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Galaxy tab S8レビュー 日本で売ってほしかった"ちょうどいいサイズ"の高スペックAndroidタブレット

 昨年、日本で8年ぶりのハイエンドAndroidタブレットを展開したサムスン。日本では「Galaxy tab S8+」「Galaxy tab S8 Ultra」の2つが販売されているが、もうひとつここにはないタブレットがあることをご存知だろうか。それが、11インチの画面を採用したハイエンドタブレット「Galaxy tab S8」だ。

 

Galaxy tab S8のスペックをチェック

 

 Galaxy tab S8はサムスンが2022年に発売したGalaxy tabシリーズのフラッグシップラインとなる。この中では最も廉価ではあるが、基本性能の高さは全機種共通の特徴となる。以下スペックとなる。

 

SoC:Qualcomm Snapdragon 8 Gen 1

メモリ:8GB

ストレージ:128GB(SDカード利用可能)

 

画面:11インチ液晶ディスプレイ 2K+解像度

120Hzリフレッシュレート対応


広角カメラ:1300万画素/F2.0

超広角カメラ:600万画素/F2.2


フロントカメラ:1200万画素/F2.4 

 

 

上位モデルに5G対応モデルもあり

 

 Galaxy tab S8の特徴はなんと言ってもスペックの高さだろう。SoCにはSnapdragon 8 Gen 1を採用し、高いスペックを獲得している。

 前作のGalaxy tab S7世代はSnapdragon 865+だったので、2世代分アップグレードされた形となった。発熱が心配されるチップセットではあるが、タブレット端末という大型筐体なこともあり、処理落ちするような場面はなかった。

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SoCにはSnapdragon 8 Gen 1を採用する。

 

 このようなハイエンドのスペックを持つタブレットと言えば、AppleのiPadを思い浮かべる方も多い。そのような日本市場において、数少ないハイエンドAndroidタブレットとしてGalaxy tab Sシリーズが発売されたことはありがたい。

 

 画面は液晶ディスプレイだが、屋外での視認性の高さを兼ね備えた点が特徴。120Hzの高フレームレートにも対応している。 

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Galaxy tab S8は11インチの液晶ディスプレイを採用する。屋外での視認性も良い。
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ベゼルは比較的削った商品だ

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液晶ディスプレイのため、指紋認証は電源ボタン一体型となっている
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リアカメラは標準カメラに加え、超広角カメラも備える2眼仕様だ

 

ペン動作が気持ちいいGalaxy tab S8

 

 Galaxy tab S8はスライタスペンにも対応している。これは「S-Pen」と呼ばれるこのシリーズとしてはお馴染みのものだ。

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スライタスペンの書き心地はさすがと言ったところで、ペンタブレット代わりに使うことも可能なレベルだ。また、他のメーカーの製品と違い、このスライタスペンが付属する点も嬉しい点だ。

 

 Galaxy tab S8でもGalaxy S22 Ultraをはじめとしたスライタスペンが利用可能なスマホと同様に「Galaxy Notes」をはじめとした「S-Penが使える」アプリも多くプリインストールされる。

 

 また、ペイントアプリの「CLIP STUDIO PAINT for Galaxy」もプリインストールされてる。クリスタと略されるこのアプリは、イラストレーターや漫画家をはじめとした、プロのアーティストも利用するアプリだ。日本向けのプロモーションでも、過去にGalaxy tab Sシリーズが使用されるなど、なめらかな書き心地を特徴とするSペンとの相性も抜群だ。


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スライタスペンは本体背面にマグネットで固定可能だ。ここでペンの充電も行う。

 

 

スマホを大画面にしたものとは違う!マルチタスクに特化したGalaxy tab S7シリーズ

 

 

 今までのAndroidタブレットの多くは「スマホをそのまま大画面にした」というものが大半だ。そのため、スマホ向けに作られてるアプリを大画面で動かす関係で、上手くスケーリングされずに使いにくくなることが多々あった。現在はAndroid OS自体が大画面に最適化されており、このようなことは少なくなりつつある。

 

 その中でも、サムスンでは早くからスマホやタブレットのマルチウィンドウ化を実装している。このGalaxy tab S8ではデスクトップモードである「SAMSUNG DeX」を単体にて動かせるくらいの性能を備えている。f:id:hayaponlog:20210419232303j:image

