さて、このバカは懲りずにスマ…いえ、ゲーム機を買いました。そんなASUSのROG Phone 5のレビューといきましょう。
ワケありのゲーム機を譲ってもらいました。
— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年8月28日
ありがとうございます。
てことで、ROG Phone 5がやってきました…#はぁ〜また買っちゃった pic.twitter.com/aw4rxOkbo3
- ゲームに特化したスマホが ROG Phone 5
- スマホとしても超ハイエンド。エンタメ機能も強いROG Phone 5
- ゲームに勝つためのスマホがROG Phone 5
- 値段、販路を含めて日本でも買いやすくなったROG Phone 5
- 最後に、普段使いでも使える出来の良さを持つROG Phone 5
ゲームに特化したスマホが ROG Phone 5
このスマホを一言で言うなら「ゲーム機」となる。ざっくりとスペックは以下のようになる。さて、このROG Phone 5はゲーミングスマホというカテゴリーに属するもので、言わば「ゲームに特化したスマホ」というものになる。本体背面のロゴがドット調の部分が光ったりと、デザインにおけるゲーミング要素はバッチリと言える。
SoC:Qualcomm Snapdragon 888
メモリ:8/12/16GB LPDDR5
ストレージ:128/256/512GB UFS3.1
6.78インチ FHD+ 144Hz対応 OLED
カメラ
メイン:6400万画素
超広角:1300万画素
マクロカメラ:200万画素
バッテリー 6000mA/h
デザインは同社のROGブランドになぞられたものになる
スマホとしても超ハイエンド。エンタメ機能も強いROG Phone 5
スマホとして見ると、画面性能の高さには目を見張るところがある。サムスン製のOLEDパネルを搭載し、HDR10+などの色表現にも対応したハイエンドなものを搭載している。画面解像度はFHDクラスなので、6.8インチクラスではやや惜しい。
ベゼルレスとはいかないが、ゲーミングスマホらしいノッチレスの画面となる
指紋センサーは画面内指紋認証となっている。認証速度はあまり早くない
核となるプロセッサにはSnapdragon 888を搭載。高性能ゆえに一部では「爆熱」と言われるが、外付けの空冷ファンや強力な冷却性能を持つことで対処している。
加えて、このROG Phone 5では通常のスマホよりも細かくユーザーがプロセッサの制御したりすることも可能だ。コアクロックなどもゲームによって細かく設定できたりと、まさにゲーミングスマホ...というより変態スマホの表現が正しい。爆熱のプロセッサを爆熱になるまで運用できる恐るべきスマホだ。
メインボードのプロセッサーにあたる部分の配置を本体の中心にしたことで、空冷ファンを当てた時の冷却効率が向上している。普通のスマホでは、メインボードの設計やコストの関係で本体右側か上側が多くなる。単体での冷却性能も比較的高いものになっているので、ファンを付けなくても高いパフォーマンスを発揮することが可能だ。
メモリ搭載量やストレージは複数存在するが、日本版では12GB/256GBもしくは16GB/256GBとなる。8GB/128GBのものは中国向けのTencent版となり、ストレージが512GBのものはROG Phone 5 Ultimateという上位モデルでの搭載となる。
日本版のROG Phone 3では512GBのストレージであったが、ROG Phone 5は256GBとワングレード落とされている。今回レビューしたのものは16/256GBモデル。メインノートパソコン並みのメモリ搭載量には驚かされるばかりだ。
本体のハードウェア的な特徴と言えば、本体側面にもUSB Type-C端子が備えられる点だ。横持ちの状態で底部の端子が覆われていても、側面の端子で本体を充電したり画面出力をすることが可能だ。USB端子の隣にあるのは純正の空冷ファンを取り付ける専用の端子となる。
本体に2つのUSB端子を備えるスマートフォンはROG Phoneくらいしか存在せず、PDA系端末でもGemini PDAなど少数に限られる。
今回はROG Phone 3では廃止となっていたイヤホンジャックが復活している。加えて、DACにはESS ES9280Proを搭載しており、音質重視の構成と言える。ゲームサウンドはもちろん、Neutron Music Playerなどを入れて音楽プレイヤーとして使用するのも魅力的だ。
このES9280Proはいわゆる「スティック式DAC」とも言われるものになる。音質はもちろん省電力にも寄与してると思われる。惜しい点は近年話題のハイレゾストリーミングを劣化なく再生する「ビットパーフェクト再生」には現状非対応とのことだ。
ROG Phone 5にNeutron Music Playerぶち込んだらやはり強いなと
— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年9月20日
デフォのDSP処理が上手いのもあるが、やはりESS ES9280Proを積んでるだけあって並のスマホとは出音のクオリティが違う
スマホの中にHiby FC3(ES9281PRO)のようなスティック型アダプタが入ってるようなものと思ってもらった方が良いかも pic.twitter.com/Mmr58s97jj
ESSのDACを積んだスマホといえばLG Vシリーズなどが挙がるが、それらと比べても高いクオリティを持つものだと感じる。
本体スピーカーのサウンドクオリティもかなり高く、ボリュームや低音域が意外としっかり出るので、アクティブスピーカー代わりに使っても問題なさそうな品質だ。スピーカーの音がいいスマートフォンとしては、ソニーのXperia 1IIIなどがある。ROG Phone 5は大音量で迫力のあるサウンドを楽しめるので、大人数で集まった時とかにはこちらの方が有利だ。
カメラ性能については、6400万画素のイメージセンサーを搭載したメインカメラを中心として超広角、マクロカメラの3眼構成となる。近年はゲーミングスマホもカメラ性能などの普段使いの機能も強化されつつあるので、普通に使えるレベルだ。
