どうもこんにちは。買わないとか言いつつ。結局買ってしまったGoogle Pixel 6 Proのレビューといきましょう。
- Googleが本気で作ったスマホがPixel 6シリーズ
- カメラ性能が他社ハイエンドスマホ並みに大幅強化されたPixel 6 Pro
- 独自チップのTensor搭載が売りのPixel 6シリーズ
- Pixel 6 Proを使って感じた惜しいところ
- 「Googleにしかできないスマホ」へ進化したPixel 6 Pro
- 最後に、長く使いたいスマホとして選ぶにはお勧めのPixel 6シリーズ
Googleが本気で作ったスマホがPixel 6シリーズ
昨年発売のPixel 5や4a 5Gはアッパーミドルと言われるポジションのスマートフォンであったが、今回のPixel 6シリーズはスペックを見てもハイエンドスマートフォンという形になる。
今回筆者はPixel 6 Proをチョイス。望遠カメラを備える上位モデルだ。
スペックはこんなところ
SoC:Google Tensor
メモリ:12GB
ストレージ:128/256GB
画面:6.7インチ WQHD+ OLED
LTPO技術を用いた可変リフレッシュレート
カメラ
メイン:5000万画素 f1.9
超広角:1200万画素 f2.2
望遠:4800万画素 f3.5 4倍望遠
バッテリー:5050mAh
カラー
Cloudy White
Sorta Sunny
Stormy Black
Google が本気で作ったところで言えば、後述する強化されたカメラ性能が挙げられる。Tensorという独自チップを使ったGoogle にしかできないAI 処理をはじめ、まさに本気で作ったスマートフォンというものをを感じます。
今回は標準モデルに当たるPixel 6と上位モデルに当たるPixel 6 Pro の 2種類が展開される。これらの違いは基本的にはメモリ搭載量、カメラ構成、画面性能、端末サイズとなる。
上位モデルのPixel 6 Pro においては、画面にエッジを備えるものを採用。LTPO技術を用いた可変リフレッシュレートの有機EL ディスプレイとなっている。
Pixel 6 Proでは 6.7インチの大画面となっており、持った時のサイズはGalaxy S 21 Ultraなどに近い。
カメラ性能が他社ハイエンドスマホ並みに大幅強化されたPixel 6 Pro
今回印象深い点はカメラ性能だ。筆者自体スマホを買うならまずはカメラ性能からというくらいには注視している。
スペック的には劣りがちだったPixelが、他社のハイエンドとも劣らないカメラ性能となったのは大きいといえるだろう。
画素数はもとい、メインセンサーも大型化している。
もともとPixelは高度なAI処理を得意とすることもあり、Pixel 4aなどの安価な機種でもそこそこ写ることで知られている。今回、Pixel 6ではハイエンドスマホでも採用される大型センサーを採用しているとなれば、期待値は高い。
何枚か撮ってみたが、AI処理が入るので必ずしも「見たまま」には映らないが、非常にきれいに撮影できる。
空はかなり青々としている。どちらかと言えばGalaxyに近いようなチューニングかなと。
Pixel 6 Proで何枚か。
— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年10月30日
望遠があることで撮影の幅は一気に広まる。
正直20倍までしかできないが、100倍ズームスマホと大差ないクラスの性能なので実質的に同等クラスと見てよいだろう。
Googleらしく撮影してから現像が入るのでプレビュー通りにはならないのが人によっては惜しいところか。 pic.twitter.com/YP4a2ONkQU
Pixel 6 Proでは光学4倍相当のペリスコープ望遠レンズを搭載。一部ではGalaxy S20 Ultraのものが使われてるのでは?という声もあるくらい、センサーの型番やレンズ構成が似ている。
等倍
4倍望遠
10倍望遠
20倍望遠
Pixel 6 Proの最大倍率は20倍までだが、この20倍がある程度使える画質なのはさすがと言えるだろう。ロスレス20倍撮影を可能とするスマホはいくつかあるが、市場に出ているものを数えてもかなり少数と言える。現時点で世に出ているのは、ほぼすべて100倍ズームスマホと言われるようなものばかりだ。
