どうも
今回はNW-WM1AM2を買ってからおおよそ2週間。
メーカー公称200時間のバーンインも終了したところで、じっくり評価していこうと思う。
- 最新ハイエンドウォークマン、NW-WM1AM2をざっくりと説明してみる
- 進化したウォークマンのサウンドをチェック
- キレのいい低域と伸びていくボーカル。前作より進化したウォークマンらしさをしっかり感じる音作り
- 電池持ちは思ったより大丈夫そう。Android搭載で魅力もアップ
- 最後に、NW-WM1Aユーザーに安心して勧められる後継機。それがNW-WM1AM2だ
最新ハイエンドウォークマン、NW-WM1AM2をざっくりと説明してみる
スペックなどは多く語られているので、ここではざっくりと紹介する形とする。
発表時にキャッキャウフフしてた記事に何となく記してたので時間があればチェックしてほしい。
端的に言えばソニーの人気ハイエンドウォークマンであったNW-WM1Aの後継機であり、音質や機能面をさらにブラッシュアップさせた商品と見るべきだろう。
特徴としてはAndroid OSを採用し、各種ストリーミングサービスを利用できるようになった点だ。
ウォークマン由来の機能も各種ストリーミングサービスに上乗せ使用できることから、音質的には不利な配信音源でも快適なリスニングが可能だ。
DSEEも従来モデルのDSEE HXから、近年のXperiaなどでも採用されているDSEE Ultimateにバージョンアップした。
DSDリマスタリングエンジンなどの新たな音響エフェクトも加わり、ハイエンドウォークマンの名を冠するだけのものになっている。
AndroidバージョンもAndroid 11を採用しており、4~5年ほどは多くのアプリが問題なく使えるだろう。
本体の質感は非常に良好だ。
滑りにくい素材となっており、上部樹脂パーツとの親和性も上手く調整されている。
画面は5インチと大型化した。3.6インチだったZX507などに比べてアプリの操作性は向上している。
画面解像度はHD解像度ではあるが、音楽プレイヤーとしては必要十分だ。
合わせて本体もNW-WM1Aより大型となり、その結果若干本体の重量も増えている。
操作ボタン系は本体右側に、HOLDスイッチとSDカードスロットを本体左側に備える。
電源ボタンがNW-WM1Aと位置が若干異なるので、使い始めは電源ボタンだと思って音量上げボタンを押してることがしばしばあった。
本体上部のイヤホンジャック端子はNW-WM1A同様に3.5mmステレオと4.4mmバランス端子となる。
充電端子はZX507などと同じくUSB Type-Cとなった。従来のように別途専用ケーブルを持ち歩いたりする必要はない。
ファイルの転送速度も向上しており、大容量のハイレゾ音源を転送するときでも有利だ。
進化したウォークマンのサウンドをチェック
ウォークマンというのだから、音だけは外せない。
今回はアンバランス、バランス共に聴いた感想を述べていきたい。
今回の試聴曲は以下の曲を使用する
GIRAFFE BLUES
マクロスΔの劇中挿入曲。何と言っても伸びゆくボーカルが特徴のナンバーだ。
先日マクロスFのキャストがΔ楽曲を歌唱するデカルチャーミクスチャーとかいう円盤が発売されて、フロンティア世代である筆者が声にならない声で喜んでいた。
ちなみにカバーでの歌唱はシェリル・ノームの歌唱を担当したMay‘nさんだ。チョイスに同意しかない。
電音部より トアルトワ(feat.Taku Inoue)
電音部よりバチバチに低音が効くイノタクさんのナンバー。
とにかく音数の多い曲となるので、再現性というところ。
低域の表現力にフォーカスを当てて聴きこんでみる。
打上花火/DAOKO×米津玄師
デュエット曲でもあるナンバー。普段聴かない方面なので男性ボーカルなども試してみたいところだ。
スロウリグレット/田所あずさ
いつものです。
使用するイヤホンはソニーのIER-M7を使用します。
この環境で聴いてみようと思う。
キレのいい低域と伸びていくボーカル。前作より進化したウォークマンらしさをしっかり感じる音作り
サウンドに関してはまさに「NW-WM1Aの上位互換」と言うべきだろう。
近年のウォークマンらしい「アナログ感のある音」という方向性はブレずに、より生々しさというところをブラッシュアップしたという形だろうか。
明らかにこの部分は他社のプレイヤーには無いソニーらしい特長だ。
高音域はNW-WM1Aの時点でも完成度の高い解像感がありながらも派手に主張しないものであったが、WM1AM2では1Aのイメージそのままにより見晴らしが良くなったという表現をするのが適当だろう。
打上花火やGIRAFFE BLUESでは、天まで見渡せるかのような見晴らしの良いと言えるような表現だ。
曇ってたものが晴れ渡った感じと言える。
ボーカル域に関しては、個人的に女性ボーカルが得意なように感じた次第だ。
やはり「生々しさ」というところではWM1A比較でも強調されているのか、WM1A比較でもアーティストがもう一歩こちらに歩み寄ってくれるような感覚と言える。
この生々しさはGIRAFFE BLUESやスロウリグレットで存分に体感できた。
ボーカル域はDSEEの入り具合で結構変わるようで、WM1AのようにDSEEの補正をある程度調整して聴いてたユーザーには惜しいところだ。
1番わかりやすいのは低域だろう。WM1Aでもかなりソリッドな低域を表現出来ていたが、WM1AM2ではコンデンサがFTCAPに変更されたこともあって歯切れの良い低域も沈み込むような低域も綺麗に表現してくれる。
トアルトワではサビの低域のキレ具合が本当に心地よい。
そして、バランス接続に切り替えるとサウンドステージがグッと広がり低域がよりソリッドになる。
