どうも。皆さんは折りたためるスマートフォンがあることをご存知だろうか?日本でも多くの機種が発売されるとあって、話題になっています。
今回は、こんな折りたためるスマートフォンを今まで8台使ってきた筆者が「折りたためるスマホのメリット、デメリット」についてまとめてみました。
折りたためるスマートフォンって何?
折りたためるスマートフォンというのは、広義では2画面のものなども含まれます。2画面スマホで折りたたみラップトップスタイルにもなるLG V60 ThinQ(写真左)はソフトバンク、ドコモにて販売されている。
今回はヒンジ部分まで画面となっている「フォルダブル」と呼ばれるスマートフォンを中心に書いていきます。ちなみに筆者が購入して使ってきたフォルダブルスマホは以下になります。そんなに多くは使ってきてません。
・Galaxy Fold
・Galaxy Z Fold2
・Galaxy Z Flip
・Galaxy Z Flip3
・Royole FlexPai2
・Motorola razr
・Motorola razr 5G
・Huawei P50 Pocket
フォルダブルスマホのメリット
折りたためると言っても所詮スマートフォンでしょ!と思われるかもしれませんが、この手のものは、使ってみるとライフスタイルは大きくかわるものです。
・8インチ以下のタブレット端末が必要なくなった
特にGalaxy Foldと言った横に開く端末は閉じてスマホ、開いてタブレットと言える端末です。その特性上、画面サイズでかち合う8インチクラス以下のタブレット端末の存在意義がかなり薄れてしまいます。
実際、筆者もいくつか8インチクラスのタブレット端末は持っていましたが、ほとんど手放してしまい現在手元に残っているのはGalaxy tab Active 3だけとなっています。この大きさのタブレットはHuawei MediaPad M6やiPad mimiもありましたが、全て手放してしまいました。
実際、iPad mimiは画面比率やサイズでほとんど変わらないGalaxy Z Fold2にほぼ存在を置き換えられた感はあります。ちなみにGalaxy tab Active 3はフォルダブル端末にはない「防水防磁、耐衝撃」という物理的な強度とスライタスペンが使えるという点で残しています。
・ポケットにスマホを入れるようになった
昨今の縦長画面のスマートフォンだと、衣服のポケットに入れるには物理的に長かったりします。近年だとXperiaシリーズのように横幅はスリムながらも縦長になったものや、大画面化のトレンドからか横幅が大きくなってポケットに入れにくい機種が大半を占めるようになりました。
もちろんコンパクトなスマートフォンもありますが、花形のハイエンドセグメントではGalaxy S10eやiPhone 12 miniが売れない事が発覚しており、今ではミドルレンジの一部に留まっています。
そんな中、Galaxy Z Flipのようは小型に折りたためるスマホは便利なものです。Xperia 1シリーズに近い画面サイズの端末を折りたたむことで、ポケットWi-Fiより小さいコンパクトなサイズに収めることができます。
「コンパクトに大画面を持ち歩ける」これがフォルダブルスマホの最大の利点と言えるでしょう。
日本では横開きのスマートフォンとタブレット端末を兼ねられるような端末よりも、縦開きのコンパクトスマートフォン方がヒットするのかなと感じます。
・大画面を生かしたマルチタスクで、スマートフォンの使い方が変わる
スマートフォンでもフォルダブルとなることで画面を大きく、広く使えるようになったことから、マルチタスクがより使いやすくなりました。実際、Android OSも7.0以降は画面分割を標準でサポートしたこともあり、大画面化したディスプレイを有効利用できるようなものが増えていきました。
特にマルチタスクに特化したのはGalaxy Foldシリーズです。デフォルトで3分割動作が可能な上に、別途でポップアップウィンドウも使えるマルチタスク特化仕様となります。さらには、MultiStarという外部プラグインを入れることでバックグラウンドでもアクティブでアプリを動かせるようになります。
最新のスマホならさよならアンドロメダ走りながら、クレイジークレイジーも走れてその上でYoutubeでイノタクさんの曲まで聴きながらデレステとミリシタ両方同時にプレイできるんです
— はやぽん! (@H8P0NP) 2020年11月19日
何言ってるかわかりませんが、私もなに言ってるかわからないクレイジーでアンドロメダな状態がAgainしてます pic.twitter.com/hHKdNDa1W3
こんな形で複数のアプリを同時に動かしたりすることも可能。画面が大きい分、通常の画面分割より使いやすくなっています。近年ではAndroid 12Lや13がタブレット向けUIをサポートしているため、より使いやすく仕上がっています。
フォルダブルスマホのデメリット
皆さん気になる点はここだと思いますよね…デメリットです。今回は実際に8機種を使ってきた身として、書いてみようと思います。
・スマートフォンそのものの耐久性
フォルダブルスマホを使う上で多くの人が気にされるのはここですよね。筆者が使ってした8機種はなんの問題もないです。いまのところ、ヒンジが緩くなったり、画面に縦線が入ったりと言った現象は起こってません。
Galaxy Foldは中古購入して使ってるので軽く1年半以上は使ってますが、ヒンジが緩くなったりと言ったことは起こってません。多くの場合は、通常の利用シーンにおいて耐久性が劣ると思う場面は少ないと思います。
ただ、Galaxyのフォルダブルはヒンジが静音でほとんど音がしないのですが、FlexPai2だとヒンジが動く関係か動作すると「パキパキ」って音がしますね。
不安になる音という印象がありますが、ガラケーの時に感じなかったことから、恐らく値段面故の不安なのかなと思います。
初期の機種ではrazr 4Gが開く度にヒンジが「ギッ」って言うような音がして不安になりましたが、日本でも発売される5G版では改善されていました。ただ、Galaxy Fold系とは異なる感覚なのでそこは注意です。この辺りは多分メカ部の動作音なので仕様です。仕組み上は問題なくても、精神衛生的にはあまりよろしくないかなと思います。
・画面の折り目は気になるか?