カメラ性能はおおむね同社のZenfone 8に準拠
何枚か撮ってみたが、特にこだわりがなければこれで十分かなと思わせるものだ。
バッテリーは6000mA/hと大容量となっている。3000mA/hのものをふたつ搭載するという構成が特徴的で、これによって65Wの急速充電が可能となる。6000mA/hの大容量バッテリーを持ちながら最短52分でフル充電が可能だ。無接点充電には非対応だが、これだけ早い充電速度なら困らないはずだ。
65W充電器は付属する
この手の端末なのもあって充電器は付属する。このクラスの急速充電器は安価ではないので、同梱してくれる点はユーザーにとってもありがたい。日本の5Gバンドもおおむね対応してるROG Phone 5。n77/78/79にもしっかり対応する数少ないSIMフリーAndroidスマホだ。
SIMトレーは赤く塗られている
SIMトレイがやや奥まったものになってるため、付属のSIMイジェクトピンでないと取り出しができないのは難点となる。複数スマホを使う方は注意が必要だ。
ゲームに勝つためのスマホがROG Phone 5
ROG Phoneはまさにこの言葉がピッタリのスマホと言えるでしょう。ゲーミング機能としては、前作に引き続きAirTriggerと呼ばれる物理インターフェースを側面に配置。横持ちのコンテンツではゲームコントローラのL/Rボタンのように振る舞うことが可能だ。
実際に使うとこのような形になる。タップ操作を割り当てができるので、画面を遮らなくて良い
ソフトウェアではゲーミングモードのGame Genieの他にゲーム時に最高のパフォーマンスを提供するXモードが実装されている。画面のリフレッシュレートは144Hzに対応し、タッチサンプリングレートは300Hzとこれもまたゲーミングスペックと言える1台だ。加えて画面タッチの反応遅延は24.3msとかなり抑えられてるのが特徴であり、反応速度が命のリズムゲームといったコンテンツにも強いスマホとなる。
さて、ゲーム機ことROG Phone 5で改めてミリシタを
— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年8月28日
タイミングは初期値で±0 音ズレはほぼ無し
ノーツスピードはやや遅めに設定して誤反応を誘いましたが、さすがはゲーム機。
しっかり処理してくれました。
リズムゲームをやるならマストバイなAndroidスマホのひとつに加えてもいいと思います。 pic.twitter.com/2Ur1YVoZjP
実際にゲームをプレイしてみたが、ミリシタくらいの負荷ではびくともしない。タップタイミングも調整無しでここまで出来れば文句なしと言える。
原神 最高画質 60fpsもとりあえず動作するが、背面は高負荷のためアツアツとなる。空冷ファンは必須だ。
個人的に試したのはこんなところだが、一瞬の判断、反応にもしっかり対応できる作りであったことは確かだ。まさに、ゲームで勝つためのスマホと言えるだろう。
値段、販路を含めて日本でも買いやすくなったROG Phone 5
筆者が推していきたいのはこの部分。日本でのマーケティングにかなり力を入れてきたことだ。かつてのROG Phoneはスペックもさることながら、空冷ファンを付属させていたりしたこともあって12万円クラスと高額なものだ。
日本では初代ROG Phoneから展開こそされてはいたものの、SIMフリーでのみの販売でもあったためニッチなマニア層にしか届かないものだった。
今回のROG Phone 5は空冷ファンを別売にしてスペックを必要十分に抑えたことで、値段面は12/256GBの構成で税込み10万円を切る価格設定となる。輸入価格とさほど変わらない価格設定となるのだ。
その上で、発表からの投入タイミングが早く例年なら10月ごろの市場投入のところ、今回は4月には発売されたのは非常に大きい。
加えて、販路も家電量販店やECサイトのほかにも以下のものが追加された。
au one collectionでの展開
(オンラインストア、au直営店で購入可。au回線を絡めた分割払いも対応)
OCNやリンクスメイトなどのMVNOでの抱き合わせ販売
特にゲームに関しては、カウントフリーオプションを提供するリンクスメイトとゲーミングスマホの相性は抜群だ。
最後に、普段使いでも使える出来の良さを持つROG Phone 5
色々と見てきたが、ROG Phone 5はどちらかと言うとカジュアルな路線に行ったように感じた。以前のような「合体変形ロボ」と呼ばれるような、拡張アクセサリーとも互換がなくなってる点は人によっては惜しい。使えるアクセサリーはGamePadくらいなものだ。
ゲーミングスマホという特性上、過去に他社から出たものはほぼ全て癖だらけのUIであったが、その中でもROG PhoneはASUSのZen UIをベースとしており、近年のZen UIがAOSPベースとなってることから「分かりにくさ」というところはかなり抑えられている。
設定画面のアイコンこそカスタムされてるが、配置や配列はほぼAOSP版と呼ばれる一般的なものになっている
ROG Phone 5ではケースも付属する。空冷ファンを取り付けられるように真ん中には空洞がある
個人的には普段使いでもしっかり使えるスマホだと思うが、230gオーバーの重量や防水機能、FeliCaがないところなどの使いにくさがあるのはこの手のスマホの欠点だ。特性を考慮しても、このスマホを勧められる人というのはやはり「ゲームをよくやる人」だ。
スマホとしてもハイエンドモデルと遜色ないものになっているので、スペックで不満を感じることは無いはずだ。上記に書いたような、惜しい点を理解して買うのであれば良い選択となる。
加えて、本体スピーカーや高品質DACを介したイヤホンジャックの存在など、エンタメ性能も極めて高いものだ。動画や音楽を楽しむという用途でも、非常に満足度の高いスマホと言える。ゲーミングとしてはもちろん、エンタメを楽しむスマホとして買う点においても、ROG Phone 5を選ぶことは筆者的にはアリと思えるものだ