どうもこんにちは。これまで使ったスマホは300台以上。生まれはギリギリZ世代のライター はやぽんです。さて、ASUSが「最強」のゲーミングスマートフォンとして展開しているROG Phoneシリーズ。その最新世代がROG Phone 7だ。既に日本で販売されてから久しい機種となるが、今回入手できる機会があったのでレビューしたい。
- タッチの遅延を極限まで抑えたディスプレイ。より明るく見やすく進化
- 高い性能を持つSnapdragon 8 Gen 2搭載!今もなお高い性能を見せつける
- 強力なアシストが売りのゲーミング機能は一度使えば手放せない
- 5000万画素の高性能なカメラは思ったよりも使える。
- ゲームだけでなく、普段使いでもそこそこ使えるROG Phone 7
タッチの遅延を極限まで抑えたディスプレイ。より明るく見やすく進化
ROG Phone 7の特徴は、165Hzのリフレッシュレートに対応したディスプレイを採用している点だ。ディスプレイサイズは6.78型AMOLED(有機EL)となり、解像度はFHD+だ。最大165Hzのリフレッシュレートをサポートし、720Hzのタッチサンプリングレートのほか、HDR10/10+、Delta-E<1の色彩制度などをサポートし、表面ガラスには、Gorilla Glass Victusを採用する。
画面タッチの遅延を極限まで抑えたディスプレイとしており、遅延は公称値で23ms(0.023秒)とトップレベルだ。これをはじめとした基本的なスペックはROG Phone 6と同じだが、画面輝度が1500nitと明るくなった。これによって屋外での画面視認性が向上している。
画面は6.78インチと大型だ。画面にはノッチやパンチホールインカメラ等はなく、ゲーミングに配慮した形だ
高い性能を持つSnapdragon 8 Gen 2搭載!今もなお高い性能を見せつける
ROG Phone 7のプロセッサはSnapdragon 8 Gen 2を採用している。2023年に発売されたハイエンド機の多くに採用されているもので、従来よりも高い性能と省電力化を達成したチップセットだ。
メモリには高速なLPDDR5X規格のものを採用。ストレージについてはUFS4.0規格のものを採用し、高速な読み出しが可能になっている。容量は256GBまたは512GBを選択できる。
今回のレビューにおいて、いくつかゲームを遊んでみたが、パフォーマンスに全く不満を感じない。Snapdragon 8 Gne 3の登場でひと世代前になるとはいえ、高性能なチップセットに高速ストレージなこともあり、近年出ている重量級なゲームでも余裕の動作だ。
ROG Phone 7では独自構造のベイパーチャンバーをはじめとした強力な冷却機構を備えている。この冷却機構のおかげで高いパフォーマンスを発揮できるのだ。
これに加えて、外付けの強力な冷却ファンを組み合わせれば、高性能を維持したまま本体の発熱も長時間抑えられる。
高負荷な原神も最高画質で快適に動作する。
ROG Phone 7 ミリシタ
— はやぽん (@Hayaponlog) 2023年12月27日
Snapdragon 8 Gen 2 メモリ16GB
難易度MM ノーツスピード:195 タイミング:-1
反応は良好。それにしても相変わらず本体スピーカーの音がいいですね。 pic.twitter.com/7xIwawWmnn
リズムゲームも動作は快適だ
本体スピーカーはステレオ構成だ。従来よりも筐体内部の設計を見直すことで音量を50%増しにすることができたという。実際、サウンドについては見直された筐体設計もあってか、スマホのスピーカーにしては音質も抜群に良い。元々大きかった音量自体も、下手なアクティブスピーカーと大差ないくらい大きくなっている。
本体バッテリーは6000mAhと大容量のものを採用している。バッテリーセルを3000mAhと3000mAhのふたつに分割し、中央にCPUを配置することで、充電制御や熱処理の最適化を図っている。セル分割は充電時間の短縮にもつながっており、65Wの急速充電に対応。最短42分でフル充電できるという。
電池持ちについては、従来機と比較してもかなり向上した印象だ。Snapdragon 8 Gen 2採用で消費電力が抑えられているのだ。 実際に原神のようなゲームを2時間遊んだり、30分の動画撮影などを加えても、モバイルバッテリーなしで1日利用できた。
ROG Phone 7では「Zen UI」というカスタムUIを採用している。競合するAndroidスマートフォンよりもカスタム度が高いものとなっているが、ベースはSIMフリー端末で採用例も多い「AOSP」と呼ばれるものだ。
ホーム画面などはAOSPに近いものとなっており、クセは少ない。
強力なアシストが売りのゲーミング機能は一度使えば手放せない
ROG Phone 7はゲーミングスマートフォンなだけあって、ゲーミングにまつわる機能は充実している。特に専用のゲーミングモードについては、KunaiPad 3をはじめとしたキーパッド等の各種アクセサリーやエイムアシストといった機能を設定、管理可能だ
