こんにちは。これまで使ったスマホは300台以上。生まれはギリギリZ世代のライター はやぽんです。
さて、昨年発売のXiaomi 12T ProはXiaomiのハイエンドモデルとして話題となった。そして後継となるXiaomi 13T Proも日本投入が決まり勢いに乗っている。今回は海外版のXiaomi 13T Proを国内版に先駆けてゲットしましたので、レビューとして残しておく。
- Tシリーズとしては初の「ライカ付き」コスパモデルでも高いクオリティの写真が撮れる
- スペックも最高峰で原神も快適。日本初のDimensity 9200+採用の意欲作
- 価格もかなり攻めたXiaomi 13T Pro ソフトバンクでは規制前に「実質24円」
Tシリーズとしては初の「ライカ付き」コスパモデルでも高いクオリティの写真が撮れる
Xiaomi 13Tシリーズは今年10月に発表されたハイエンドスマートフォンだ。フラグシップとは異なり、コストパフォーマンスを重視しつつ高性能に仕上げた製品だ。
XiaomiのT付きモデルでは初のライカ監修カメラを備え、従来よりもカメラ性能向上にフォーカスを当てている。上位モデルのXiaomi 13T Proは同社のグローバルモデルとしては初のDimensity 9200+プロセッサを採用する高い性能が魅力だ。
今回は海外で先行販売されたグローバル版のため、ライカのロゴがある
ここでは売りのカメラについてチェック。メインのカメラは5000万画素のセンサーを搭載。メインカメラのイメージセンサーとして採用されるソニー製IMX707のセンサーサイズは1/1.28型。これはXiaomi 12 Proにも採用されており、Xiaomiとしてはチューニングにも長けているものと考えられる。
メインカメラは5000万画素の大型センサーを採用する
それ以外には1200万画素の超広角カメラと5000万画素の2倍望遠カメラを備えている。この辺りは「コスパ重視」の製品ながら、200万画素のマクロカメラ等でお茶を濁すようなことはしていない。「ライカの高い目標」に準じたクオリティの部品や構成となっている。フロントカメラは2000万画素のものを採用する。
なお、カメラについてはライカ監修のグローバル版となる。同社のライセンスが諸般の事情で取得できない国内版とはチューニングが異なる可能性がある。予めご了承いただきたい。
ここまでいくつか撮影したが、Xiaomi 13 Ultra以降の「柔らかい」チューニングが反映されている。この辺りはライカチューンがうまく生きている。従来のDimensity SoC搭載機ではカメラ性能が高いと言えるものは少なく、Snapdragon搭載機に差を開けられているものが多かっただけに、この写りには驚きだ。
今回のDimensity 9200+ではISP性能も大きく向上し、より豊かな表現を可能にしたとしている。写りを見ればこれは明確だ。言い換えれば日本版のハードウェアもこれに匹敵するものであり、ライカ監修でなくても高いクオリティを持つものになってくる。
望遠カメラも意外と寄れる点はポイントが高い。エモい表現もお手のものだ
夜景も綺麗に撮れる。近年のXiaomi機に多い「黒がはっきり出る」チューニングとなる
フードフォトはお手のものだ
写真の傾向で言えば、Xiaomi 13 Ultraなどの同社のライカ監修スマホと同じ感覚で撮影できる。今回のTシリーズでは超広角カメラは1300万画素、望遠カメラも5000万画素とするなど「カメラをケチっていない」ものになっている。ライカとのコラボレーションを前提にすると、このような妥協は許されないものとなるのだ。
Xiaomi 12T Proよりもカメラに関しては使いやすく仕上がっている
スペックも最高峰で原神も快適。日本初のDimensity 9200+採用の意欲作
Xiaomi 13T ProはMediaTekの最新ハイエンドプロセッサである「Dimensity 9200+」を採用。日本ではDimensity 9000系を含めて初の展開となり、同社のフラグシップSoCとして名が広く知られそうだ。
その一方、グローバルで見ても搭載端末はあまり多くなく、アプリの最適化などで引けを取る。それでも、2023年発売モデルの中ではトップレベルの性能となる。他のスペックは以下に示すとおりだ。
SoC MediaTek Dimensity 9200+
メモリ 8GB
ストレージ:256/512GB画面:6.78インチ OLED
144Hzリフレッシュレート対応
カメラ
メイン:5000万画素 f1.9
超広角:1200万画素
2倍望遠:5000万画素
バッテリー:5000mAh
120W 急速充電対応
防水等級:IPX3/IP5X(防滴)
FeliCa対応
本体はガラスパネルまたはヴィーガンレザーを採用。近年のトレンドに沿ったデザインとなる。今回レビューの「アルパインブルー」はレザーとなっているため、本体の仕上げや重量が異なる。
日本でのカラーはブラック、メドウグリーン、アルパインブルーの3色展開。ブルーはビーガンレザーの筐体となり、他のものと質感が異なる。