ズーム性能が高いだけでも今までのスマホとはまた違った写真が撮れる。比較的高い知名度をもつPixelでこのような商品が展開されることは嬉しい限りだ。
1枚目 等倍
— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年10月30日
2枚目 4倍
3枚目 10倍
4枚目 20倍
さすがPixelと言わんばかりだな。
20倍までしっかり実用できる。 pic.twitter.com/JtWFVSYVrt
夜景モードもしっかりと備えている。三脚検知で自動的に切り替わる星空撮影モードもあるので、興味があるようなら使ってみるのもよいだろう。
独自チップのTensor搭載が売りのPixel 6シリーズ
特に今回のTensorプロセッサはGoogleの意向が強く反映されたものになる。プロセッサのコア構成は以下のようになる。
Cortex-X1コア×2
Cortex-A76コア×2
Cortex-A55コア×4
Tensorは近年のハイエンド向けプロセッサでよく見かける3クラスター構成となっている。一般的に1コアのプライムコアが2コア積まれている点が特徴だ。
GPUはARM Mali G78 MP20を採用。実行ユニット数だけならGalaxyで採用されるExynos 2100やHuaweiの端末で採用されるKirin 9000と言ったプロセッサには劣る。
一方で、Snapdragon 765Gを積んだPixel 5比較で3.7倍に性能は向上してることからパフォーマンスは十分と言えるだろう。
既に出てるベンチマークでは、同じく今年発売のハイエンド機に積まれているチップセットであるSnapdragon 888やExynos 2100にはやや劣るという結果が出ている。実際にいくつかゲームをプレイしてみたが、そんなに過度な発熱もなく普通にプレイできたのが印象的だった。
それよりも現時点では性能がとやかく言う以前に、アプリの最適化が追い付いていないとみている。
少しミリシタもPixel 6 Proで追い込んでみた
— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年10月30日
楽曲:UNION!! 39人ライブ
3D高画質 難易度MM
やはりフレームレートは平均で30と言ったところ
ハイエンドとは言ってるが、このクラスの動作だとSnapdragon 855辺りと似たような操作感かと
なんとか走るけど快適とは言えないので、やはり最適化が待たれる pic.twitter.com/wIQACuED1p
このTensorではAI処理の高さを売りにしており、恩恵として高精度な文字の書き起こしやリアルタイムで出力される翻訳機能、写真のエフェクトなどが挙げられている。
音声入力は従来のスマホでもできたが、ここまでの高精度で日本語が入力できるスマホはほぼなかったと言ってよいだろう。
口語表現、カタカナ、英語変換。さらにはある程度の固有名詞も引っ張ってくることができる。「高槻やよい」あたりの固有名詞を一発で引っ張ったときはさすがと思った次第だ。
(音声入力だと「高槻弥生」となったりする。)
Pixel 6ならオタク特有の早口でもある程度拾い上げてくれるからすごい pic.twitter.com/Ozm9udj4aK
— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年10月31日
AI機能を駆使した画像処理としては、モーションフォトというのが挙げられる。
これらはアクションパンという設定で撮影したものだ。モーターボートを流し撮りしたかのように撮影できる。なかなかこのような撮影はぱっと思い立ってできるものではないので、Googleらしい機能と言えるだろう。
左 Pixel 6 Proのモーションフォトで撮影したボート
— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年10月30日
右 通常モード pic.twitter.com/qYaNk6SggS
大きく話題に出してる消しゴムマジックというのも非常に面白い機能と言える。やっていることはファーウェイのゴールデンスナップなどに近いもので、通行人や写り込んだ人物を編集して消去するものになる。
Pixel 6の消しゴムマジックはより直感的にわかりやすく人物検知を行い、簡単に編集できるという点ではこちらの方が一歩上手だろう。こちらの機能はフォトエディタのものなので過去に撮った写真でも使うことができる。ただ、人間を検出できるかどうかはあくまでAI任せなので完全ではないと言える。