画面の折り目については確かにメディアとかではよく「気になる」と言われますが、実際に使ってる身としてはさほど気になりません。これは慣れの要素もあるのでなんとも言えませんが、確かに触れば「ここ折り目だな」っていうのは分かります。
確かに画面の折り目は指摘されればわかる程度。
Galaxy Fold系は意図的に折り目をつけて負荷を軽減してるが、しずく型に引っ張りながら画面を畳む機構を持つMotorola razr 5Gでは展開時でも折り目はそこまで目立たなかった。後者ではその構造ゆえにGalaxy Z Flipのように画面の中間保持ができず、展開と折りたたみしか出来ないものになっています。
razr 5Gではこれが構造的にできない。OPPO Find Nのように特定の角度なら固定できる機種もある。フレキシブルに画面角度を固定できるものはなく、現時点では折り目が目立たなくなる機構とトレードオフでしょうか。
また、外折りタイプのFlexPaIでは折り目はないもののの、展開時にはヒンジ部の画面がたわむことがあります。これも慣れれば気にならないかなとは思います。
・フォルダブルスマホは普段使いできるか?
普段使いできるか?と問われればできます。実際に私も8台のフォルダブル機使ってきていますが、通話用途の端末はGalaxy Z Flip3至っています。
スペックも現時点で世に出てるものはほとんどハイエンドに準拠しているので、ゲームとかのリッチコンテンツもこなせる性能があります。
ただ、排熱性能やタッチパネルの感度は通常のスマートフォンより劣る傾向があるので、瞬間的なタッチ感度を求めるコンテンツや、数時間ぶっ通しでゲームをやると言った用途には不向きと言えます。
他には日本独自機能のおサイフケータイが入ってないと言った難点もあったが、Galaxy Z FoldシリーズやFlipシリーズが搭載してきている。それ以外の機種でもFeliCa搭載スマートウォッチ等である程度カバーできることから、あまり大きなデメリットでは無いかなと感じます。
・フォルダフルスマホは物理的に重くなる
正直、Galaxy Fold系やFlexPaiやMate Xと言った「タブレットも兼ねられる端末」はどうしても物理的に重いです。FlexPai2に至っては300gオーバーと決して軽いとは言えず、タブレットとしては軽量であってもスマホとしてはかなりの重量級となります。
Galaxy Foldみたいな端末は閉じても細長く手に馴染む反面、ヒンジ部に重量があるため本体左側が重いアンバランスな形となってます。Huawei Mate XやX2はその辺の重量バランスが絶妙なようで、バランスの悪さは感じなかったです。
Mate X2は携帯電話評論家の山根博士が触った感想を語られてた時でも、「見た目以上に軽かった」と触れていたので重量バランスはかなり考えられていますね。
あまりに重量があるので片手で2台持つのは難しいと言える。
一方でフリップタイプのGalaxy Z Flipは180gクラスで、razr 5Gは200g前後とこちらは普及してる同等クラスのスマートフォンと同じくらいの重量となります。確かに閉じた状態では妙な重量感はありますが、開いてしまうとそのような感覚は全くありません。
最後に。フォルダブル端末は5年後には"当たり前"になるスマートフォン
フォルダブルのスマートフォンが最初に世に出てから、5年という年月が経ちました。現時点でも定価ベースで1番安い機種はGalaxy Z Flip3の999米ドルとなっており、まだまだ本格普及するには難しい価格設定となっています。
これには、現時点では折りたためるディスプレイが高度な技術ゆえに、参入できているメーカーは限られること。生産に時間やコストがかかってる上に、数も従来のパネルより生産数が確保できない点があります。
まだ、フォルダブルスマートフォンにおいてはゲームチェンジャーと呼べる端末や、コンテンツが出てないことから、現時点ではキワモノ感があります。それでも筆者としては間違えなく「5年以内に当たり前になるスマホ」だと思っています。
今すぐにフォルダブルスマホを買うメリットはいくつか存在しますが、決定的なものはまだ少ないです。端末の構造的なデメリットも存在し、価格的にもまだまだ高価なものが多いです。それでも「スマホに対する新しい価値観」を与えてくれるものであり、「5年先の未来を体感できる」ロマンと共に買うものだと思っています。
フィーチャーフォンも最初はストレートだったものが、コンテンツのリッチ化、カメラ搭載で画面がカラー化しました。そこからタッチパネルのスマートフォンとなって大画面化し、いつしかその画面は折りたたみ式になっていきました。
数年後にはフォルダブルの大画面を生かしたリッチなコンテンツ、サブ画面の小さい画面でも使いやすいランチャーやクイック返信ツールのようなものが出てくるのかなと思います。
もしくは、今の我々では想像もできないような事がスマートフォンでできるかもしれませんね。夢は膨らむばかりです。