ディスプレイは「CrystalRes」と称するAMOLEDパネルを採用。画面解像度は2K+で144Hzのリフレッシュレートに対応する。画面輝度もピーク時2600nitと明るいものが採用されており、この点についてはハイエンド機にも引けを取らないものだ。
このXiaomi 13T Proは画面の両端にエッジがないものになっており、端末の持ちやすさではエッジ加工のある端末に劣るものの、画面端の部分ので誤タップが少ないものになる。画面保護フィルムも張られており、ケースも付属することからこだわりがなければ別途購入の必要もない。
Xiaomi 13T ProはプロセッサにMediaTekのDimensity 9200+を採用している。MediaTekの最新プロセッサであり、今でも非常に高い性能を有している。基本性能はSnapdragon 8 Gen 2に迫る性能を持つため、原神の最高画質でも比較的快適に遊べる部類だ。
Dimensity 9200+を採用する
原神も快適に遊べる
スピーカーはステレオ構成だが、Xiaomi 12T Proにあった独立グリルは廃されている
本体バッテリーは5000mAhのものを採用。Xiaomi 12T Proと同様に120Wの急速充電にも対応し、19分でバッテリーを満充電可能だ。
120Wの充電規格はUSB-PDなどの汎用規格ではなく、中華メーカーに多い独自のモノだ。うれしい点は充電器が付属するので、購入したらすぐ試せる。また、Xiaomiの充電器はなぜかPD出力も可能なので、他メーカーの機種でも性能を落とさずに利用できる。
本機種はXiaomiの「Tシリーズ」としては初のIP68防水に対応したものとなる。先行して販売されていたXiaomi 13シリーズに続く形となり、より使いやすくなっている。
本機種は日本向けではFeliCaを採用しており、おサイフケータイなどが利用可能だ。防水も合わせてXiaomiのハイエンドモデルも日本で利用しやすくなる点はありがたいものだ。
価格もかなり攻めたXiaomi 13T Pro ソフトバンクでは規制前に「実質24円」
Xiaomi 13T Proというスマホ自体は、コストパフォーマンスに優れたスマホだ。今回は強気をアピールしたXiaomiの新商品発表会の目玉にふさわしく、このスマートフォンもかなり攻めた価格設定となった。
オープンマーケット版は10万9800円とし、ソフトバンク版は11万4800円となっている。Xiaomi 12T Proと比較すると前者では容量が倍増されたまま価格は据え置き、後者では3万円近く安くなっている。円安が進んだこの状況でこの価格を維持した点は高く評価したい。
加えて、ソフトバンクでは規制前の駆け込みでXiaomi 13T Proを「実質24円」で提供するとした。高い性能を持つ機種ながら手ごろな価格設定としたことで、より多くの方に手に取ってもらいやすい環境がそろっているのだ。
また、iijmioものりかえで一括7万2000円としたり、Amazonのブラックフライデーセールで9万4800円と安売りされるなど、オープンマーケット版もセールによって各所で高いコストパフォーマンスを持つ機種として販売している。
また、今回レビューでは触れていないKDDI専売の「Xiaomi 13T」は7万4800円。メーカーのキャッシュバックと機種変更でも割引が入り、機種変更で5万300円となる。Google Pixel 7a以上に競争力のある製品に仕上っている。
他に惜しいところと言えば、Dimensityプロセッサを採用したことで、aptX Adaptiveといったオーディオコーデックには非対応となっている。この辺りはPixelやGalaxyと同じようなものと思ってもらえれば幸いだ。
もう一つ懸念点としては、ソフトウェアアップデートの遅さだ。これは日本版のXiaomi 12T Proの際に指摘されていたもので、特に直販モデルは直近までAndroid 13(MiUI14)へのアップデートがなかなか行われず、ユーザーからは不満を買っていた。
FeliCaやeSIM対応の独自ハードウェアだからこそ時間がかかる点は理解できるが、この辺りはしっかりと対応してほしいところだ。
そんなXiaomi 13T Proは日本で20万円近い価格で販売されるハイエンド機種と比較しても、スペックで劣る点は少ないものとなる。明るくて綺麗な画面、きれいに撮影できるカメラ、120Wの充電体験といった要素をしっかり備えており、他社製品との差別化も図られている。
加えて、今まで足りなかった防水とFeliCaをしっかり載せたことで、より競争力を持つ製品に仕上がっている。
また「神ジューデン」となる120W充電は日本発売機種ではこの機種を除くとXiaomi 12T Pro、Xiaomi 11T Pro、POCO F4 GTの3機種が対応モデルとなるなど、数自体は決して多いものではない。しっかり差別化できている要素だと感じる。
この冬、要チェックな1台だ
普通に使うもヨシ、往年のXiaomiのスマホらしく各種カスタマイズして利用するもヨシ。Xiaomi 13T Proはこの冬、性能的にも、機能的にも、カメラ性能も満足に利用できるハイエンドスマートフォンだ。