ゲーム時は画面横から各種メニューや設定を呼び出せる。
スクリーンのタッチ感度の調整の他、GPUのアンチエイリアス精度をハードウェアレベルで調製できるなど、ゲーミングスマートフォンらしい面白い機能が備わる。
また、本体側面には超音波センサーとなる「AirTrigger 7」を配置し、側面タップのほかスライド操作などの設定した操作ができる。本体を左右に動かしたり傾けたり振ったりすることを含めた10のジェスチャーもサポートしており、より高度なゲームプレイができるという。
本体側面にL/Rトリガーを備える
特定のコンテツにはプリセットも存在する
そしてROG Phoneと言えば合体要素も含めた拡張アクセサリーだ。今回は純正空冷ファンとして、サブウーファーやイヤホンジャックを備えた新型ファンの「AeroActiveCooler 7」がある。ただ、このファンは上位モデルの「ROG Phone 7 Ultimate」のみに付属するもので、単品販売は行われていない。そのため、通常のROG Phone 7 では前モデル用の「AeroActiveCooler 6」がそのまま利用できる形だ。
また、「AeroActive Cooler 6」を使用することで、継続して高いパフォーマンス性能を維持するモード「X MODE+」が利用できる。この「X MODE+」では、CPUとGPUを最大クロックに固定するほか、ディスプレイのリフレッシュレートを高い数値で固定することもできる。高い処理性能を長い時間持続させるチューニングだ。
本体デザインもROGブランドにそったデザインだ。今回はファントムブラックとストームホワイトの2色が展開され、どちらも本体上部がトランスルーセントなデザイン意匠へ変わる特徴的なものだ。
本体はROGブランドらしい意匠のデザインだ。今回はストームホワイト
空冷ファンを取り付けられるセカンダリーのUSB端子を備える
5000万画素の高性能なカメラは思ったよりも使える。
ROG Phone 7では3眼のカメラを採用している。メインカメラのセンサーにはソニー製のIMX766を採用しており、センサーサイズも1/1.56型とこの手のスマホとしては大型だ。この他には超広角カメラとマクロ用カメラを備えている。カメラのスペックは以下の通りだ
メインカメラ:5000万画素 f1.9
超広角カメラ:1300万画素 f2.2
マクロカメラ:500万画素フロントカメラ:1300万画素
3眼カメラを備える
ゲーミングスマホとしてはカメラ性能を強化したROG Phone 7だが、以下作例となる。基本的にオートで全て撮影した。
ここまではメインカメラでの作例となる。センサーのスペックもさることながら、Snapdragon 8 Gen 2の高い性能もあって思ったよりも綺麗に撮れている。
超広角カメラはそこそこ撮れるが、基本性能が低いのでメインカメラに比べると若干劣る
暗がりでは見た目よりやや明るめに撮れる印象。オートで夜景モードになったが、緑色は少々彩度高めに写るチューニングのようだ
動画撮影については光学式手ぶれ補正を備えないため、少々厳しいように感じた。本体も239gとそこそこ重量があるので持ちにくいという印象も感じた。
ゲームだけでなく、普段使いでもそこそこ使えるROG Phone 7
ROG Phone 7はゲーミング機能に限らず、「普段使いのバランスの良さも捨てがたい」と考えるユーザーにお勧めのスマートフォンだ。特段ゲーミングスマホらしいクセも抑えめで、通知周りはゲーミングモードにしない限りは普通に利用できる。
加えてカメラ性能も以前に比べて向上しており、ゲーミングスマホながら比較的綺麗に撮影できる点も好感が持てる。IP54の防水性能を備えるなど、ゲーミングに特化しすぎないバランスの良さも魅力だ。システムアップデートについては、過去の機種も2年間はされていることから比較的安心して利用できる。
もちろんゲーミングスマホらしい要素も備えており、ちゃんと本体は光る
ROG Phone 7はゲーミングスマホとしては珍しくIP54の防水性能を備えている。イヤホンジャックもしっかり備えるため、従来よりも安心して利用できる。
最後になるが、ROG Phone 7の価格面は12/256GBの構成で12万9800円、16/512GBの構成では14万9800円。背面に小型ディスプレイを備える上位モデルのROG Phone 7 Ultimateは空冷ファンが付属する関係で17万9800円だ。
市場に出ているSIMフリーのハイエンドスマホの中では高価な設定となっている。それでもここまでゲーミングに特化した機種はそうなく、ある意味唯一無二の存在だ。
ROG Phone 8シリーズの発表も秒読みとなる中、場合によってはROG Phone 7は比較的安価に購入できるゲーミングスマホになるのかもしれない。筆者としてはこのスマートフォンを手にして、今現在における究極のゲームエクスペリエンスを体験して欲しい。