SAMSUNG DeXはスマホのアプリをPCウィンドウのようにして複数動かすことができる(写真はtab S7+)

 

 この単体DeXと言えるデスクトップUIはAndroidタブレットにおける革命みたいなものだ。スマホの巨大版だったAndroidタブレットが「仕事で使えるツール」に変わった瞬間だった。f:id:hayaponlog:20210419232332j:image

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Galaxy tabシリーズには純正のキーボードも用意されている。(写真はGalaxy tab S7+)

 

 Galaxy tab S8にはオプションでキーボードも用意されている。これにはタッチパッドを備えており、操作感覚は完全にWindowsのようなPCと同じような感覚だ。キーボードはファンクションキーも割り当てられており、完全なPCに近い操作も可能だ。DeXキーなんかも備えてるの点も、この機種専用のキーボードと言うだけある。また、キーボードはGalaxy tab S7のものがtab S8でもそのまま利用可能となっている。

 

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このように大画面を生かしたマルチタスクがGalaxy tab S8シリーズでは可能である。(写真はtab S7+)

 

Galaxy tab S8の惜しい点はイヤホンジャックは無いことくらいか。

 

 Galaxy tab S8シリーズ唯一の弱点はイヤホンジャックが無い点だ。こんなところまでiPadの真似なんてしなくてもいいのに…と思った方は数しれず。ただ、USBの出力がそこそこあるのかハブもしっかり認識し、そこからイヤホンを繋ぎながら充電すると言ったことは可能だった。

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Galaxy tab S8シリーズにはイヤホンジャックがない

 

 これなら思い切ってUSB端子を2つ搭載してみてはどうだろうか?片側を充電で使いつつ、もう片側でイヤホンなどのオーディオ出力や各種データのやりとりができる。Apple iPad ProのMagic keyboardのようによりPCライクに使えるのではないかと考えるが、現実的ではないのだろうか。

 

最後に、Galaxy tab S8こそ日本でも売って欲しいタブレット端末だった

 

 今回レビューのGalaxy tab S8。上位モデルについては7年ぶりの日本発売に漕ぎつけるなどかなり意欲的に展開した。だからこそ、11インチの画面を持つこの機種が出なかったことについて、筆者は惜しいと言わざるを得ない。

 被るラインはXiaomi Pad 5やNEC LAIVE Tab 11などがあるものの、Galaxyよりもスペックが低いので、競争相手となるような機種とは言えない。ほぼiPad Pro 11インチと一騎打ちできるものだけに惜しいものがある。

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日本で1番出てほしかったタブレットかもしれない

 

 

 そんなGalaxy tab S8だが、高いスペックとスライタスパンを求めるなら一択とも言える仕上がりのAndroidタブレットだ。ここまで来ると競合対象はiPad ProやWindowsタブレットになるが、デスクトップUIの使い勝手の良さや本体が軽量なこと。Windowsマシンに比べて電池持ちが良い点などはGalaxy tab S8が優位に働く場面だ。

 

 よく使うアプリの有無やモビリティを重視する場合は、Galaxy tab S8はマストバイと言える仕上がりのタブレットだ。画面サイズなどを求める場合は上位のGalaxy tab S8+も同時に検討してほしい。

 

 最後に価格となるが、Galaxy tab S8の価格は発表時で700ドル〜、tab S8+は900ドル〜の設定となっていた。日本における上位モデルのGalaxy tab S8+の価格が値上げ前で11万5000円前後であったことから、仮にtab S8が出ていたら10万円を切る価格設定となっていたことだろう。間違いなくiPad Proキラーになりえた存在だろう。

 

 さて、1度は衰退したハイエンドAndroidタブレットだが、Android OSがデスクトップUIをサポートしたこと、ARMプロセッサーの性能が大きく上がったことから、再びハイエンドタブレットに注目が集まりつつある。

 

 最近ではXiaomiをはじめ、vivoやOPPOなどの中国大手メーカーもAndroidタブレットを投入している。Galaxy tabも日本に投入され、Pixel tabletも発表されるなど、またこの市場が盛り返しを感じており、筆者としては嬉しいところだ。

 

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