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【PR】【実機レビュー】スイッチで音をカスタマイズ可能なクアッドBAイヤホン HIDIZS MD4 レビュー

 中国 HIDIZS社は独自カスタムBA搭載、スイッチ機構でカスタマイズ可能な高音質イヤホンを5月31日に中国にて発表した。今回、メーカーより試聴機を提供いただきましたので、こちらを使用してのレビューとなる。


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試聴機となるので、製品版とは一部異なる可能性がある点には注意していただきたい。

 

HIDIZS MD4というイヤホンをチェック

 HIDIZS(ヒディス)は中国、深センに拠点を構える音響メーカーだ。主に音楽プレイヤーやイヤホン等のポータブルオーディオ機器を展開している。日本でもいくつかの商品が展開されているメーカーだ。同社の音楽プレイヤー AP80シリーズは安価ながらも高音質なことで注目を集めた商品だ。

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  AP80PROは2万円前後の価格ながら2.5mmバランス端子を備えるなど、安価にバランス出力が体感できることで注目された音楽プレイヤーだ。イヤホンもMS4という上位機種をはじめ、Amazonなどのセラーや専門店等で正規販売されている。MS4は3BA 1DDのハイブリッド構成となり、実売価格は2.3万円前後となる。

 

 さて、今回発表されたMD4はハイブリッド型ではなく、純粋なバランスド・アーマチュア型のイヤホンとなっている。メーカーのスペックの抜粋となるが、以下のようになる。

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ユニット構成:バランスド・アーマチュア型

3way 4BA(Hi×1 mid×1 Low×2)

音圧感度: 102db±1 /1mw

インピーダンス:8Ω/1kHz

再生周波数帯域:20〜40000Hz(ハイレゾ認定取得) 

 


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パッケージは意外と大きいものだ


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箱を開けるとこのように本体が収納されている。今回提供頂いたものは青系の色となるが、他にも2色のカラーで展開される


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付属品はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピース、マニュアル、クリーニングツール、革製ケースとなる

 

 MD4のBAユニットはHIDIZS社向けカスタム品が採用されており、同社の求めるサウンドに仕上げている。加えて、スイッチによる音質チューニングが可能だ。

 本体にあるスイッチを切り替えることで、4パターンの音を切り替えることが可能だ。メーカーとしては「バランス」がリファレンスとなっており、高域ブースト、低域ブーストとウォームという設定が可能だ


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本体にあるスイッチを切り替えることでサウンドチューニングが可能だ。

 

 

ノリの良い音が特徴のMD4 スイッチ機構で楽曲に合わせて切り替えるのもアリ

 今回のレビューにあたり、以下の楽曲を試聴曲とした。

 

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会より

Eternal Light/Diver Diva

 

低域が効いてくる楽曲をチョイス。アニメのほうもぜひ。

Eternal Light

Eternal Light

  • DiverDiva
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

マクロスΔより

不確定性☆COSMIC MOVEMENT/ワルキューレ(Cover by ランカ・リー)

 

筆者の独断により、今回はランカ・リー(CV.中島愛さん)のバージョンを使用する。こちらの方がボーカルのわちゃわちゃ感がなく、評価の点では行いやすい。

不確定性☆COSMIC MOVEMENT

不確定性☆COSMIC MOVEMENT

  • ランカ・リー=中島愛
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

スロウリグレット/田所あずさ

 

いつものです。

スロウリグレット

スロウリグレット

  • 田所あずさ
  • アニメ
  •  
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 使用した音楽プレイヤーはソニーのNW-WM1AM2だ。加えてスマートフォンになるXperia 1IIIも使用した次第だ。

 

www.hayaponlog.site

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 以下の評価はスイッチ設定を「バランス」にて聴いた感想となる。この機種のサウンドを一言で言うなら「ノリの良い元気なタイプ」と感じた次第だ。美音系と呼ばれるイヤホンとは異なり、解像感が高くてノリの良い音となる。いわゆる質の良いドンシャリと言えるものだ。そのため、楽器の音色を楽しむような機種ではないと言える。

 

 特定の音域が不自然に感じたり、極度にさ行が刺さるといったこともなく、非常にうまくチューニングがされている。楽曲による得意不得意はあると思うが、聴き疲れしない程度の解像感を持つ機種となるため、比較的長時間のリスニングでも苦になる点は少ない。金属筐体の付帯音もかなり抑えられていると感じる。

 