バランスド・アーマチュア型のイヤホンやハイブリッド型と呼ばれるイヤホンであれば、こちらの方が相性の良い機種も多いだろう。
これについては音源や使うイヤホンやヘッドホンに合わせて使い分けると良いだろう。
各種高音質機能の中では、新規で採用されたDSDリマスタリングエンジンが面白い。
これをオンにすると音が一気に「やわらかい」と表現するような感覚となる。
音源の相性もあるが、ピッタリハマる曲には独特の表現となるため面白い機能だ。
電池持ちは思ったより大丈夫そう。Android搭載で魅力もアップ
さて、ウォークマンがAndroid搭載となって一番懸念されたのは「本体の電池持ち」だ。
NW-A100シリーズやNW-ZX507はAndroid搭載のウォークマンであったが、電池持ちがあまり良いものではなく筆者も耐えかねて手放してしまった次第だ。
このバッテリー持ちについては筆者も懸念していたが、いざ使い始めてみると懸念は杞憂だったと言える。
純正プレイヤーを使ってる場合だと思った以上にバッテリーが減らないのだ。
メーカー公称値で40時間の連続再生を可能にしてると言っているだけはあって、この辺にはしっかりテコ入れされている。
1時間半使ってもバッテリー減少は3%というのは凄い。
下のApple Musicはネットワーク接続してるとは言え、10分で2%も吸われている。
ただ、サードパーティやストリーミングサービス利用では公称値でも18時間(オフライン時)と一気に減るのでこれは仕方ないと言えるだろう。
皆さんが気になるプロセッサはWM1AM2ではNXP i.MX8 Plusにバージョンアップした。
A100/ZX507がi.MX8 miniでしたので、比較するとGPUが最新のAPIにも対応して若干性能向上してる形となる。
まぁ、この手のプロセッサー選定はやはりノイズ対策というところだろう。
もちろん組み込み向けプロセッサーなので、相変わらず動作周波数は1.2-1.8GHzと高めではある。
その点はバッテリー容量の増加(3000mA/h)と純正アプリの最適化で長時間再生を達成していると言える。
ちなみにGPUがバージョンアップしたので、ミリシタが動くハードウェアになったことは追記しておきたい。
最新Androidウォークマン
— はやぽん (@Hayaponlog) April 1, 2022
NW-WM1AM2でミリシタを動かしてみました
GPUが前モデルよりパワーアップしましたが、所詮はGC7000ULなので無理があろうかと思われました。
このスペックの端末が現行で出ることは少ないのでとても貴重なデータが取れました。
(GPUはざっくりAdreno 305くらいの性能) pic.twitter.com/l5bUUk3TuX
さて、Android OSとなった最大の利点は再生するプレイヤーを自由に設定できる点だろう。
サードパーティとしては10年来の強い支持をもつNeutron Music Playerなどの高音質プレイヤーなどを組み合わせるのも面白い。
Neutron Music Playerではウォークマンとはまた違ったシャキッとした音になるのが特徴。
まるで別のプレイヤーのように化けるのでこれはこれでアリだ。
各社ストリーミングサービスのプレイヤーも利用可能だ。
もちろんビットパーフェクト再生にも対応してるので、ハイレゾストリーミングもバッチリと言える。
そしてこれらのアプリにもDSEE UltimateやDSDリマスタリングエンジンといったソニー独自の音響効果を適用できるのだ。
圧縮されがちなストリーミング配信ではアップコンバートは高音質再生するにあたってうれしい機能だろう。
WM1AにあったBluetoothレシーバーモードは廃止となったが、USB DACモードは今作にも搭載されている。
USB Type-C端子となったので、接続する機器の幅が広がるのは大きな利点と言える。
UE18+ Proと組み合わせても納得の音質だ。
最後に、NW-WM1Aユーザーに安心して勧められる後継機。それがNW-WM1AM2だ
ここまでWM1AM2を聴き込んできたが、今のところかなり隙がない。
確かにサードパーティのプレイヤーを使った時の再生時間は劣るものがあるかもしれないが、近年のハイレゾプレイヤーは音質重視のものでは再生時間も10時間前後のものが多い状態だ。
その中で純正プレイヤーで40時間再生は異次元の領域と言える。
電源オフタイマーと組み合わせると筆者の使い方では5日ほど充電しなくてもバッテリーが持った形だ。
バッテリーライフを心配してたユーザーには安心して勧められると言ってよいだろう。
もちろんNW-WM1AM2の卓越した音質と、音源を選ばないアップコンバート機能も特筆すべき点だ。
特にこのWM1Aシリーズは初めての高級音楽プレイヤーには持ってこいと言える存在で、手持ちの音源が圧縮音源メインでもDSEE Ultimateなどを使えば高音質に楽しむことができる。
これは他社の同価格帯プレイヤーにはない機能と言えるので、この部分だけでもウォークマンを選ぶ価値はある。
何よりいい意味でWM1Aとサウンドの方向性が変わってないのが大いに嬉しいところ。
音に関して一環したコンセプトがあり、それに沿って後継製品が作られているように感じた。
それ以外にもAndroid OSによってカスタマイズの幅が広がったこと、ストリーミング配信にもしっかり対応したこと。
合わせてUSB Type-Cへと充電端子が変わったことも大きな利点と言える。
満を持して登場した6年ぶりのハイエンドウォークマンは、ファン待望の後継機と言えるだけの仕上がりと言える。
値段は少々高額であるかもしれないが、満足度はかなり高いと感じた1台だ。
みなさまもこの音を手にとって、より良い音で生活の質を上げてみるのはいかがだろうか。
それでは