのため、このAQUOS R6はセンサースペックとライカの監修からも発表時から「カメラ性能」への期待値がかなり高い機種だ。センサーは2020万画素の1型センサーを搭載しており、同社曰く、スマホ向けのものではない※という。


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センサーが1型と巨大なゆえに、近年のスマホによくある多眼化は見送られた

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リアカメラには深度センサー(tofカメラ)も備える

 

 同社としては深度センサーはカメラとはカウントしてないため単眼スマホと言われているが、他社の基準に当てはめると2眼という見方もできる。レンズは35㎜換算で19㎜と一般に超広角に近い画角となり、ライカのズミクロンを冠するレンズとなっている。

 

 作例は以下のようになる。デフォルトではデジタルクロップで24㎜相当の撮影となる。作例は全て撮って出しの無編集の状態だ。f:id:hayaponlog:20210626075453j:image

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 ライカを冠するファーウェイのスマホに比べると極端な主張はないが、昨年のAQUOS R5Gから大きく進化したのがうかがえる。特にセンサーが1インチと大型なこともあって良くも悪くもボケみがスマホとしては強めとなる。

 正直、昨年の私に「この写真らをシャープのスマホで撮りました!」なんて言ったらまず信じないだろう。思った以上の出来で驚くばかりだ。特にファーウェイのライカ監修機に近い色が出るのは驚くばかりだ

 

 

 
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 特に夜間撮影がダメダメだった前作のAQUOS R5Gから飛躍的に向上している点は注目したい。

 

AQUOS R6の夜景モードは、手持ちモードではだいたいシャッタースピードが1秒ほど、三脚モードでは4〜32秒をシーンに応じてオートで切りかえてくれる。また、三脚モードは自動で切り替わるものになっており、Google Pixelなどと同じ挙動だ。AQUOS R6の写真の色的には、ファーウェイのP20 ProやP10あたりの機種に近いといったところだろうか。


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AQUOS R6 どちらも6倍

 

 AQUOS R6では単眼でペリスコープ望遠レンズ等を備えないため、ズーム性能はさほど高くない。この辺りはテレ端(デジタルズームで144mm相当)となるが、さすがにディティールも潰れかかるようなものになっている。6年前の1型センサー搭載スマホ?のご先祖様ことLUMIX CM10やファーウェイのライカ機と比べるとこんな感じ。


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AQUOS R6 オート

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HUAWEI P40Pro Plus ライカスタンダード

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LUMIX DMC-CM10 インテリジェントオート

 

 動画撮影に関しては手振れ補正がかなり優秀だ。OIS(光学式手振れ補正)はないものの、電子式の手振れ補正がかなり効いているのがわかる。一方で、前作のAQUOS R5Gでは8K撮影もできたが、今回のAQUOS R6では画素数などの関係から非対応となった。

 

カメラだけじゃない。シャープが送り出す渾身のフラッグシップがAQUOS R6

 

 AQUOS R6に関しては1型の大型センサー搭載のカメラに注目が行きがちだが、画面性能なども大きく評価したい。ざっとスペックを書くとこんなところだ

SoC:Qualcomm Snapdragon 888

メモリ:12GB

ストレージ:128GB

 

画面:6.6インチ 2K+ Pro IGZO OLED

 

カメラ

リアカメラ:2020万画素 1型センサー

フロント:1300万画素

別途tofセンサーあり

 

バッテリー:5000mA/h

 

防水防塵、おサイフケータイ等あり

 

 画面は液晶パネルを搭載し続けたRシリーズでは初のOLEDパネルとなっている。前作のAQUOS R5Gまでは全てIGZO液晶搭載のスマホであり、ある意味液晶パネルなのが長所でもありながら短所でもあったが、今回はグローバルトレンドに沿ったものとなった。

 

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 画面解像度は2K+でおおむねトレンドを押さえつつも独自のものとしてPro IGZO OLEDなるものを搭載している。特徴は可変リフレッシュレート対応で1~240Hzまでのフレキシブルに変化する点だ。

 

 Galaxy S21 Ultraにも似たような機能(LTPO技術)があるが、AQUOSのほうがよりフレキシブルと言える。こちらの機能としては省電力にも寄与し、これにはIGZO液晶で培った制御機構などが盛り込まれている。画面輝度もピーク時1000nitとOLEDにしては比較的明るく、直射日光下でも文字がしっかり読めるものだった。

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画面は6.6インチと大型。発色もよい自社製のOLEDパネルを搭載


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フロントカメラのパンチホールはAQUOSでは初となる

 

 

