どうもこんにちは。話題のiPhone SE 第3世代を買ってみましたので簡単にレビューしていきたい。
- iPhone SEというスマホをざっくり言うと
- 5G対応iPhoneをよりお求めやすく。最新技術でより使いやすくなったiPhone SE(第3世代)
- 日本でも売れると…思いきやいきなり立ち位置が迷子のスマホになったiPhone SE(第3世代)
- 最後に。iPhone SE(第3世代)は令和版ガラケーといえるスマートフォンだ
iPhone SEというスマホをざっくり言うと
2016年 3月31日のことだ。iPhone 5Sの皮をかぶったiPhone 6Sとも言える、コンパクトでパワフルなiPhone SEというスマホが発売された。「SE」というのはSpecial Editionの略称であり、値段も400ドル〜安価だったことから日本をはじめとして多くの地域で人気を博した。
iPhone SEはコンパクトながら当時最新のiPhone 6Sと大きく変わらないスペックということもあって、世間の注目度も高いものだった。日本では大手3キャリア以外でも、Appleストア、ワイモバイル、UQモバイルでの取り扱いもあった。発売からまもなく6年が経とうとする現在でも、以下の理由もあって今も根強いファンが多い。
最新OSであるiOS15が利用できる点
コンパクトな筐体である点
故スティーブ・ジョブズ氏のデザインしたiPhone 5と同等サイズをもつ最後のiPhoneである点
最後の3.5mmイヤホンジャック搭載iPhoneである点
それから4年が経った2020年には、再びiPhone SE(第2世代)が登場した。こちらのサイズは慣れ親しんだiPhone 6と同じものとなり、デザイン的には2017年発売のiPhone 8とほぼ同じものになる。スペック的にはiPhone 11と同じApple A13が採用されているが、メモリ量やカメラ性能などで差をつけられた。
一方で値段については、日本において最小構成が5万円を切る価格設定だったこともあって、年々値段が高騰するiPhoneにおいて「安くて最新のiPhone」という不動の地位を確立した。細かいところではeSIMに対応し、このサイズとしてはデュアルSIM対応となる。直近でも大きな割引をされて販売されていたことから、多くの方々が手にしたスマホと言えるでしょう。
5G対応iPhoneをよりお求めやすく。最新技術でより使いやすくなったiPhone SE(第3世代)
ここまで前置きが長くなったが、ざっくりとiPhone SE(第3世代)のスペックを見ていきましょう。
SoC:Apple A15 Bionic
メモリ:4GB
ストレージ:64/128/256GB
画面:4.7インチ Retinaディスプレイ
カメラ:背面1200万画素
フロント700万画素
バッテリー:2018mA/h
5G対応、Touch ID搭載
価格:日本円で57,800円より
一言でいえば「iPhone SE(第2世代)を5G対応にしたヤツ」と考えて良い。それ以上に評価するポイントはない。プロセッサはApple A15を搭載したことで、iPhone 13相当のスペックを持つ。メモリも4GB搭載なので、普通に使う上でスペックがネックになることはないではずだ。
iPhone SE 第3世代
— はやぽん (@Hayaponlog) 2022年3月19日
ミリシタ 難易度MM 3D高画質
タイミング ±0
第2世代のA13 メモリ3GBの構成でも十分快適なのに、A15 メモリ4GBとなれば差はほとんどわからない。
とりあえず最適化もされている?と思われるので端末課金としてはいい端末です。 pic.twitter.com/hPjtzFfl2G
試しにミリシタをプレイしてみましたが、動作で困ることは無かった。バッテリー容量は前作より10%ほどアップしており、2018mA/hとなっているようだ。Apple A15なのもあって電池持ちもいいかな…と思ったら、iPhone 13 miniよりは体感的には悪い。これでもiPhone SE(第2世代)よりはマシと感じるが、使い方によっては誤差のレベルとも言え、電池持ちに関してはあまり良くなく惜しいところだ。売りの5G対応はSub-6のみの対応となる。通信周りではデュアルeSIMに今回は対応しており、その辺りも柔軟に使用できるように進化した。
カメラ性能はiPhone SE(第2世代)と全く同じハードウェアとなる。それでも、Apple A15に由来する機能が一部利用できるため、クオリティや使い勝手は向上した。以下何枚か作例を示す。
1枚目 iPhone SE(第3世代)
— はやぽん (@Hayaponlog) 2022年3月20日
2枚目 iPhone 13 mini
これはハードウェアスペックが分かりやすく出たな pic.twitter.com/PZ1dF5sPAG
さすがにこのような被写体では、iPhone 13シリーズとはハードウェア的にも劣るためこの辺りの写りにはは差が出る。センサーサイズの違いなどが影響している。加えて、今作ではiPhone 13シリーズで利用可能なフォトグラフスタイルがこのiPhone SE(第3世代)でも利用可能だ。
オリジナル
フォトスタイル:トーン 45 暖かみ-25
フォトスタイル:トーン 70 暖かみ+20
フォトスタイルトーンはある意味でマニュアルモードチックなもので、このように簡単に色味を変更して撮影ができる。意外かもしれないが、iPhone SE(第3世代)では夜景モードが利用できないのでそこは注意点だ。
