以前に原神が動く様々な端末を探してみたが、その中には任天堂のゲーム機であるSwitchで動くかどうかと言った問い合わせが多かった。
実はSwitch向けにも原神が展開されるという話は以前からある。開発元のmiHoYoからも「開発中」と公表されているが、開発が決まった以降の音沙汰はない。
そういえば、今日で開発が決まったという投稿から3年が経ったことになる。悪い意味でのサードアニバーサリーである。
確かに予告動画は本日で投稿から3年を迎えてしまった。
いちユーザーとしても3年も待たされるのはさすがにもどかしいので、今回はSwitchで原神を遊んでみることにしよう。
原神はSwitchで遊べるのか
そもそもSwitchで原神が動くのかところに疑問を持つ方もいるはずだ。ところが、原神はちょこっと工夫するとSwitchでも動いてしまうのだ。
Switchで原神を動かすやり方としては、Android OSをSwitchに導入し、その状態でAndroid版を動作させるものとなる。
これはSwitchがARMプラットフォームを採用していることもあり、仕組み的にはAndroid スマートフォンにかなり近いものとなっている。これが前提条件としてアプリを動作できる理由だ。
導入についてはSwitchにAndroid OS を導入した記事を参照にしてほしい。
見事にSwitchで原神が動いている。わかってはいるのに、どうしても不思議な感覚になってしまう。
実際にSwitchで原神を動かすとスペック不足を突きつけられる
さて、多くの人が気になるのはSwitchで原神がどれだけ遊べるのかいったところだ。正直なことを言うと動かすのがやっとで遊ぶのはかなり厳しい。これはAndroid OS をブートする方法に大きく起因していると考えられる。
SwitchでAndroidを動かす場合は SD カードから起動することになっている。そのため、ストレージのスピードがものすごく遅いのだ。近年のハイエンドスマートフォンと比較しても1/10以下の速度になり、SSD とハードディスクの差にかなり近いものがある。
分かりにくい例えだが、UbuntuのCDブートをしているような状態と思ってもらって良いはずだ。
Switchで原神をやったらどうなるのか!と言う質問にクソ真面目に答えしょう。
— はやぽん (@Hayaponlog) 2023年1月14日
雑魚キャラ相手でもこの動作感です!いやーすごいですね。いろんな意味で pic.twitter.com/A0QeNEhc1j
今回は画質設定を最低にし、フレームレートを24fpsに制限した状態で行った。残念ながらデフォルトの「画質低」もかなり動作が厳しいものだった。
特に戦闘シーンになると途端に動作が重くなる。メモリ不足に起因するのか、ストレージの速度に起因するのかは分からないが、動作はガツンと遅くなる。
因みに原神を近い条件で最新スマホで遊んだ時の様子です。(端末はXiaomi 13 Pro)
— はやぽん (@Hayaponlog) 2023年1月14日
まるで違いますね https://t.co/1dtqShAYXE pic.twitter.com/61IiWVbrSH
参考までに、近いシチュエーションを最新のスマートフォンで遊んでみた。こちらは最高画質の60fps設定だが全くもたつきを感じない。
それ以外でも極端に動作が重くなる場面があった。例えばパーティー編成を変える場面、ワープする際にマップを操作する場面、キャラクター育成や武器錬成といった場面はかなり動作が遅くなる。
また、カスタムROMの関係か、パーティー編成などの後に復帰する際にうまく起動できずにフリーズすることがあった。おそらく通信周りが安定しないため、サーバーとの通信がうまく確立されないといった理由になるだろう。オンラインプレイなどの挙動はかなり怪しいものと言える。
Switch版の発表から丸3年
— はやぽん (@Hayaponlog) 2023年1月14日
もう待てないので、Switchで原神を遊んでいたらフリーズしました… pic.twitter.com/6Hdp6DD0Vs
可愛い顔しているだろ…見事にフリーズしているんだぜ。
Switch版の原神はスペック的に厳しいのか
