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スマートフォンの値引き規制を回避する大手キャリア。新たな「1円スマホ」は転売防止の観点では有効か

 スマートフォンの値引き規制が本格化する中、新たな形で「1円スマホ」が現れるようになった。今回はソフトバンクを中心に行われている「分割時の残価を変更する」形で実質的な値引きを行うものについて解説しよう。


 大手キャリアが行う「いつでもカエドキプログラム」などをはじめとした残価設定の分割払いプラン。一般にスマートフォン分割払いすると支払い回数に応じて均等に分割下げるため、月額数の支払いを何回も行わなければならなくなる。

 そこで、一定期間利用後に端末をキャリアに返却すれば、残りの残価を払わなくて良いという端末の利用方法が生まれた。これによって、値引き規制後も高価なiPhoneなどを比較的容易に利用できるようになっている。

 


 ただ、ここに来て、スマートフォン値引き規制が厳しくなり、いわゆる「1円スマホ」などができなくなったのは事実だ。加えて大幅値引きを含めた残価設定についても公正取引委員会からは「過度な値引き」として指摘されている。

 そのような「規制の目をくぐる」という意味でも、この残高設定を変更するやり方が行われていると考えられる。

 

 例えば、ソフトバンクのPixel 8は良い例だ。先月発売された10万円を超えるスマートフォンながら、2年後に返却する場合は毎月1円ずつ、2年間で24円の支払いで利用できるような形となっている。
 端末のみの契約でも月額917円となるため、機種変更はもちろんサブブランドや他社MVNOなどを利用していてもお得に利用できるものとなっている。

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残価調整がされている例

 

 確かに施策を見てみると、定価の表示は変わらないことが分かる。前半は917円の24回払い、後半は3853円の24回払いで総額11万4480円となっており、後半2年間の分割金額が大きく増える形となる。

 この前半分に回線契約特典の2万2000円値引きを入れることで、月額1円で利用できる仕組みとなる。この場合は総支払額が変わらないため、総務省が問題視している2万2000円を超える回線値引き、白ロム割と呼ばれる極端な端末値引きには該当しないのだ。

 
 さて、注目すべき点はこのようなことが今後の規制に抵触するか否かだ。これについては今後改正される電気通信事業法にも明記されておらず、いわゆる値引き規制には抵触しない可能性が高い。
 確かに定価は変わっておらず、分割する代金の内訳を変更するような形となる。スマートフォンの値引き規制については定価から大きく値引きすることが問題であり、定価が変わらないこちらの施策は問題がないという解釈となる。

 

 もう一方の方法としては、価格改定を行い定価そのものを安くするものだ。直近ではauのGalaxy S22が定価を5万8400円としたことで、ハイエンド機ながら購入しやすい価格となっている。
 価格改定についてはキャリアが自主的に設定できるため、これも値引き規制に該当しない。日本で提供される多くのスマートフォンの販売元がキャリアだからこそできる部分だ。

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今後は大幅に値引きするのではなく、定価そのものを下げる形で対応してくることになると考える


 そのため、このような利用方法は、規制を回避する観点でもに今後定番になっていくと考えられる。分割契約であることや、実質的な値引き額は少ないことから転売対策にもなる。

 

 高価な端末の残価設定の変更と型落ち端末の価格改定。これが今後お得にスマートフォンを利用できる手段となっていくことになるはずだ。

 

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