今回チョイスしたカラーはミッドナイトだ。黒系ながら前作のような漆黒ではなく、どちらかと言えば紺色に近いものになる
本体サイズもiPhone SE(第2世代)から全く変わらない。代わり映えの無いサイズには安心感を覚える
日本でも売れると…思いきやいきなり立ち位置が迷子のスマホになったiPhone SE(第3世代)
この3月18日に発売されたiPhone SE(第3世代)のキャッチコピーはLove the power.Love the price.となる。日本語では「手にしたくなるパワーを手にしやすく」の通りで、非常にお求めやすいiPhoneに仕上がっている。事実、以下に示す価格設定の通り、5G対応iPhoneでは最も安い価格となる。
iPhone 13 mini→86,800円〜
iPhone 12 mini→69,800円〜
iPhone SE(第3世代)→57,800円〜
商品としては無難中の無難なスマホなので、適切な容量のモデルを買えば失敗することはまず無い。何も考えずに買うスマホなら、間違いなくiPhone SE 第三世代を買っておけば安心だ。
ところが、日本市場においてはよりにもよって激アツの年度末商戦のど真ん中での発売。加えて、昨年から高額なはずのiPhoneを投げ売りするキャリアの流れもあり、市場はしっちゃかめっちゃかな状態となる。
影響は大きく、このiPhone SE(第3世代)ですら発売初日からMNP乗り換え1円で販売する状況になる。つまり、契約なしの移動機購入でも22,001円で購入可能ということになってしまう。現時点の価格をざっくりまとめると以下のようになる。
MNP/U22新規 一括価格(2022年3月現在)
iPhone SE(第2世代) 64GB→1円+商品券
iPhone 12 mini 64GB→1円+商品券
iPhone 12 mini 128GB→1円
iPhone 12 64GB→1円
iPhone 13 mini 128GB→9800円
iPhone SE(第3世代) 64GB→1円
iPhone SE(第3世代) 128GB 7201円
こんなクレイジーな価格設定では、Android端末のライバルどころか、同じiPhoneの中でシェアの奪い合いをしてる状態だ。加えて、1円で買えるiPhone 12シリーズとかいう現行ストア販売される上位モデルもある。そのため、iPhone SE(第3世代)が出てきたところで、前者はプロセッサ性能では優っていても、カメラ性能やバッテリー性能では後者のiPhone 12が優位だ。
加えて、上位モデルのiPhone 13 miniが+3000円ほどでアップグレードできるような状態となるので、歪な日本市場ではiPhone SE 第3世代はいきなり存在が迷子だ。
合わせて、このスマホは登場スパンが2年と早いことからiPhone SE(第2世代)からの買い替え促進にならない立ち位置だ。iPhone SE(第2世代)も十分に高性能であるため、わざわざこの機種から乗り換えるのなら5G対応に惹かれたくらいしか購入動機を思いつかない。一方で、5Gを求めるだけなら先述の通りiPhone 12/13シリーズがあるので、こだわりがなければこちらを選んだほうが無難だ。日本以外の地域では「安価な5G対応iPhone」と言うところで売り出してるiPhone SE 第3世代。iPhoneのシェアが高い地域では一層5G対応端末の普及の起爆剤になっていくと思われる。
最後に。iPhone SE(第3世代)は令和版ガラケーといえるスマートフォンだ
令和版ガラケー。スマホ時代のフィーチャーフォン。筆者はiPhone SEのことをそう呼ぶことにしている。正直、iPhone SE 第3世代のハードウェアにはなんら魅力を感じないのだ。先進性は皆無であり、デザインはトレンドとは真逆のものになる。
フルHDにも満たない画面解像度
画面上下にバカでかいベゼル
廃れたホームボタンが搭載
カメラも未だシングルカメラ
夜景モードすらない潔い構成
令和4年にもなってこんなスマホは、AppleのiPhoneだからかろうじて許されるのであって、Android端末を展開する他社が出したら大バッシングだ。そのため、ガジェットマニアの筆者目線で使ってても何ら面白くない端末だ。もう道具として完成しきっていて、つまらないのです。
ただ、スマホにおいて「変わらないもの」を求める方がいるのもまた事実。筆者みたいな人間が「つまらない」というスマホはだいたい世間一般で受け入れられる。操作感、サイズ感、主だった機能面は2016年発売のiPhone 7から変わらない。サイズだけで言えば、2014年発売のiPhone 6から何も変わってない機種が、先日発売のiPhone SE(第3世代)となる。
これはもう、なんと言うか令和版のガラケーだと思ってしまう。厳密にはスマホ時代のフィーチャーフォン…的なものと見て良いでしょうか。変わりゆくものの中に、変わらない良さがある。最新のスペックを今までと変わらぬ操作感で使いたいと言う人向けのスマホだ。
市場に多く出ているiPhone SE(第2世代)のスペックも決して低いものではないだけに、個人的にはあえて選ぶ選択肢ではないかな…と感じる。それでも、変わらぬ操作感を最新のスペックで使いたいと言う方には受けるのかなと考える。なので、こんな人におすすめだ。
・iPhoneを変わらぬ操作感で長く使いたい人
・今まで使ってきたアクセサリーを使いたい人
・ホームボタンに執着がある人
・無難にiPhoneが欲しい人
それでは