今年6月に発表されたMotorolaの折りたたみスマートフォンである「razr 40 Ultra」は奇抜で大画面なカバーディスプレイが注目された。筆者は今回Twitterのフォロワー様より入手したとの連絡を受けたので、簡単に触らせていただくことができた。簡易的なファーストインプレッションとしたい。
次世代の折りたたみスマートフォン。razr 40 Ultraを体験する!
razr 40 UltraはSnapdragon 8+ Gen 1を採用したハイエンド端末だ。展開時は6.9インチの大画面を持ち、カバーディスプレイは3.6インチとこの手のスマホとしてはかなり大型の仕上がりだ。
カバーディスプレイはカメラ部の下まで画面になっているなど、技術的に見ても興味深い機種だ。
画面を展開すると6.9インチの大画面となる。最大165Hzのリフレッシュレートにも対応し、折り目もかなり目立たない仕上がりとなっている。
フレックスモードによる画面保持も可能だ。
そして、razr 40 Ultraの特徴はカバーディスプレイの柔軟性の高さだ。このシリーズでは従来からカバーディスプレイの大型化を推しており、今回はほぼ全面が画面という仕上がりになった。これに加えて、アプリの方も柔軟に起動できる。SNSやブラウザはもちろん、ゲームも動作させることが可能だ。
試しに筆者も検証で使うミリオンライブ!シアターデイズを起動してみた。強制全画面モードにするとカメラ部に至るまで描画されるため、違和感すら覚える。
もちろん、リズムゲームも動作する
Razr 40 Ultraのカバー画面にてミリシタを動かしてみました。Snapdragon 8+ Gen.1なので快適に動くぞ。
— はやぽん (@Hayaponlog) 2023年6月20日
それにしても強制全画面にしたらノーツが見切れてしまい、思わず「遊べない」って言ってしまいました(笑) pic.twitter.com/qXeKe3uSVu
そしてこのカバーディスプレイは144Hzのリフレッシュレートにも対応する。カメラの周囲もタッチパネルとして機能するなど、この手のものとしてはあまりにも贅沢すぎる仕上がりだ。
Galaxy Z Flip3(右)と比較しても画面サイズは一目瞭然だ。
今回チェックしたカラーは「Viva Magenta」だ。背面にはフェイクレザーを採用する仕上がりとなっている。個人的にも同シリーズでは最も好みなカラーリングだ。
ヒンジ部はティアドロップ方式の引き込み機構となるが、今作ではこれを一新。薄型化を達成しつつ、UTGの採用によって画面の折り目を目立たなくしている。
もちろん画面は隙間なく畳むことができる。
カメラは1200万画素のメインカメラにはじめ、1300万画素の超広角カメラを備える。フロントカメラは3200万画素のものが採用されている。
カメラプレビューには子供の気を引くアニメーションを表示できるなど、大画面を生かした仕上がりになっている。
OSはAndroid 13が採用される。マルチタスクの使い勝手も洗練されており、Galaxy Foldシリーズに負けず劣らずのクオリティであることを裏付けさせられる。また、Galaxy Z Flipシリーズでは利用できないDeXのようなデスクトップモード「Ready For」も利用できるなど、コンパクトながら高性能なことを裏付けている。
全てのものを過去にする。カバーディスプレイ大型化の時代がキタ!
今回、改めてrazr 40 Ultraを触ってみて、折りたたみスマホにおける技術の進歩をまざまざと感じさせられた。特にカバーディスプレイの大型化と自由度の高さは素晴らしいもので、考え方的には「縦に折れるGalaxy Fold」のような仕上がりだ。
カバーディスプレイの大型化は「vivo X Flip」「OPPO Find N2 Flip」などで様々なアプローチが取られるが、モトローラはいち早く「全画面」と呼べるハードウェアに仕上げてきた。元々は通知表示といった「スマートウォッチ」的な使い方が主だったこの画面にも、アプリの起動やクイックアクションといった新たな付加価値を与えようとしている。
この機種は北米では「razr+(2023)」として販売されており、ヨーロッパなどではrazr 40 Ultraとして販売される。日本向けの認証も取得していることから、日本でも販売される可能性がある商品だ。
前回のrazr 5Gは確かに魅力的な製品ではあったが、スペックがミッドレンジに抑えられたり、画面を途中の角度で保持ができないなど「長く使う」と考えた時には不安が残る部分もあった。
大画面のカバーディスプレイが特徴的だったrazr 5G
そんな縦折りの折りたたみスマホにも新時代の到来を予感させるハードウェアとなったrazr 40 Ultra。これを見た各社がどのようなハードウェアで市場を攻めてくるのか。今後が楽しみで仕方がない。
razr 40 Ultra スペック
SoC:Snapdragon 8+ Gen 1
メモリ:8/12GB
ストレージ:256/512GB
画面
カバーディスプレイ:3.6インチ
メインディスプレイ:6.9インチ FHD+
カメラ
メイン:1200万画素
超広角:1300万画素
フロント:3200万画素
バッテリー:3800mAh
33W急速充電、5Wのワイヤレス充電に対応
生体認証:指紋認証(電源ボタン一体型)
OS:MYUI 4.0(中国版) Android 13