 指紋センサーは画面内蔵のものとなる。AQUOS R6ではクアルコムが開発した2本の指で同時認証する「3D Sonic Max」を世界初搭載している。この機能は二本指での認証でセキュリティ面が高められるほか、認証範囲が広く指1本での認証時でもストレスも感じにくいものになっている。指紋認証速度は爆速と表現できる。感度も良いので、画面内指紋認証の感度の悪さという面で悩む方には朗報だ。

 

 プロセッサはSnapdragon 888を搭載と今年のハイエンド機らしいところはしっかり押さえ、メモリも12GBと必要十分と言える。 冷却性能も優秀で、長時間のゲームも問題なく遊ぶことができる。ゲーミングの側面を見ても、ハイエンドながらイヤホンジャックを引き続き備える点は評価したい。

 

 スマホとして使ってみるとハイエンド機というのもあって動作にストレスは感じない。Snapdragon 888は比較的発熱の多いチップセットと言えるが、チューニングが良いのかよほどのことをしない限り発熱で「熱い」と感じることは少ない印象だ。

よほどのことの例

原神を最高設定かつ60fps設定で30分以上連続稼働させる

PUBG mobileで最高設定かつ、FHD解像度で2マッチ(40分前後)連続でプレイ

ベンチマークソフトを30分間ずっと稼働させる

など

 

 また、パラレル充電のほかにもXperia 1IIにも搭載されていたHSパワーコントロールに近いものも搭載されている。

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 バッテリーいたわり機能とも言える「インテリジェントチャージ」を搭載。画面点灯時は給電しない、バッテリー満充電を90%に抑えるなど、バッテリーを劣化させにくい工夫がなされている。

 

 AQUOS R6の心配点としては普通に使う分の不満はないが、今までにない高輝度にハイフレームレート対応となるため、画面素子の劣化(焼き付きやドット抜け)が心配な要素と言える。このAQUOS R6でOLEDモデルは4作目となるので、AQUOS Zeroなどの初期にあった画面の耐久性も含めて改善されている。

 

 カメラ性能は先にも述べたが、スペック表に見えないところの利点に「単眼ゆえの親和性の高さ」が挙げられる。アプリ内カメラは基本的に「メインカメラ」しか対応しておらず、多眼化故に使いにくかったりアプリによっては相性が悪いものもある。


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Googleカメラも単眼でフル活用が可能だ

 

 PixelのようなGCamを同居させることも可能だが、超広角カメラしかない仕様なので歪みの補正は別途Lightroomなどの現像ソフトで対応するとよいだろう。

 

いくつか惜しいところもあるが、今後のアップデートが大いに期待できるAQUOS R6

 

 そんなAQUOS R6ではあるが、惜しいところもない訳ではなく、やはり現時点のカメラの使いにくさや本体のアンバランスさがあるのは否めない。

 

 カメラに関してはあの薄さに1型センサーを詰め込むというある種の「無理」をしており、レンズの光学性能的にはあまり良いと言えないのが現実だ。レンズ端は歪みは大きく、環境によっては画質の低下や周辺減光も目立つ。

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 特に夜景モードでは周辺減光やフレアが目立った。必要に応じてLightroomなどのアプリで補正すると良いだろう。

 

 カメラに関しては画質はいいものの、マニュアルモードの使い勝手の悪さやクセについては好みが別れる。シャープらしいグリッドラインの豊富さは魅力だが、マニュアルモードの使い勝手の悪さは惜しいところ。


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シーンセレクトも多い


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AQUOS R6 マニュアルモード 

シャッタースピード 5秒/ISO50

 

 マニュアルモードでシャッタースピードは5秒以上の時間で撮ることできないが、スマホのマニュアルモードは普通の一眼カメラよりレンズが明るいことが大半だ。そのため、同じ感覚で撮影すると白飛びすることが多く、NDフィルター等を使うと良いはずだ。

 

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 マニュアルモード内にある「色あい」「明瞭度」「コントラスト」の項目を変えると適度に色味を変えて撮れる。色あいを0にすることでモノクロ撮影も可能だ。


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 マニュアルモードに関しても、これはこれで面白く、特定のフォトスタイルのプリセットとして保存出来たら撮影の幅も広がる。次回作やアップデートに期待しよう。


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 またデフォルトカメラのHDRの効きが弱く、現時点では逆光といったシチュエーションでは不向きなところも惜しい。これはこれで見た目に近いが周辺減光もあって暗めな印象もある。

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 一応GCamである程度の補正はかけられるが、色が飛んでしまうことも多かった。この辺りもアップデートや次回作に期待という所でしょうか。

 