 メーカーのプレスにもあるように、独立式のオーディオトランスミッションを採用している。こちらは音響ダクトがそれぞれのBAユニットに繋がっているもののことを指す。

 この機構はユニットの音が耳元の直前まで混ざることがないことが利点となり、プロ向けイヤモニなどでも採用されるものだ。以前にレビューしたUltimate Ears UE18+ Proなどでも採用されている。

 

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 難点はインピーダンスが8Ωと低い点だ。4BAという構成もあり、音量を取りにくいスマートフォンなどでの使用を意識した設定と思われる。スマートフォンであるXperia 1IIIでは6割程度の音量で十分な音量を確保することができたが、音がやせるような感覚はあるので、MD4はスマートフォンではやや鳴らす難易度が高いように感じた次第だ。

 インピーダンスが低いとプレイヤーによってはホワイトノイズを多く拾ってしまうので、環境によってはアッテネータを入れるなどの対応すると良い。


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スイッチの設定は付属品のクリーニングツールにて行う

 

 MD4の特徴とも言えるスイッチを変更した際の感想は以下にまとめることにする。

 

サウンド:高域ブースト

 ブーストとはあるが、極端に特定音域がスポイルされると言ったことは無い。高域がやや出ることで、見晴らしの良い(サウンドステージが広くなる)音に変わる。ハイレゾ音源向けのマスタリングなどがされているものでは、こちらの設定の方が気持ちよく聴ける場合もあるだろう。

 

サウンド:低域ブースト

 こちらもブーストとある割には量感などで主張が激しいものではない。ただ、EDM系の低域の主張か強い楽曲では非常に相性が良いと感じた。量感ではなく、アタックや勢いと評される部分でで押してくるタイプ。音数の多い低域を含む曲では、こちらの設定の方が気持ち良いと感じる場面もあるだろう。

 

サウンド:ウォーム

 こちらに関しては、ウォームとあるようにBAユニットが持つ刺さり系のある音がかなり低減されるものになる。イージーリスニングと言われるジャンルの音楽や、刺さりが強めな音源では有効と言える設定だ。

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ケーブルはしなやかなものだ

 

 付属ケーブルは銀コートOFCと呼ばれる線材が使用されている。ケーブルは4芯のもので、長さは1.2mとなる。ケーブル自体はしなやかで比較的細い部類となる。タッチノイズも少なく取り回しも良好だ。


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コネクタは0.78mm 2Pinだ

 

 イヤホン本体は0.78mm 2Pin規格でのリケーブルも可能だ。注意点は、ピンサインは非公表な上、ケーブルも近年の中国メーカーで主流のQDC 2Pinと呼ばれるカバー付きのものでは無い。

 そのため、サードパーティのケーブルのラインナップ数ではやや劣るものとなる。リケーブルを考えている場合は、ケーブルの相性を確認することを推奨だ。

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イヤーピースも3タイプが付属する

 

 付属のイヤーピースは3タイプが付属し、それぞれS/M/Lの3サイズとなる。バランスとあるもの(下側の黒い軸のイヤーピース)は軸が硬いもの。ボーカルとあるもの(白いイヤーピース)は、軸が柔らかいもの。低域とあるもの(上側の黒いイヤーピース)は、軸が固く、内径がやや絞られたものになる。上記のスイッチ設定と合わせて好みや装着感で使い分けると良い。

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本体が金属筐体である点もこの価格帯では珍しい商品だ。シェルサイズもコンパクトな部類で、耳への収まりも良好といえる

 

最後に、MD4は日本発売も期待される4BA搭載イヤホンだ

 

 今回提供のサンプルにも至る所に日本語の表記があり、ハイレゾ認証を取得してる点などからもMS4に続いて日本でも発売が期待される機種だ。


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 日本向けではないが、中国向けには6月15日〜24日の期間で先行販売される形となる。先行販売では169ドル(2万円前後)の価格設定となり、非常にお買い得な設定となっている。

 

 日本での正規販売価格は今の所未定ではあるが、中国メーカーの比較的安価な複数BA搭載イヤホンも多く出てきている。安価なものではBAユニットの歩留まりが良くない分、チューニングの甘さや雑味のような感覚を覚える機種も見受けられるが、MD4ではそのようなことは感じられない。

 スイッチによる遊び要素、サウンドクオリティ、筐体のビルドクオリティなどを考えても、価格を考慮すればお買い得と言える仕上がりだ。

 

 3万円前後の価格設定なら非常に魅力的な1本となると感じるところだ。比較的ジャンルを選ばない部類のイヤホンとなるが、強いて言うなら近年の流行となる低域がしっかり効いてくる音楽との相性が良いと感じた次第だ。日本での発売にも期待したい。

 

Hidizs MD4 is coming soon