Pixel 6 Proを使って感じた惜しいところ
この大きさでバッテリーそこそこ積んではいるものの、電池持ちはお世辞にも良いとは言えないだろう。一般的な使い方で1日ギリギリ持つかどうかと言うところだ。
あとは一部個体で指紋センサーの感度が悪いことが挙げられる。今のところPixel 6で多く報告されている画面内指紋センサーの感度が悪くて使い物にならないというものだが、幸い私の持つ個体ではそのような問題はなかった。
ただ、本体は販売されていてもケースやフィルムがほとんど出回っておらず、量販店では発売から数日経っていながらもまともにアクセサリーが買えないような状況になる。
幸いPixel 6 Proは推奨ではないものの、シャープのAQUOS R6のフィルムが利用できるとのこと。実際に筆者も使ってるが、びっくりする程ピッタリなのである。
独自チップと最新のAndroid 12搭載ということもあってアプリも一部最適化が遅れてることも現時点では惜しいところ。ここら辺はアプリ側アップデートを待ってから買うのも決して悪くは無いだろう。
個人的にはGoogle Photoへの無制限アップロードができない点が惜しいと言えるだろうか。キャリアでは購入者にGoogle Oneの3ヶ月分クーポンなどを配布しているが、それでも微妙なところと言えるだろう。
電波をつかみやすくする関係だとは思うが、上部だけプラスチックになってるのは…ねぇと言うところ。せっかくデザイン良くしたのに惜しい。
「Googleにしかできないスマホ」へ進化したPixel 6 Pro
正直、今までのPixelは「Googleのスマホ」という側面で、正直なところこれと言ってパンチの強いスマホではなかった。
Apple iPhoneのようなサポートが長く、アップデートが速いくらいしか利点がなく、機能面では特別他社のAndroidスマホに比べて勝るところは少なかった。
参考までに去年発売のPixel 4a 5Gはそんな端末だったと言える。
一方で、今回のPixel 6は全く異なるものになった。独自のTensorプロセッサを採用したハイエンドと呼べるものになった点はもちろん、高度なAI処理を実現し、高精度な文字書き起こしや卓越したカメラ性能などを備えるスマホになった。
特に消しゴムマジックや写真撮影の一連の処理、高精度な文字書き起こしや同時翻訳IMEといった機能はTensor由来のものであるとされており、この時点で「Googleのスマホにしかできない機能」という形で備わっている。
もちろん、高度な翻訳ならDeepLなどのサービスもあるし、消しゴムマジックもPhotoshopのような専用ソフトのほうが処理は優秀に思うところもある。ただ、これらが使いやすくまとまったスマホは少なかったと言えるだろう。
また、3年間のOSメジャーアップデートと5年間のセキュリティパッチも供給されるなど、「長く使えるスマホ」となっているのも魅力と言えるだろう。もちろん、防水防塵を備えてFeliCa(おサイフケータイ)にもしっかり対応している。加えてPixel 5同様にeSIMも利用可能だ。
最後に、長く使いたいスマホとして選ぶにはお勧めのPixel 6シリーズ
正直に言いましょう。今回私が買ったのは上位モデルのPixel 6 Proであったが、個人的に推したいのはベースモデルのPixel 6だ。Pixel 6 Proはハイエンドスマホらしいもので、お値段は116,000円~となっており、まぁスペックを考えれば確かになと納得するものはなります。
一方の標準モデルのPixel 6は74,800円と少しお買い得な値段設定となる。正直これだけの機能を持っていて、この値段で出されると非常にコスパがいいものだ。
そして、Pixelはアップデートで機能が大幅に追加されるスマートフォンなのも売りだ。実際過去にもアップデートで機能が追加されたり、ドライバーのアップデートによって動作が改善された例もある。
そのため、スマートフォンの価格が高騰する中で、長く使っていくという上では非常に使いやすいAndroidスマートフォンではないかと感じる。筆者的には長く使う無難なスマホとして選ぶならPixel 6、その上で写真撮影やスペックで妥協したくないのならPixel 6 Pro。このように選ぶのがいいのかなと感じた次第だ。
意外と骨があって使っていて楽しいスマホ。それがPixel 6 Proなのかもしれません。
それでは