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Huawei Mate 30 Pro レビュー Googleが使えないことがあまりにも惜しい。それでもカメラ性能、端末の完成度の高さに納得の1台

 どうも。12月に行ってきた電脳フリマ。山根博士とAyanoさんのブースのほぼ香港の屋台やライターさんたちのが各々怪しげなグッズ、掘り出し物を出してたりしたのを買ったりしてきた。そのなかでも、なかなかクレイジーな端末との出会いもありましたので、今回はこちらをレビューしてみることにする。

 

 今回はHuawei Mate 30 Pro 5Gだ。しかも国内版な上に初回限定版。このクソデカパッケージは予約者限定で100セットしか出回ってないレアものなのだ。目の前で値引かれてしまっては誘惑に勝てませんでした。

 

 

 

Huawei  Mate 30 Proはどんなスマホ

 

 ファーウェイが2019年に発売したフラッグシップスマートフォンだ。日本ではごく少数がオープンマーケット向けに販売された。決して安い値段とは言えない上に、国内5Gサービスインが諸外国より遅れたこともあって、発売が2020年4月とだいぶずれ込んだのが印象的でした。スペックはまとめるとこんなところだ。

 

SoC Kirin 990 5G

メモリ:8GB

ストレージ:256GB

 

6.6インチ ホライゾンディスプレイ

FHD+解像度

 

カメラ

広角:4000万画素 f1.6

超広角:4000万画素  f1.8 Ultra Wide cine Camera

望遠:800万画素 f2.4 3倍望遠

Tofセンサー

 

バッテリー:4500mA/h

 

 

音量ボタンを削るまでカーブを描くMate 30 Proのホライゾンディスプレイ

 

 Mate 30 Proの特徴としてはこの極限にまで曲面を貫いたディスプレイだ。ファーウェイでは「ホライゾンディスプレイ」と表記しており、88度の角度でカーブを描いている。

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 正面から見ると側面のベゼルが無いように見えるもので、エッジディスプレイを突き詰めた究極系とも言われるものだ。同時期にVIVO NEX 3の上位モデルも似たような構成となったことから、当時のトレンドのようなものだ。

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 故にこの機種には物理的な音量ボタンが存在しない。エッジ部をダブルタップすることで音量バーを呼び出すものになっている。ボタンに縛られない自由度の高さは強みだが、後継機で採用されなかったことを考えると、やはり物理フィードバックのあるボタンはあったほうが良かったと思う。

 ちなみにスクリーンショットはファーウェイお得意のナックルジェスチャーで撮影できる。指の甲でダブルタップすれば撮影が可能だ。

 

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 写真右上のシャッターボタンを好きな位置に配置できるのは良かった。カメラのように構えて撮影できる点も、カメラ性能を強化したファーウェイのスマートフォンなだけあってありがたいものだ。

 

 

 

P30 Proの暗所性能を引き継ぎ、さらに動画撮影に重きを振ったカメラ性能

 

 発表当初「異次元」と言われた暗所性能を持った同社のP30 Proの暗所撮影性能、ライカライセンスのカメラ性能をMate 30 Proではそのまま引き継いでいる。

 

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 このMate 30 ProではP30 Proにあったペリスコープ望遠を廃し、3倍相当の望遠を備えるものにしている。この部分はざっくりでいえばP30相当になる。超広角カメラは16mm相当の超広角レンズから、Ultra Wide Cine Cameraという18mm相当のものに変更されている。 
 実はMate 30 Proはメインカメラよりも、超広角カメラのほうがセンサーサイズが大きいものになる。センサーはIMX608ってやつでしたかね。発表時は7620fpsのスーパースローモーション、リアルタイムぼかし、4K HDR+撮影、最大ISO感度51200での動画撮影など度肝を抜かされまくった記憶がある。

 

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Mate 30 Proで何枚か撮影してみた。発売から年数は経つものの。今なお見てもライカとコラボレーションしているHuawei のスマートフォンだからこそ、撮影できる写真のクオリティの高さは健在と言える。

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 このMate 30 Proは超広角カメラがRGGB配列、それ以外はRYYB配列と異なる仕様のイメージセンサーを積んでいることから、画角によって色が若干違うのもポイント。画角によって色味が異なるなどの問題点はあったが、後のP40シリーズではカラーセンサーを別途搭載して多少なりは改善されている。

 

 特にP30シリーズやP40シリーズはRYYBセンサーがメイン故に黄色が強めに出る傾向があるが、Mate 20 ProまではRGGBセンサーがメインとなるため、そのような傾向もなく自然に撮れるのも特徴だ。