 スマホとしては「簡単にかつ綺麗に撮れる」がモットーですので、マニュアルモードメインにて撮るような方は素直にXperia 1シリーズや中級クラスのコンデジを使いなさい!と評するべきだ。

 

 加えて、最大望遠が6倍(広角端換算7.5倍)とカメラ特化ながら控えめな点も惜しい。競合他社のカメラ特化モデルのようなデジタル50倍とは言わないが、せめてデジタル10倍くらいあったほうが競合へのイメージやAQUOS R5Gとの比較の面でも良かったように感じる。

 

 これに関しては他メーカーよりも画素数を落として画素ピッチを広げてより多くの光を取り込める仕様となっているため、どうしても画素数がものをいうデジタルズームでは劣るものとなる。


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 これもレンズの絡みだが、最短焦点距離は10cmとスマホとしては思った以上に被写体に寄れない。モノ撮りなどで対象を大きく写したいときは2倍ズームを使い分けると良いだろう。加えて窓越しではフォーカスが迷子になりやすい点、バッテリーが5%以下になるとカメラの動作が制限されると言った点がある。

 

 そんな中においても「カメラ」で存在感を出してくるスマホなのは間違いなく、同社が以前から主張していた「なんとなくハイエンドスマホを買う時代は終わった」というものにこのAQUOS R6は見合ったものになっている。

 

 カメラ以外だとバッテリー持ちが5000mAhあるとは言えど、正直フルで使うと1日持つか怪しいところだ。これはSnapdragon 888搭載機全般的に電池持ちが良くないイメージだ。一方で、省エネ機能も多く搭載し、アップデートで変わったモデルもあるので悲観しすぎることはないだろう。

 他には4K60fpsでの撮影が長時間できない(大体10分程度で熱落ち)といった点もある。これに関してはFHD画質で撮影する等の対策をすればよいだろう。

 

 また、ゲームなどに関しては熱落ちという現象はほとんどない。原神の高画質/60fpsモードで20分ほど使ったらサーマルスロットが効いてクロックが落ちるような挙動はあったが、極端な処理落ちやアプリ強制終了は手持ちのものでは確認できなかった。

 

 

最後に。大きく進化した今後のAQUOSのカメラに期待!

 まさかAQUOSにここまでのものを見せられるとは。予想外でした。なんかこう、ファーウェイのP9やP20 Proが出た時の衝撃と言うべきでしょうか。同じようなものを感じた。

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 カメラ強化のスマホと言えばファーウェイに加えてOPPOをはじめとした中国勢が強いイメージがあるが、近年ではVIVOに加えてXiaomiもかなり力を入れている印象だ。

 特にライカを冠したファーウェイのハイエンド機や、Zeissを冠するVIVO X60シリーズ、日本での発売の決まったOPPO Find X3シリーズはファンからは好評だ。近年ではXiaomi Mi11Ultraのようにハードウェアに注力したモデルも登場している。

 

 そのようなカメラ性能を「打倒ファーウェイ」「打倒サムスン」をかかげるようなメーカーとも対等に勝負できる実力をシャープが手に入れてきたというのが大きい。

 

 その上で液晶でないと難しいといわれた「高フレームレート」「高輝度」のどちらにも対応して、満を持してフラッグシップに乗せてきた点も大きい。旧来のAQUOS RシリーズがOLEDを積まないのは、液晶でないとこれらの需要に応えることができなかったためであり、そこを克服したからこそ今回の搭載に至ったものだろう。今回のAQUOS R6はドコモとソフトバンクより発売となる。ドコモ版は11.5万円という値段が魅力となる。

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  来月にはこのAQUOS R6をベースとしたライカ版のLETIZ PHONE1も発売となる。まだまだ写真が中心のレビューだが、今後深くこのAQUOS R6の魅力をさぐっていきたいと思う。

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キャリアモデルながら内箱のデザインが凝ってるのも気合を感じられる

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うーん。この違和感。これがなくなるくらいに浸透してくれると嬉しい。

 

 とりあえずシャープがこんなものを出して来れるのはある意味好調の証拠であり、これに倣って他メーカーも面白いアプローチのスマホが出てくることを期待したい。AQUOS R6はちょっと惜しい点もありますがカメラと映像体験にこだわる。そんなこだわりのある層にむけたフラッグシップスマホだと感じた次第だ。

 

※世界初の1型センサー搭載スマホはパナソニックのLUMIX CM1/CM10であるが、前者は国内では2000台限定での販売となっている。またスマホではなく「コミュニケーションカメラ」として販売されているため、特性的には「カメラのおまけにスマホ機能がついている」という認識。

 

※ソニーの1型センサーアクションカム「RX0」のものが使われてるのでは?と話題になった。