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【レビュー】50本以上イヤホンを持つオタクを唸らせた「intime 碧(SORA) Ti3」の音を知らないのはもったいない

どうも

 

 

またか?と思うかもしれませんが、今回もイヤホンです。

 

 

このイヤホンを布教した連中に感謝の気持ちだけは伝えておきたいですね。

 

出会わせてくれてありがとう

 

 


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今回はO2aid  intime 碧 Ti3です。

 

 

 

 

これは何?

 

 

intimeブランドで展開されているイヤホンです。

こちらは碧(SORA)シリーズとして展開されており、そのフラッグシップとも言えるイヤホンです。

 

 

構成はダイナミック+VST(ピエゾツイーター)のハイブリッド構成で、チタン合金のハウジングやHDSS(R)と言った音響最適化技術なども注ぎ込まれたモデルです。

 

そもそもこのO2eidというメーカーさんは「圧電デバイス」の研究開発、コンサルを主とするもので、その中に「圧電スピーカー」の設計支援と言った実績を持つメーカーさんと言えます。

 

その圧電スピーカーの難点であった「固く刺さる音」を素材等から見直して再設計したのがVSTというものになります。

 

 

確かに高級機には搭載例もありますし、最近では中華イヤホンなどでも「ピエゾドライバー」を積んだモデルは出てきました。

 

日本においてはこのintimeが非常に頭角を出してるように感じます。

 

 

エントリーモデルの碧 Lightが非常に人気で、ハイエンド機のTi3を含めても構成的にはほとんど同じです。

まぁ、碧 Lightに関しては5,000円以下と言う値段設定もなかなかチートですが…

 


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パッケージも高級感があって良い


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本体ハウジングはチタン合金です。

イヤホンの窪みの位置で左右がわかるのは非常にユーザービリティが高いと言えます。

 


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付属品のケースとイヤーピース

プラケースに入ってるのがまたいいですよね。

 

 

聴いてみた

 

今回の試聴曲はこちら

 

水着とスイカ/Run Girls,Run!

 

今週発売のランガちゃんのファーストアルバムから。

とても低域が気持ちの良い曲ですね。

この曲を聴く前にスノウ・グライダーを聴いて欲しい所ではありますが、まず聴いてくれ。

そしてスノウ・グライダーも聴いてくれ

 

歌詞のエモみが1000倍になります。もう、いいよ。

水着とスイカ

水着とスイカ

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スノウ・グライダー

スノウ・グライダー

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アイドルマスターミリオンライブより

Melty Fantasia/EScape

 

今回の試聴バージョンはSoloCollection 06のFairy Starsに収録されている北沢志保さん(CV.雨宮天)のバージョンです。

 

知り合いのオタクのせいもあって何度か溶けてる曲ですが、このバージョンはえげつない溶け方をしますよ。

 

Melty Fantasia

Melty Fantasia

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アイドルマスターシンデレラガールズより

NUDIE★/城ヶ崎美嘉(CV.佳村はるか)

 

通称「すっぽんぽんのうた」です。

音数がかなり多い曲なのでベンチマークとしても有用でしょうかね。

名古屋で聴いた埼玉ギャルズのバージョンはいつ音源出るんですかね????

NUDIE★

NUDIE★

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何もない私には/田所あずさ

 

いつものです。

 

何もない私には

何もない私には

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プレイヤーはAK300にて

 

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ファーストインプレッションとしては「こんな小さいのにこんな音が鳴るの?」という素直な感想でした。

 

 

音は濃く耳にダイレクトに入ってくる情報量を持ちながら非常に抜けが良く、聴き疲れしない点は特筆できるでしょう。

 

傾向としてはやドンシャリと言った所でしょうか。

 

なんでしょうかね。非常に抜けが良くて聴きやすい。

 