さて、今回はSwitchで原神を動かしてみたが、動画を見た読書の皆様印象の方はいかがだろうか?「まあ、そうなるよね」っていう声もある中、思ったよりも動くと言う意見も見られる。
実際Switchは2017年発売のハードだ。核となるCPUにはNvidia Tegra X1という当時としては、かなり性能の高いチップセットを採用していたが、発売から6年の歳月には抗えないようだ。
メモリは4GBとなっていたので、この辺りも当時の標準的なものだ。
今回の検証は画質を最低まで落とし、フレームレートを24fpsに制限にしたといった形だ。SDカードという低速なストレージから無理やり動かしていることもあって、動作はかなり厳しい。
これに関しては同年代で3万円前後で販売されていた中でも、特に高スペックだったスマートフォンとほぼ同等クラスの動きとなる。
2017年に販売された3万円以下で最も性能が高いスマートフォンはLenovo ZUK Z2だ。日本では正規販売されなかったものの、Snapdragon 820を搭載しながら2万円台の価格設定で販売された。マニア中心にコストパフォーマンスが高いことで注目を集めた。
参考までに
— はやぽん (@Hayaponlog) 2023年1月14日
6年前に3万円で販売されていた端末の中で、最も性能が高かかった機種と同等性能の機種でも遊んでみました。
最低画質なら引っかかりはあるものの、雑魚キャラくらいの戦闘なら、なんとか遊べそうですね。
Switchはストレージがネックになるので、カクツキが目立つ形でした。 https://t.co/mB9M2t6BEM pic.twitter.com/Mv5gugiVnu
参考までに近い性能の端末で遊んでみたが、最低画質ならなんとか動かせそうだ。端末はZTE AXON Mを使用。(Snapdragon 821/メモリ4GB)
ちなみに、近年発売されている3万円のスマートフォンはミッドレンジと言われるスペックではあるが、最低設定などをしなくてもおおむね動作するものが多い。
Switch版の原神の発表から3年を迎えて
最後にSwitch版の原神がなぜ3年も音沙汰ないのかを考えてみる。原神はアップデートを重ね、リリース当初に比べてゲームそのものの容量も大幅に増えている。
その容量も今ではモバイル版でも20GB 以上の容量となる大作コンテンツとなっている。いくらSwitch向けに最適化させたとはいえ、こちらも容量の大きいコンテンツになるのは目に見えている。
仮にも物理ソフトという形で販売できても、継続的なアップデートが予想されているため、Switchの内蔵ストレージだけでは容量が足りなくなってしまうことが想定される。
仮にもSwitch向けに出すのであれば、上記の容量や端末スペックから画質や動作にも制限がある形での発売が想定されている。そのようなものをユーザーが求めるのかといったところには疑問が残る。
原神は今現在展開されているスマートフォン向けコンテンツの中でも、要求スペックはかなり高いコンテンツだ。最新のハイエンド端末を用いても、最高画質で60 FPSをキープさせるのは難しいと言われる。
そのため、開発チームが求めている画質やクオリティをSwitchで実現することが難しくなったのではないかと考える。開発は継続しているものの、スマートフォン向けと同じものがすべて流用できるわけもなく、下手をしたらフェードアウト寸前といったところなのだ。
CERO等の審査の兼ね合いもあって、なかなか情報を出せないと言ったこともあるのだろう。
Switch向けのホームページもあるが、最新の稲妻やスメールの情報は乗っておらず、更新されていないことが伺える。
そんなわけで今回は原神をSwitchで実際に遊んでみた。発表から3年経っても何も音沙汰がないSwitch版の原神の情報。さすがの筆者も"もどかしさ"だけが募るものだ。
動作はともかく、Switchでも原神が遊べる。この事実だけでもどこかに留めてもらうと、心のモヤモヤが若干抑えられるような気がする。
最後に、比較用に最高画質を動かしたスマートフォンはこちらだ。Snapdragon 8 Gen.2を採用したとってもパワフルな機種となっている。