 

 

普段使いでも全く不満を感じさせないハイスペック

 

 基本スペックとしても、HiSilicon Kirin 990 5Gにメモリは8GBとスペック不足は感じさせない。Kirin 990 5Gはもう3年前のSoCということもあって、さすがに時代相応の不足感は感じるようになってはいる。ゲームなども「最高画質」などを求めなければ原神クラスも普通に動作する。

 

 発売当時は日本のSub-6帯域を完全網羅した数少ない5Gスマートフォンであり、発売が4月になったのはファーウェイとしても日本の5Gサービス開始後の投入と明かされていたのもある。Mate 30 Proでは無接点充電やリバースチャージ、画面内指紋認証にも対応しているので、今なお使ってても見劣るすることのない端末となっている。

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 デザインもある意味で「カメラ」を意識したものになっている。日本ではこのレザーしか販売されなかったが、海外モデルでは多くのカラーバリエーションと共に展開されている。

 

最後に、制裁が明暗を分けた悲運なフラッグシップ

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 端末としての完成度はかなり高いMate 30 Proだが、Google非対応のスマホになってしまったことがあまりに足かせと言えるだろう。

 こればかりは2019年の8月にアメリカの制裁が強化されたことが大きく、ファーウェイとしても初の「Googleサービスなしでのグローバル展開」という苦渋の決断を強いられたのは記憶に新しい。

 

 非公式でGMSを導入するやり方もあるが、そもそもそのようなことを別途消費者に要求させなければ、まともに使えないのでは人に勧めるところには至れない。某メディアが「GMSなくても割り切れば快適に使える」と評した例もあるが、多くのサービスがGoogleと紐づく日本においてはあまりに使いにくい。

 デフォルトでYoutubeアプリもない、Chromeの履歴の同期もできない、アプリによっては起動しない、課金システムがほぼ使えない。そのようなスマホを快適に使うことは無理があるかと思われる。

 

 これは過去にWindows PhoneやFirefox OSスマホにBlackBerryをはじめとし、Sailfish OSにUbuntu TouchやFire PhoneというマイナーOSスマホを実際に使ってきた身としても言えるものだ。例えば、BlackBerry版LINEは特定のスタンプには最後まで非対応であり、Windows Phone版LINEもいくつかの機能に制約があった。普段使ってるアプリがない。機能が足りない、制約があることはこれほどまでに使いにくいのだ。

 

 いくら純正のApp Gallaryでアプリをダウンロードできると言えど、Twitterの公式クライアントはおろす、LINEすらないストアが日本でどれだけの影響力があるものかと。アプリのサイドロードがほぼ前提となるため、セキュリティ的にもあまりよろしいとは言えない。そのため、どれだけモノが良くても「普通に使うにはあまりに不便」という感想が一番色濃く残った形だ。

 

 また、カメラ性能は高いものの画面解像度は昨年のMate 20 Proに劣るなど、必ずしも前機種の完全上位互換とは至れなかった。

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 さて、純粋にMate 30 ProというハードウェアとEMUIに限って話をするなら最高クラスに洗練されたハードウェアだ。ホライゾンディスプレイは今見ても古臭さを微塵も感じさせず、カメラ周りに円を描く意匠は後に発売されたスマホでも類似したのが出てくるくらいには、洗練されたデザインだったと感じます。

 スペックも上で書いた通り、実用するうえで大きな過不足を感じることは少ない。カメラ性能は依然として、市場でも現行ハイエンドとも大きく見劣りしないスペックを持ち、動画の撮影性能に関してはトップレベル。

 バッテリー持ちはGoogle系サービスがないためかなり良く、高規格の無接点充電、完成度や連携性で優秀なEMUIも評価できるポイントだ。仮にもGoogleが使えていれば...と思わせる完成度の高いスマホであることは否定しない。

 

 ちなみに日本版のMate 30 Pro 5Gは2020年3月16日発表となり、100台限定の先行販売で28日から。一般販売は4月中旬となっていた。

 さてさて、このブログをよく見に来る方はなんとなくピーンときますよね。そう、P40シリーズのグローバル発表が2020年3月26日。P40 ProとP40に関しては同年4月9日に欧州域内で発売となっていたのだ。グローバルでの発売から半年以上が経過して、カメラ性能に関しては完全上位互換が現れた。もう少し日本の5Gサービスインが早ければ...と思うところでもありました。

 

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それでは