高域はVSTのおかげか非常に抜けが良いです。

突き抜けていくような爽やかさと言うよりは「吸い込まれるような」という表現が良いでしょうか。

ピエゾ独特の刺さるような高域ではないところがVSTの開発思想とおりですごいです。

この抜けの良さはツイーターBAを積んだモデルの持つ抜けの良さとはまた違いますね。

 

ボーカル域は定位がやや近めなのが印象的でした。

さ行の刺さりもほとんどなくゆったりとしてるのが特徴的で、長時間聴いても疲れないのがポイント。 

 

個人的にはもう少し遠くてもいいかなと思ったところ。

複数人歌唱だとわちゃわちゃ感はどうしても…ありますので。

 

 

低域はしっかり出てきます。あのサイズの筐体に収まる10mmダイナミックながらメリハリのある低域が出てきてびっくりです。

量感はやや多めに感じるでしょうか。特段ブーストしてるような感じは無いですが…

 

 

空間表現が非常に上手いイヤホンと言えますね。

広域の抜け、ボーカル域の定位、低域の質感。これらのおかげで自然な空間が表現されていると感じます。

 

それとハイブリッド構成ながら非常に繋がりが良い点もいいですね。非常になめらかなサウンドです。

 

気になったことといえばこのイヤホンもやや音量が取りにくい部類だなと思ったところ。

 

 

 

総評

 

 

久しぶりに度肝を抜かれたイヤホン

 

 

度肝を抜かれたと書いたのは「非常に聴いてて楽しい」点にあるだろう。

 

だが、Finalのイヤホンのような「面妖さ」やRHAのイヤホンにある「ノリの良さ」は抑えられてると言える。

その点で言えば癖は少ないと言えるだろう。 

 

今回は主に女性ボーカルの楽曲で聴いてるが、特に印象的に残ったのはNUDIE★だ。

 

というかこの曲の場合、高域にかなりの音数のある上に低域のレスポンスも求められる曲なので、必然的に碧 Ti3と相性が良かったように感じられる。

 

非常に「現代レコーディングの音楽」と相性が良い。そんなモデルと言える。

 

 

意外と万能選手かと思うが、そういう訳では無い。

生音の楽曲。特に管楽器のブレス感と言えるだろうか。

 

ここがやや固めの音でハウジングがチタン合金の割にはブレス感は非常に抑え目だ。

よく言えば「スッキリして聴きやすい」悪く言えば「音のリアリティに欠ける」と感じる。

 

言わば「音」や「音色」で聴かせてくるイヤホンではないという事だ。

 

しっかり「音楽」として楽しませてくれるイヤホンと言える。

 

そう捉えれば感じた点も納得は行く。

 

筆者は今までモニター系の固めで情報量の多いイヤホンばかり聴いていたこともあって慣れない音なのもある。

そのため、手持ちのイヤホンで近い機種を探そうにもぱっと出てこない。

 

感覚的に近いのはUERRやT3-02だろうか。

 

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環境の変化にも素直で、再生環境を変えると表情も常に変わる。

 

それが非常にわかりやすい機種と言えます。

 

個人的にはAK300で聴いた方が持ち味を出せていたと思う。

 

ある意味開発者の趣向が詰まった非常に完成度の高いイヤホンだと思いましたね。

intimeの公式サイトに開発思想が載ってますが、その思想が非常に反映されているイヤホンです。

 

 

惜しかった点はややフィッティングに難がある点でしょうか。

 

付属品でATE07がイヤーピースとして付きますが、どうも私には合わなかった。

 

耳の奥に入れるならトリプルフランジのようなものがオススメですね。

手持ちでイヤーピースがゴロゴロある方はさておき、できれば試着しておくと良いでしょう。

 

 

 

 

反則とも言える値段設定 

 

ちなみにお値段は2万円ほど

 

正直この音で2万円は卑怯だと思うくらい…安いです。

チート級?言われてもおかしくはないでしょう。

 

 

 

素直に「O2aidさん潰れない???大丈夫????」と思いました。

 

これは開発思想にもあった「頑張れば手の届く値段設定」にしたからだと言う。

 

確かに、この値段ならイヤホンに興味がある方にも訴追できる魅力がある。

 

先日レビューしたKXXSもなかなか素直なイヤホンではあったが、楽曲によってはこちらの方が好みの方も多いだろう。

 

 

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このイヤホンにおいては敢えてリケーブルできる仕様にはしていない。

ケーブルも+側と-側で線材が違うくらいこだわっているレベルで、ケーブルまで含めた完成品だ。

 

今年には Ti3のバランス接続対応モデルも出ている。

こちらもケーブルをバランス接続用に再選定したもので、アンバランス版のTi3のプラグ換装をしても同じ音にはならないのだそう。

 

ちなみにintimeさんはプロトタイプや限定生産モデルも時折販売することもある。

これを買い漁るファンも多いという。

 

このTi3のバランス接続対応モデルも限定生産品ということだ。もちろん2.5mmと4.4mmの両方ある。

 

ちなみにこのバランス接続対応モデルも3万以下だ。この音が好きなら買っても良いだろう。

 

 

最後に

 

 

このイヤホンのポジションは非常に面白いところだ。

イッタランドで多くの方が絶賛していたが、その理由はやはり聴いてみて納得出来た。

 

非常に完成度の高い音で、この価格帯におけるリスニングイヤホンではひとつ頭抜けたサウンドクオリティであることは間違えない。

 

私としてはリスニングイヤホンは「イヤホンの沼でも別の沼」と考えていただけに動向はほとんど追っていなかった。

 

それだけにFinal Eシリーズの登場やTFZの音が良いらしい…その辺で認識的にも止まっていた。

 

気がついたらMOONDROPと言った中華イヤホンは日本でも正規販売されているし、intimeと言った新規のブランドも現れてきた。

 

 

各社ハイエンド機が10万オーバーとなる中、このintime 碧 Ti3はフラッグシップとしては2万円ちょっとと価格面でも非常に安いといえる。

 

頑張れば手の届く価格」を目指した開発思想は本当にありがたい。

 

 

私のようなどうしようもないオタクではなく、ちょっといいイヤホンに興味がある方が手出しできるような価格設定だと思う。

 

彼らが感じるの最初の壁は「イヤホンに1万以上出せるか」という価値観だと思う。

きっと10年くらい前の私もそうだったんでしょう。

 

でもこのTi3は「頑張っても買いたい」と思わせてくれる魅力があるように感じます。

 

筆者みたいに手元に50本ほどイヤホンがあるどうしようもない人は「こんなの実質無料」「持ってないと損」とか言うのであてにしない方がいいです。

 

怖いのは買ってしまった今や「この音は義務教育」「なんで買わないの?」とか第三者に対して抜かしており、手のひらがMMCXコネクタもびっくりなくらいクルクル回転するオタクとなってしまったことです。

 

 

安くていい物はみんな中国や韓国のモデル…いえいえ。日本メーカーでもしっかり「安くていい物」ありますよと肌身で感じた機種だった。

 

 

たぶんこの音。私のようなイヤモニのオタクが聴くと結構ハマると思います。

 

 

いやーこの音には参りましたね…

 

いいですよ。オススメです。

 

予算2万円くらいでイヤホン考えてる方には文句なしで奨めて良いと思いますよ。

 

個人的にはSONYのMDR-EX800STを推したいところではありますが、たぶん碧 Ti3や「とりあえずビール」のKXXSの方が多くの人はスイートスポットにハマると思います。

 

 

 

 

 

 

 

SONY INNER EAR MONITOR MDR-EX800ST

SONY INNER EAR MONITOR MDR-EX800ST

  • メディア: エレクトロニクス
 

 

 

 

 

ほんと、今純粋な気持ちでイヤホンに興味を持てる方…羨ましいです。

 

 

 

それでは